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聖書の59番目の書 ― ヤコブの手紙『聖書全体は神の霊感を受けたもので,有益です』
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書かれた場所: エルサレム
書き終えられた年代: 西暦62年以前
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聖書の59番目の書 ― ヤコブの手紙『聖書全体は神の霊感を受けたもので,有益です』
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しかし,ヤコブはいつこの手紙を書いたのでしょうか。ヤコブはその手紙を「各地に散っている十二部族」,字義的には「離散の(者たち)」にあててエルサレムから書き送りました。(ヤコブ 1:1,脚注)西暦33年に聖霊が注がれた後,キリスト教が広まるまでには時間がかかったでしょうし,またこの手紙の中で述べられている急を要する事態が展開するまでにも時間がかかったことでしょう。さらに,この手紙は,クリスチャンがもはや小さな集団ではなく,弱い人々のために祈ったり,それらの人々を支えたりすることのできる円熟した「年長者たち」のいる会衆に組織されていたことを示しています。その上,ある程度の自己満足の気持ちや形式主義が忍び込むほど十分の時間がたっていました。(2:1-4; 4:1-3; 5:14; 1:26,27)したがって,もし,フェストの死の前後の出来事に関するヨセフスの記述や,フェストの死を西暦62年ごろとする典拠が正確であれば,ヤコブはその手紙をかなり遅い時期,恐らく西暦62年よりも少し前ごろに書いたと考えて,まず間違いないでしょう。
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