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なぜ木造建築にするのですか目ざめよ! 1995 | 10月22日
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最古の木造建築
この木造の法隆寺がこれほど長くもっているのはどうしてでしょうか。基本的に言って,それは最初にその建物を建てた工匠が,木に関する無類の知識を持っていたからです。どの木を選べばよいか,どこに木のどの部分を使ったらよいかを知っていたのです。この場合に選ばれたのは樹齢少なくとも1,000年を超えていたヒノキでした。
最近亡くなった宮大工の棟梁の西岡常一さんは,寺院の化粧直しに人生の大半を費やしました。この人は,武士の刀を鍛え上げるのと同じ方法で作られた釘も,この寺院の長寿に重要な役割を果たしていると生前語っていました。化粧直しには,古い釘が利用されました。西岡さんの述べたように,「近頃の釘は,20年ともたない」からです。
法隆寺の建物の35%が今世紀になって修復されているという事実からして,この寺に1,300年の歴史があると本当に言えるのかとの疑問を持つ向きがあるかもしれません。しかし,主だった柱や主要な梁や軒の多くには,建てられたときの木材が使われています。西岡さんは,「この寺は,まだあと1,000年はもつと思いますよ」と,述べていました。
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なぜ木造建築にするのですか目ざめよ! 1995 | 10月22日
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[18ページの図版]
日本にある木造の法隆寺
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