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女性 ― 家庭で敬意を示されているか目ざめよ! 1992 | 7月8日
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息子か娘か,どちらかを選ぶ場合
女性は生まれた時から,いや生まれる前ですら差別されます。なぜそう言えるのでしょうか。「目ざめよ!」誌は,インドのボンベイ出身のマドゥーにインタビューして答えてもらいました。「インドの家庭では男の子が生まれると喜ばれます。母親の悩みはそれで解消されます。老後の世話をしてくれる息子が生まれたからです。両親の“社会保障”は保証されたことになります。ところが母親が娘を産むと,この世にまた一つの重荷を生み出しただけであるかのように,失敗者とみなされます。両親は娘を嫁がせるために高額の持参金を用意することになります。もし母親が娘ばかりを産み続ければ,母親は無能な女ということになるのです」。b
インディアン・エクスプレス誌はインドの少女たちについて,「彼女たちが生き続けることは家系を存続させるうえで本当に重要であるとは考えられていない」と述べています。同誌はボンベイで行なわれた調査を取り上げていますが,それによると,「性別判定後に中絶された8,000の胎児のうち7,999は女児であったことが明らかになった」ということです。
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女性 ― 家庭で敬意を示されているか目ざめよ! 1992 | 7月8日
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b 夫たちは必ずといってよいほど,娘が生まれるのは妻に責任があると考えます。遺伝の法則のことなど考えもしないのです。(このページの囲み記事をご覧ください。)
[6ページの囲み記事]
子供の性別はどのようにして決まるか
「胎児の性は受精した瞬間に決定される。それを決めるのは父親の精子である。女性の体内で作られる卵子は,性別を女に決めるX性染色体を含んでいるという意味では女性型をしている。男性の場合,X染色体を持つ精子は半数だけで,あとの半数は性別を男に決めるY性染色体を持っている」。ですから,二つのX染色体が結合すれば女の子が生まれます。男性のY染色体と女性のX染色体が結合すれば,赤ちゃんは男の子になります。したがって,女性が男の子を産むか女の子を産むかは,男性の精子の中の染色体の遺伝因子によって決まります。(リーダーズ ダイジェスト出版,「人体のABC」)女の子ばかりを産むといって男性が妻を責めるのは筋の通らない話です。だれも責めるべきではないのです。それは生殖という名のくじにすぎないのです。
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