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シメオン,I聖書に対する洞察,第1巻
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ヤコブは臨終に際して息子たちを祝福した時,何年も前にシェケム人に関連してシメオンとレビが関係した暴力行為を回想し,非難を込めてこう言いました。「その殺りくの武具は暴虐の器。わたしの魂よ,彼らの親密な集いに加わるな。わたしの性向よ,彼らの会衆に連なるな。彼らはその怒りのままに人を殺し,ほしいままに雄牛のひざ腱を切ったからだ。その怒りは残虐のゆえに,その激こうは過酷な行動のゆえにのろわれよ。わたしは彼らをヤコブの中に分け,イスラエルの中に散らそう」。(創 49:5-7)シメオンは兄のルベンが失った長子の権を自分が受けることを期待していたかもしれませんが,ヤコブはそのように述べて,そうした望みをことごとく除き去りました。シメオンには6人の息子がおり,そのうちの一人はカナン人の女によってもうけた子でした。預言されていた通り,シメオンの部族の割り当て分はレビのそれと接するものとはされず,この二部族は『散らされ』ました。シメオンの分は部族内でも分けられ,ユダの領地内の幾つかの飛び地の都市とされました。―創 46:10; 出 6:15; 代一 4:24; ヨシュ 19:1。
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シメオン,I聖書に対する洞察,第1巻
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約束の地でそれぞれの領地を割り当てるに際して,シメオンの人口が減少したことは考慮されたに違いありません。この部族には独立した,そっくりそろった受け分は与えられず,ユダの領地内にすっかり閉じ込められた幾つかの都市が与えられました。こうして,200年余り前に述べられたヤコブの臨終の預言が成就しました。(民 34:16-20; ヨシュ 19:1-9。創 49:5-7と比較。)シメオンはユダに加わって,その領地をカナン人の手から奪い取りました。(裁 1:1-3,17)また,シメオンの相続地の中で飛び地の都市がレビ部族のために取り分けられました。―ヨシュ 21:4,9,10; 代一 6:64,65。
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