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目ざめよ! 1990
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ぜん息を理解する

ぜん息は世界中で見られる病気です。ここニュージーランドでは,10人に一人がこの病気にかかっていると推定されています。患者の中には,若い人や年配の人,都会の人や田舎の人,筋肉労働者や事務員がいます。

それにもかかわらず,ぜん息は,特にその病気にかかっていない人々からはほとんど理解されていません。ぜん息を患う人でさえ,自分に何が起きているかを理解していないことがよくあり,そのために不安が募り,症状を一層悪化させることになりかねません。ニュージーランドでの経験と調査に基づく以下の説明は,そうした理解の不足を幾分かでも補うのに役立つことでしょう。

ぜん息とは何か

典型的なぜん息の発作が起きると,患者は胸が息苦しくなります。患者はぜいぜいと息をしたり,咳こんだりしながら,なんとか呼吸しようとします。これは恐ろしい経験です。ぜん息の発作はひどいものもあれば,ごく穏やかなものもあります。発作の頻度が一様でないように,症状も一様ではありません。中には激しさは違うものの,いつもぜん息の症状を呈している人がいます。

何がこの不快な感覚の原因なのでしょうか。ご存じかもしれませんが,空気は気管支を通って肺に運ばれています。ぜん息患者の多くは,この気管支がアレルギー反応で過敏になっています。気管支壁の筋肉が収縮し,気管支の内側の粘膜が腫れて,気管支内の腺は過剰な粘液を分泌します。すると,どんな結果になるでしょうか。気管支が細くなるのです。ぜん息を患う人が呼吸困難になるのも,不思議なことではありません。

ぜん息の原因は何か

何がぜん息の発作を引き起こすのでしょうか。病原菌への感染,感情的な動揺,何かの物質に対する激しいアレルギー反応などがその原因と思われます。しかし,一度ぜん息を起こすと,幾つかの抗原,つまり特定の物質が気管支を過敏にすることもあります。そして,気管支がこれらの物質に対して敏感になってしまうと,気温や湿度の変化,感情的な動揺や運動といった他の要因も発作の原因となることがあります。

医師にはぜん息の発作を引き起こす抗原の幾つかを見分けることができるかもしれませんが,必ずしもそのすべてを見つけることができるわけではありません。抗原が見つかったとしても,いつもそれを避けることができるとは限りません。ぜん息の原因とそれを扱う最善の方法を徹底的に探るには時間がかかるかもしれません。患者の側にも医師の側にも多大の辛抱強さが求められるでしょう。しかし,そのように時間をかければ,症状を制御しやすくなるようです。

発作を予防する方法

ぜん息患者の肺を刺激し,発作を引き起こし得る事柄は数多くあります。以下のものに接することがないようにしましょう。

たばこの煙: たばこを吸ってはなりませんし,たばこの煙が充満した部屋を避けてください。ぜん息患者が喫煙をやめようとしないなら,医師はすぐに同情心を失うでしょう。友人にぜん息を患っている人がいるなら,その人のいる所ではたばこを吸うべきではありません。すぐに発作を起こすとは限りませんが,数時間以内には煙の影響で非常に苦しくなるかもしれません。

ほこり: ほこりっぽい,閉めきった場所やほこりを巻き上げるような活動を避けてください。仕事がら多量のほこりにさらされるようであれば,職業を変えることを真剣に考えてください。ぜん息の症状が夜にだけ,あるいは寝室の中でだけ出ることに気づいた患者もいます。これは家の中のほこりや,微小なチリダニ類が原因なのでしょうか。そのようなケースは珍しくありません。ですから,ぜん息患者の寝室はできるだけほこりがないようにしなければなりません。掃除に関する以下の提案は,ぜん息患者のために特に考えられたものです。

寝室は毎日掃除する。

マットレス,ベッドの台,毛布,床は毎週十分に掃除し,掃除機をかける。敷物やじゅうたんよりも硬材の床が望ましく,カーテンよりはブラインドのほうがよい。

家具,ドアのてっぺん,窓枠,窓台を湿らせた雑巾か油布で拭く。

部屋は完全に換気する。換気した後はドアや窓を閉めておく。少なくとも,患者が床につく3ないし4時間前には閉める。

アレルギーを引き起こす物質でできたマットレス,毛布,枕を使わない。またできるだけ定期的に日干しにする。a

もう一つあります。寝室にペットを入れないでください。あなたがペットに対してアレルギー反応を起こしているという証拠が少しでもあるなら,ほかの飼い主を見つけてください。あるいは,少なくともペットを家の中に入れないようにしてください。

気温と湿度: 気温の突然の変化や,極端な暑さや寒さは発作を引き起こすことがあります。理想的なのは,わずかに暖かく湿った空気です。ですから,ぜん息で苦しんでおられるなら,霧のかかった,冷え込む寒い日には,できるだけ出歩かないようにしてください。セントラル・ヒーティングで空気を熱したり乾燥させたりすることは避けてください。気温の変化によって夜間に発作を起こすようであれば,冬期にはサーモスタットの付いた暖房機を室内で使ってみてください。湿度によって症状が出るのなら,加湿機や除湿機を使ってみるとよいでしょう。

感情的なストレスと疲労: このどちらもぜん息の発作の原因になることがあります。確かに,感情的なストレスをいつでも抑えることができるわけではありません。しかし,この点で聖書の原則が役立つことに気づいたぜん息患者は少なくありません。聖書は,「体の命は,平穏な心である」と述べています。(箴言 14:30,エルサレム聖書)さらに,賢いぜん息患者は,自分の身体的な限界を忘れないようにし,疲労を避けます。疲労も発作の原因になり得るからです。

食物: 食物に対するアレルギーもぜん息の発作の原因になることがあります。子供や,子供の時からぜん息が始まった大人の場合は特にそうです。牛乳,卵,シリアルといった普通の食べ物でも原因になることがあります。しかし,砂糖のようにどこにでも使われている物質の場合には特にそうですが,原因を見定めるには非常に多くの調査をしなければならないでしょう。もちろん,二つ以上の食品が関係していることもあり得ます。大人の患者であれば,アルコール飲料,特にビールとワインが症状を悪化させる要因になり得ることについて考えるのは賢明なことでしょう。

運動: 運動のしすぎでぜん息の発作が起きることもあり,たいていは運動が終わってから起こります。このような経験をしたことがあれば,エネルギーを一挙に使うスカッシュテニスのような運動を避け,水泳やサイクリングといった,もっと穏やかな運動をしてみてください。激しい活動の前に気管支拡張剤(気管支内の狭窄を緩和する薬)を飲んでおくことも役立つかもしれません。物理療法士は,許容できる運動量を増やすための計画を作って,あなたの力になれるかもしれません。これによって,息を切らすことなく,もっと多くの活動に参加できるようになるでしょう。

感染: 多くの場合,風邪やインフルエンザのような,呼吸器の軽い伝染性の疾患も,ぜん息の発作を起こしたり,症状を悪化させたりします。病原菌に感染していると,いつもぜん息の治療薬として使っている薬も効かないことがあります。

花粉に対処する: 呼吸器系の疾患を持つ人には,冬期に多くの問題が生じますが,いわゆる季節的なぜん息にかかる人々も少なくありません。顕微鏡でしか見えない,非常に小さな花粉の微片が夏の空気に漂って,ぜん息患者にひどい苦しみと不快感をもたらすことがあります。この花粉の源を根絶することはできませんが,幾つかの常識的な方法は役立つかもしれません。例えば,刈り込んだばかりの草を避け,花粉の季節には,原野や田舎の地方も避けます。もし可能であれば,効率的な空調設備を使います。

カビに対処する: わたしたちの周囲には何千種というカビ,もしくは真菌類が住んでいます。カビや真菌類の胞子(繁殖体)は,動植物の上で育ちます。小麦,オート麦,トウモロコシ,草や葉にも大量の胞子が付いています。ぜん息患者にとって問題になることが分かった胞子はわずかしかありませんが,ニュージーランドで行なわれた調査は,胞子がアレルギーの主要な要因である可能性を示唆していました。それで,空気で運ばれる胞子を根絶することはできないにしても,以下の方法は役に立つかもしれません。

湿っぽい,カビの生えた地下室や建物を避ける。

葉や乾いた草をかき集めたり,焼いたりしない。

カビの生えた物品はすべて殺菌するか,処分する。

部屋の中に植物を置いたり,庭に堆肥の山を積み上げたりしない。

家の中のカビが発生している箇所を消毒する。

あなたのお子さんはぜん息ですか

もしそうなら,お子さんにはあなたの援助が必要です。あなたも担任の先生も,問題を理解し,それに対処するよう子供を援助する必要があるでしょう。子供は能力以上のことをするように強制されるべきではありませんが,ぜん息の陰に隠れてしまって,有益な活動が行なえないようであってもなりません。

ぜん息の問題を抱えている子供たちでも,症状が出ていないかぎり大抵ほとんどの競技を行なえますが,運動は競争しないもののほうが望ましいでしょう。しかし,子供が慢性的なぜん息を抱えている場合には,参加できる活動は限定されるかもしれず,大人たちはその子を強制して無理なことを行なわせないよう気をつけなければなりません。薬品をよく理解して使用すれば,体育の授業のような普通の活動に参加するよう援助できるかもしれません。体育の教師は気管支拡張剤のエアゾールをいつ,どのように使用すればよいかを知っているとよいでしょう。

まれにですが,ひどいぜん息のためにいつでも呼吸が困難だったり,頻繁にぜいぜいと息をしたりしている子供がいます。そのような子供たちは不安で緊張していることが多く,両親や先生も大変心配します。そのような子供たちはしょっちゅう学校を休み,様々な競技に参加することができません。

親はそのような子供に対して過保護になる可能性があります。子供の家庭がいつも緊張しており,言い争いばかりしているなら,子供がどうしても必要としている援助や愛,また理解や励ましが不足してしまうかもしれません。両親が健全に,また楽観的にぜん息と取り組もうとするなら,子供の不安を軽減し,病気の深刻さを最小限に食い止めるのに役立つでしょう。

だれかが発作を起こしたなら……

その人を静かな場所に移し,安心させてください。発作が起きている間は,普通は前かがみに立つか座るのが一番楽な姿勢です。そして直ちに気管支拡張剤を使うべきです。吸入式の気管支拡張剤は経口薬よりも早く効くので,効果的かもしれません。発作がひどく,特に患者が普通に話せないようであれば,できるだけ早く医師のところへ連れて行くべきです。患者は発作の間にあえいだり,激しく呼吸したりするので多量の水分を失います。ですから,飲み物を十分に与えてください。

ぜん息患者の治療

ぜん息患者を援助するに当たって,特に(横隔膜を使った)正しい呼吸法や息苦しさを和らげる方法を教えるに当たって重要な助けになるのは物理療法です。物理療法士は緊張を解くことや,良い姿勢,ぜん息を抑えるのに役立つ運動なども患者に教えることができるでしょう。様々な治療法があります。普通の場合,各患者にどんな療法が最善かを提案するのに最も適しているのは医師でしょう。

治療の際には,数種類の気管支拡張剤のほかに,クロモグリク酸ナトリウムやステロイドのような薬品を使用する方法があります。もちろん,薬剤の使用には,副作用の伴う危険性もあります。医師が他の治療法を推薦できる場合もあるでしょう。

ぜん息は複雑な病気です。親族や友人が助けになりたいと思うのであれば,そのことを理解しなければなりません。『あまり気にかけないようにしなさい』とか,『とても元気そうに見えるのにね』といった言い方は避けてください。ぜん息患者が自分の病気をよく知るようにすれば,神の新しい世で人類のすべての病気が癒される前の今でさえ,ぜん息の発作によりよく備えることができ,発作の原因となるものを避けるためのよりよい備えをし,緊張や不安や不快感をかなり減らせるということを知って慰められるでしょう。(イザヤ 33:22,24) ― ぜんそく患者による寄稿。

[脚注]

a ぜんそく患者の病気がひどく,こうした家事が行なえないこともあるかもしれません。そのような場合に役立つ提案として,「目ざめよ!」誌,1982年5月22日号の「病気がちでも家は清潔」という記事をご覧ください。

[17ページの図版/図]

(正式に組んだものについては出版物を参照)

正常時

弛緩した筋肉

粘膜

せばめられていない気管

ぜん息の発作時

収縮した筋肉

炎症を起こした粘膜

せばめられた気管

たん

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