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アイスランド2005 エホバの証人の年鑑
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4日間で二つの王国会館
アイスランドの兄弟たちにとって1995奉仕年度の際立った出来事は,6月にケブラビークとセルフォスにそれぞれ王国会館が建設されたことでした。速成建設の工法を用いてアイスランドで王国会館が建てられたのはこれが初めてで,工期はわずか四日でした。この速成建設は,ノルウェーの兄弟たちの愛ある援助によって成し遂げられました。建設資材の大半はノルウェー支部から送られ,プロジェクトを支援するため120人以上の兄弟姉妹がノルウェーからやってきました。建設現場でみんなが口々に述べていたのは,「これはすごい」という言葉でした。アイスランドの兄弟たちは王国会館の速成建設について読んだり聞いたりしたことはありましたが,今やそれを目の当たりにしていたのです。数日間でアイスランドの王国会館の数が倍増したのですから,確かに“すごい”ことでした。
アイスランドの兄弟たちは,二つの新しい王国会館を使えるようになっただけでなく,休暇を取ってノルウェーから自費でやって来て王国会館の建設に携わった兄弟姉妹とのすばらしい交わりから励みを得ることもできました。それはまさに国際的な兄弟関係を証しするものでした。アイスランドの兄弟たちもこの建設プロジェクトに加わり,国内の奉仕者の約半分にあたる150人余りが工事を手伝いました。
この王国会館建設プロジェクトは,一般の人々に対するすばらしい証言にもなりました。二つの全国テレビがニュース番組でこの話題を取り上げ,両方の現場の映像を流しました。ラジオ局や新聞もこの建設プロジェクトについて報じました。セルフォスの教会の牧師は,エホバの証人が注目を集めていることを快く思いませんでした。それで,いわゆる危険な偽りの教えについて警告する記事を地元の新聞に載せ,弱くて繊細な人たちは特に注意すべきであると述べました。さらに,ラジオのインタビューでも同じ警告を繰り返しました。ところが,牧師の言葉は期待したような効果を上げませんでした。むしろ,ほとんどの人は王国会館の建設プロジェクトに感心し,伝道で兄弟たちが会う人の多くは牧師の反応に驚いていると言いました。
牧師の警告が掲載されてから1週間ほど後,同じ新聞に一こま漫画が載りました。手前に教会があり,後ろのほうに王国会館が見えます。二つの建物の間には川が流れていて,きちんとした身なりをしたにこやかな兄弟たちが伝道かばんを手に,王国会館から教会に向かって橋を渡っています。教会の外では,車椅子の女性があわてて飛び上がり,足にギプスをはめた男性と盲目らしき男性が走りながら,「逃げろ,逃げろ,証人たちがやって来るぞ!」と叫んでいます。教会の階段には驚いた様子の牧師が立っています。この漫画を気に入った人は少なくありませんでした。新聞の編集部はこれを年間最優秀漫画に選び,拡大して事務所の壁に飾りました。その漫画は何年もそこに掲げられていたとのことです。
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アイスランド2005 エホバの証人の年鑑
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[249ページの図版]
上: セルフォスにおける王国会館建設,1995年
[249ページの図版]
右: 完成した建物
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