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研究5 ― ヘブライ語聖書の本文『聖書全体は神の霊感を受けたもので,有益です』
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エジプトでファド・パピルス266が発見され,西暦前1世紀の写本であることが分かりました。それには創世記と申命記の一部が含まれています。創世記の断片には保存の不完全さのため神の名が出ていませんが,申命記には様々な場所に神の名が出ており,それはギリシャ語本文の中に方形のヘブライ語文字で書かれています。d
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研究5 ― ヘブライ語聖書の本文『聖書全体は神の霊感を受けたもので,有益です』
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14 (イ)オリゲネスはセプトゥアギンタ訳について何と証言していますか。(ロ)セプトゥアギンタ訳はいつ,またどのようにして不正な変更を加えられましたか。(ハ)初期のクリスチャンはセプトゥアギンタ訳を用いて,どんな証しを行なったに違いありませんか。
14 西暦245年ごろに完成した,オリゲネス編さんによる6欄の「ヘクサプラ」のセプトゥアギンタ訳の箇所にも神の名が四文字語<テトラグラマトン>の形で出ているのは興味深い事柄です。詩編 2編2節に関する注解の中でオリゲネスは,セプトゥアギンタ訳についてこう書きました。「最も正確な写本には,み名がヘブライ語文字で書かれている。しかし,それは現代のヘブライ語[文字]ではなく,最も古いヘブライ語文字によってである」。e 証拠によれば,セプトゥアギンタ訳には四文字語の代わりにキュリオス(主)やセオス(神)という語が用いられて,早い時期に不正な変更が加えられたことは疑問の余地がないようです。初期のクリスチャンは神のみ名の出ている写本を用いたので,宣教に携わる際,ユダヤ教の伝承に従って「み名」の発音をしなかったとは考えられません。それらクリスチャンは,ギリシャ語セプトゥアギンタ訳から直接エホバのみ名について証しをすることができたに違いありません。
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