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貪欲は保険業を滅ぼすか目ざめよ! 1988 | 5月22日
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一例として,「たわいのない訴訟?」という囲み記事の最後の訴訟を考慮してください。事件は確かに述べられている通りですが,事件の全体は示されていません。例えば,天窓はペンキで塗りつぶされており,夜間には屋根と全く見分けがつかなかったこと,つい最近も,近くの学校で同様の事故があり,死者が出たことなどが,しばしば省かれます。責任を問われた学校は危険に気づいており,天窓の交換を計画していました。さらに,強盗と言うより,いたずら者と言ったほうが正確かもしれません。犯人はその高校の最近の卒業生で,バスケットボールのコートを明るくするために投光器を動かそうとしたのです。
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貪欲は保険業を滅ぼすか目ざめよ! 1988 | 5月22日
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[11ページの囲み記事]
たわいのない訴訟?
■ 米国の3人のえび捕り漁師が激しいあらしに遭って,海で命を落とす。遺族は,間違った予報を出した国立気象局を訴え,125万㌦の補償が認められる。
■ ある女性の車が放れ馬をはね,馬は車の屋根を突き破って,女性が死亡する。自動車会社は訴えられ,そのような衝撃に耐えられる車はないとする会社側の抗議は聞き入れられず,150万㌦支払わなければならなかった。
■ 地下鉄の列車の前方に飛び込んで自殺を図った男性がはねられて負傷する。その男性は,運転手はもっと早く列車を止めるべきだったと主張し,訴訟を起こす。65万㌦で和解。
■ 50年間使っている,安全装置のない巻き揚げ機で船員が負傷する。船員は製造業者を訴えて勝訴し,業者は倒産する。
■ 浜辺で大波の中へ飛び込んだ男性が重傷を負う。男性は地元の町を訴え,600万㌦の補償金を得る。
■ ニューヨークのある高級ディスコへの入場を断わられた男性が,精神的苦痛を味わったことで訴訟を起こし,5万㌦の補償が認められる。
■ 米国のある建設作業員がホチキスを使用していたところ,ホチキスの針が壁に当たって跳ね返り,負傷する。作業員は製造元の西ドイツの会社を訴える。会社側はその男性が使用を誤ったと主張したが,男性が勝訴し,170万㌦の補償が認められる。
■ 高校の屋根の投光器を盗もうとした19歳の強盗が,天窓から落ちて重傷を負う。訴えられた学校側は,若者に補償金として26万㌦,さらに毎月1,500㌦支払う。
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