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  • 『あなた方の指導者はキリスト一人です』
    ものみの塔 2010 | 9月15日
    • 『あなた方の指導者はキリスト一人です』

      「『指導者』と呼ばれてもなりません。あなた方の指導者はキリスト一人だからです」。―マタ 23:10。

      1. エホバの証人はだれを指導者と認めていますか。なぜですか。

      キリスト教世界の教会には人間の指導者がいます。ローマ法王,東方正教会の総主教や府主教,その他の宗派の首長です。エホバの証人は,いかなる人間をも指導者と認めることはありません。人間の弟子や追随者ではないのです。これは,み子に関するエホバの次の預言的な言葉と一致しています。「見よ,わたしは彼を国たみに対する証人,国たみに対する指導者また司令官として与えたのである」。(イザ 55:4)油そそがれたクリスチャンとその仲間の「ほかの羊」から成る国際的な会衆は,エホバが与えてくださったその方以外,ほかのどんな指導者も望んでいません。(ヨハ 10:16)『あなた方の指導者はキリスト一人です』というイエスの言葉に同意します。―マタ 23:10。

      イスラエルの君である霊者

      2,3. 神のみ子はイスラエルに関してどんな役割を活動的に果たしましたか。

      2 クリスチャン会衆の設立より幾世紀も前,エホバは,ご自分の民イスラエルをみ使いである指導者のもとに置かれました。イスラエル人をエジプトから連れ出した後,次のようにお告げになったのです。「今わたしはあなたの前に使いを送ってその道であなたを守らせ,わたしが備えた場所にあなたを導き入れさせる。その者のゆえに自らに注意し,その声に従うように。彼に対して反逆の行為をしてはならない。彼はあなた方の違犯を容赦しないからである。それは,わたしの名が彼の内にあるからである」。(出 23:20,21)『エホバの名がその内にある』このみ使いは神の初子である,と考えるのは道理にかなっています。

      3 神のみ子は,人間として誕生する前に,ミカエルという名を持っていたようです。ミカエルはダニエル書で,「[ダニエルの民]の君」と呼ばれています。つまりイスラエルの君です。(ダニ 10:21)弟子ユダによれば,ミカエルはダニエルの時代よりもずっと前の出来事にかかわっていました。サタンはモーセの死後,その遺体を用いて何らかの仕方で自分の目的を推し進めようとしたようです。イスラエルに偶像礼拝をさせようとしたのかもしれません。ミカエルはそれを止めに入ります。ユダはこう記しています。「み使いの頭ミカエルは,悪魔と意見を異にし,モーセの体について論じ合った時,彼に対しあえてあしざまな言い方で裁きをもたらそうとはせず,ただ,『エホバがあなたを叱責されるように』と言いました」。(ユダ 9)しばらく後,エリコの包囲の前に,ヨシュアに現われて神の後ろ盾を保証した「エホバの軍の君」は,ミカエルだったに違いありません。(ヨシュア 5:13-15を読む。)み使いが,預言者ダニエルに重要な音信を伝えるのを悪霊である君によって妨げられた時,み使いの頭ミカエルがそのみ使いの援助に来ました。―ダニ 10:5-7,12-14。

      予告されていた指導者が来る

      4. メシアの到来に関するどんな預言が与えられましたか。

      4 この出来事に先立ち,エホバはみ使いガブリエルを預言者ダニエルのもとに遣わし,「指導者であるメシア」の到来に関する預言を伝えさせました。(ダニ 9:21-25)a まさに予告されていた時,西暦29年の秋に,イエスがヨハネによってバプテスマを施されます。聖霊がイエスの上に注がれ,イエスは油そそがれた者,すなわちキリスト,またメシアとなりました。(マタ 3:13-17。ヨハ 1:29-34。ガラ 4:4)そのような者として,比類のない指導者となるのです。

      5. キリストは地上での宣教期間中に,どのように指導者として行動しましたか。

      5 イエスは,地上での宣教奉仕の最初から,自分が「指導者であるメシア」であることを実証しました。数日のうちに弟子たちを集め始め,最初の奇跡を行ないました。(ヨハ 1:35–2:11)弟子たちを伴って,広範囲に旅をし,王国の良いたよりを宣べ伝えました。(ルカ 8:1)イエスは,宣べ伝える業において彼らを訓練し,宣べ伝えて教える面で率先して,立派な手本を示しました。(ルカ 9:1-6)今日のクリスチャンの長老がこの点でイエスに見倣うのはよいことです。

      6. キリストは,牧者また指導者であることをどのように実証しましたか。

      6 イエスは自分を愛ある羊飼いになぞらえ,指導者としての別の面に注意を向けました。東洋の羊飼いは羊の群れを導きます。「聖地と聖書」(英語)という本の中で,W・M・トムソンはこう書いています。「羊飼いが前を行くのは道を示すためだけでなく,それが安全に通れる道かどうか確かめるためでもある。……羊飼いは杖によって,群れを従え,緑豊かな牧草地へと導くとともに,群れを敵から守る」。イエスは自分が真の牧者また指導者であることを示し,次のように宣言します。「わたしはりっぱな羊飼いです。りっぱな羊飼いは羊のために自分の魂をなげうちます。わたしの羊はわたしの声を聴き,わたしは彼らを知っており,彼らはわたしに付いて来ます」。(ヨハ 10:11,27)この言葉どおり,イエスは自分の羊のために犠牲の死を遂げました。とはいえエホバは,「この方を導き手とし,救い主として,……上げられました」。―使徒 5:31,「新共同訳」,共同訳聖書実行委員会。ヘブ 13:20。

      クリスチャン会衆の監督

      7. イエスは何によってクリスチャン会衆を監督していますか。

      7 復活したイエスは昇天の少し前,弟子たちに,「わたしは天と地におけるすべての権威を与えられています」と告げました。(マタ 28:18)エホバは,弟子たちをキリスト教の真理のうちに強めるためにイエスを用いて聖霊をお与えになります。(ヨハ 15:26)イエスはこの霊を西暦33年のペンテコステの日に地上のクリスチャンに注ぎ出しました。(使徒 2:33)聖霊が注ぎ出されたことは,クリスチャン会衆の設立をしるしづけるものでした。エホバは,地上の会衆に対する天からの指導権をみ子にお授けになりました。(エフェソス 1:22; コロサイ 1:13,18を読む。)イエスは,エホバの聖霊によってクリスチャン会衆を導いており,自分に『服させられた』み使いたちを用いることもできます。―ペテ一 3:22。

      8. キリストは弟子たちを指導するために,1世紀に地上のどんな機関を用いましたか。今日,だれを用いていますか。

      8 また,キリストは聖霊によって,「人々の賜物」を会衆に与えました。ある者は「牧者また教える者として」です。(エフェ 4:8,11)使徒パウロはクリスチャンの監督たちに,こう促しています。「あなた方自身と群れのすべてに注意を払いなさい。……神の会衆を牧させるため,聖霊があなた方をその群れの中に監督として任命したのです」。(使徒 20:28)クリスチャン会衆が発足した時,すべての監督は霊によって油そそがれた男子でした。エルサレム会衆の使徒と年長者たちが統治体として行動しました。キリストはその機関を用いて,地上の油そそがれた「兄弟たち」全体を導きました。(ヘブ 2:11。使徒 16:4,5)この終わりの時に,キリストは,「自分のすべての持ち物」すなわち王国の地上の関心事すべてを「忠実で思慮深い奴隷」とその代表である統治体にゆだねています。統治体は油そそがれたクリスチャンの男子の一団です。(マタ 24:45-47)油そそがれた者たちとその仲間のほかの羊は,現代の統治体の指導に従うことによって,実際には指導者であるキリストに従っている,ということを理解しています。

      キリストは宣べ伝える業を開始する

      9,10. キリストは,王国の良いたよりを広めることに関してどのように物事を導きましたか。

      9 イエスは最初から,宣べ伝えて教える世界的な活動を自ら指導しました。地に住む人々に王国の良いたよりが伝えられる順番を定めました。宣教期間中,使徒たちに次のように指示します。「諸国民の道に行ってはならず,またサマリア人の都市に入ってはなりません。そうではなく,いつもイスラエルの家の失われた羊のところに行きなさい。行って,『天の王国は近づいた』と宣べ伝えなさい」。(マタ 10:5-7)使徒たちは,ユダヤ人と改宗者の間で熱心に宣べ伝えました。西暦33年のペンテコステ以後は特にそうでした。―使徒 2:4,5,10,11; 5:42; 6:7。

      10 その後イエスは,聖霊によって,王国を宣べ伝える業がサマリア人に,そしてユダヤ人ではない他の人々に及ぶようにします。(使徒 8:5,6,14-17; 10:19-22,44,45)良いたよりを諸国民の間で広めるために自ら行動し,タルソスのサウロをクリスチャンになるよう動かします。弟子のアナニアにこう指示します。「立って,“まっすぐ”という通りに行き,ユダの家で,サウロという名の,タルソスの人を捜しなさい。……行きなさい。わたしにとってこの者は,わたしの名を諸国民に,また王たちやイスラエルの子らに携えて行くための選びの器だからです」。(使徒 9:3-6,10,11,15)「この者」は使徒パウロになりました。―テモ一 2:7。

      11. キリストは聖霊によって,宣べ伝える業をどのように拡大させましたか。

      11 ユダヤ人ではない諸国民の間での王国伝道の業を拡大する時が来ると,聖霊はパウロを導いて,小アジアで,さらにヨーロッパへ宣教旅行を行なわせます。「使徒たちの活動」の中で,ルカはこう記しています。「彼ら[シリアのアンティオキアの会衆にいたクリスチャンの預言者や教え手たち]がエホバに対する公の奉仕をし,また断食をしていると,聖霊がこう言った。『すべての人のうちバルナバとサウロをわたしのため,わたしが彼らを召して行なわせる業のために取り分けなさい』。そこで彼らは断食をして祈り,手をその上に置いてから二人を行かせた」。(使徒 13:2,3)イエス自ら,タルソスのサウロを,イエスの名を諸国民に携えて行く「選びの器」と呼んでいました。ですから,このように証言の業に新たに弾みをつけたのは,会衆の指導者であるキリストでした。イエスが聖霊を用いて業を指導していたことは,パウロの第2回宣教旅行の間に,疑問の余地なく明らかになります。「イエスの霊」が,すなわちイエスが聖霊によって,パウロと仲間がどこへ旅するかを導いたのです。一行は幻によってヨーロッパへと導かれます。―使徒 16:6-10を読む。

      会衆に対するイエスの指導

      12,13. 「啓示」の書は,各会衆で起きている事柄をキリストが注視していることをどのように示していますか。

      12 イエスは,西暦1世紀の油そそがれた追随者から成る会衆の中で起きている事柄を注視していました。各会衆の霊的状態を詳しく知っていました。そのことは,「啓示」の書の2章と3章を読むと分かります。イエスは,小アジアに位置する七つの会衆の名前を挙げています。(啓 1:11)イエスは地上の追随者から成る当時の他の会衆の霊的状態にもよく通じていた,と考えることができます。―啓示 2:23を読む。

      13 イエスは幾つかの会衆を褒めています。忍耐,試練のもとでの忠実,イエスの言葉への忠節,背教者の拒絶のゆえです。(啓 2:2,9,13,19; 3:8)一方,幾つかの会衆に毅然と助言を与えています。イエスへの愛が冷めている,偶像礼拝や淫行を黙認している,分派主義を容認しているからです。(啓 2:4,14,15,20; 3:15,16)イエスは,強い訓戒を与えた人たちに対しても愛ある霊的監督であり,こう述べています。「すべてわたしが愛情を抱く者を,わたしは戒め,また懲らしめる。それゆえ,熱心になり,そして悔い改めなさい」。(啓 3:19)イエスは天にいましたが,聖霊によって,地上の弟子たちから成る会衆を導いていました。それらの会衆に対する音信の終わりに,「耳のある者は霊が諸会衆に述べることを聞きなさい」と告げています。―啓 3:22。

      14-16. (イ)イエスは,地上のエホバの民の勇気ある指導者であることをどのように実証してきましたか。(ロ)イエスが「事物の体制の終結の時までいつの日も」弟子たちと「共に」いることによって,どんなことが生じていますか。(ハ)次の記事では,何について考えますか。

      14 この記事で見たように,ミカエル(イエス)は,み使いとしてイスラエルの勇敢な指導者であることを実証しました。その後,イエスは,地上の弟子たちの勇気ある指導者また愛ある牧者となりました。地上での宣教期間中,宣べ伝える業に率先し,復活後は,王国の良いたよりを広める業を綿密に監督しました。

      15 イエスは聖霊によって,やがて地の果てにまで証言の業を拡大することになっていました。昇天の前に弟子たちにこう告げています。「聖霊があなた方の上に到来するときにあなた方は力を受け,エルサレムでも,ユダヤとサマリアの全土でも,また地の最も遠い所にまで,わたしの証人となるでしょう」。(使徒 1:8。ペテロ第一 1:12を読む。)キリストの指導のもと,1世紀に膨大な証言がなされました。―コロ 1:23。

      16 とはいえ,イエスご自身,この業が終わりの時まで続くことを示唆していました。すべての国の人々に宣べ伝えて弟子とするよう追随者たちに命じた後,「わたしは事物の体制の終結の時までいつの日もあなた方と共にいる」と約束したのです。(マタ 28:19,20)1914年に王権を授けられて以来,キリストはそれまで以上に弟子たちと「共に」いて,指導者として活動しています。1914年以来の活発な活動については,次の記事で調べます。

      [脚注]

      a この預言については,「ダニエルの預言に注意を払いなさい」の第11章を参照。

  • 今日のわたしたちの活動的な指導者
    ものみの塔 2010 | 9月15日
    • 今日のわたしたちの活動的な指導者

      「彼は征服しに,また征服を完了するために出て行った」。―啓 6:2。

      1,2. (イ)1914年以降の王としてのキリストの活動は,聖書でどのように描かれていますか。(ロ)キリストは即位して以来,何をしてきましたか。

      キリストは,1914年にエホバのメシア王国の王として即位しました。現在キリストはどうしていると思いますか。どんな様子を思い描きますか。王座に座って黙想にふけり,自分の会衆がどうしているか,時々地上に目をやる様子でしょうか。そうだとすれば,見方を改める必要があります。「詩編」と「啓示」の書はキリストを,馬に乗った精力的な王,「征服しに,また征服を完了するために」乗り進み,決定的な「成功」を収める王として描いています。―啓 6:2。詩 2:6-9; 45:1-4。

      2 キリストは王に即位した後,まず「龍とその使いたち」に対する勝利を収めました。み使いの頭ミカエルとしてみ使いたちを指揮し,サタンと悪霊たちを聖なる天から投げ落として地上の近辺に閉じ込めたのです。(啓 12:7-9)その後,イエスはエホバの「契約の使者」として,み父と共に来て霊的神殿を検分しました。(マラ 3:1)「大いなるバビロン」の最も責められるべき部分であるキリスト教世界を裁き,流血およびこの世の政治体制との霊的姦淫ゆえに有罪としました。―啓 18:2,3,24。

      地上の奴隷を清める

      3,4. (イ)キリストはエホバの「使者」としてどんな業を果たしましたか。(ロ)神殿の検分によって何が明らかになりましたか。イエスは会衆の頭としてどんな任命を行ないましたか。

      3 エホバとその「使者」の検分によって,その霊的神殿の地上の中庭に,キリスト教世界の諸教会に属さない真のクリスチャンの一団が存在することも明らかになりました。とはいえ,それら油そそがれたクリスチャン,すなわち「レビの子ら」も,清められる必要がありました。預言者マラキが次のように予告していたとおりです。「彼[エホバ]は銀を精錬する者また清める者として座し,レビの子らを必ず清くする。彼らを金のように,また銀のように澄ませ,彼らはエホバのため義にそって供え物をささげる民となるのである」。(マラ 3:3)エホバは,「契約の使者」であるキリスト・イエスを用いてそれら霊的イスラエル人を清めました。

      4 とはいえキリストは,それら忠実な油そそがれたクリスチャンが最善を尽くして信仰の家の者たちに時宜にかなった霊的食物を供給していたことに気づいていました。彼らは1879年以来,良い時も悪い時も,この雑誌を用いて神の王国に関する聖書的な真理を広め続けていたのです。イエス自ら予告したように,イエスは「事物の体制の終結」の間に召使いたちを検分するために「到着し」,『時に応じた食物』を供給している奴隷を見つけることになっていました。そして,その奴隷のことを幸いな者と言い,「彼を任命して[地上における]自分のすべての持ち物をつかさどらせる」ことになっていました。(マタ 24:3,45-47)キリストはクリスチャン会衆の頭として,この「忠実で思慮深い奴隷」を用い,地上における王国の関心事を管理しています。統治体によって,油そそがれた「召使いたち」と仲間の「ほかの羊」のために指示を与えています。―ヨハ 10:16。

      地の収穫

      5. 使徒ヨハネは幻の中で,王が行なうどんな活動を見ましたか。

      5 使徒ヨハネは,1914年に即位したメシアなる王が「主の日」に行なう他の事柄に関して幻を見ました。こう書いています。「わたしが見ると,見よ,白い雲があり,その雲の上には人の子のような者が座っており,その頭には黄金の冠があり,その手には鋭い鎌があった」。(啓 1:10; 14:14)ヨハネは,エホバのみ使いがこの収穫者に,「地の収穫物はすっかり熟している」ので鎌を突き入れるようにと告げるのを聞きます。―啓 14:15,16。

      6. イエスはどのようなことが進展すると言いましたか。

      6 「地の収穫物」という表現は,小麦と雑草に関するイエスのたとえ話を思い起こさせます。イエスは自分を,りっぱな小麦を豊かに収穫するために自分の畑に小麦の種をまいた人になぞらえました。りっぱな小麦は「王国の子たち」,王国でイエスと共になるために油そそがれた真のクリスチャンを表わしています。しかし,敵である「悪魔」が闇に紛れて,畑に雑草つまり「邪悪な者の子たち」をまき足しました。種をまいた人は,収穫まで小麦も雑草も一緒に成長させておくよう働き人たちに指示します。収穫の時に,自分の使いたちを遣わし,小麦を雑草から分けるのです。―マタ 13:24-30,36-41。

      7. キリストは「地の収穫物」をどのように集めていますか。

      7 ヨハネに与えられた幻の成就として,イエスは世界的な収穫の業を行なってきました。「地の収穫物」の刈り入れは,イエスのたとえ話の「小麦」である14万4,000人の「王国の子たち」のうちの残っている者たちを集めることから始まりました。真のクリスチャンと偽りのクリスチャンの違いは,第一次世界大戦後にいっそう明白になりました。そのことは,「地の収穫物」の刈り入れの第2の部分,つまりほかの羊を集め入れることに寄与しています。それらの人々は,「王国の子たち」ではなく,その王国の進んで従う臣民の「大群衆」です。「もろもろの民,国たみ,もろもろの言語の者」から収穫され,メシア王国に服しています。その王国は,キリスト・イエス,およびその天の政府でキリストと共になる14万4,000人の「聖なる者たち」から成ります。―啓 7:9,10。ダニ 7:13,14,18。

      会衆に対する指導

      8,9. (イ)キリストが会衆全体の行ないだけでなく個々の成員の生き方も観察していることは,何から分かりますか。(ロ)26ページの写真にあるように,どんな「サタンの奥深い事柄」を避けるべきですか。

      8 前の記事で見たように,キリストは西暦1世紀の個々の会衆の霊的状態を綿密に観察していました。今日,「天と地におけるすべての権威」を授けられて統治する王として,わたしたちの指導者キリストは,世界中の会衆と監督たちに対して活動的に頭の権を行使しています。(マタ 28:18。コロ 1:18)エホバは,油そそがれた者たちの「会衆に対して彼をすべてのものの頭とされました」。(エフェ 1:22)それゆえ,エホバの証人の10万以上の会衆で起きている事柄で,キリストの目に留まらないことはありません。

      9 イエスは,古代のテアテラ会衆に次のような音信を送りました。『火の炎のような目を持つ,神の子がこう言う。「わたしは,あなたの行ないを知っている」』。(啓 2:18,19)その会衆の成員を不道徳で放縦な生き方ゆえに叱責し,こう告げます。『わたしは腎と心を探る者である。そしてわたしは,あなた方一人一人にその行ないにしたがって与えよう』。(啓 2:23)この言葉から分かるように,キリストは各会衆の全体的な行ないだけでなく,個々の成員の生き方も観察しています。「『サタンの奥深い事柄』を知るようにならなかった」テアテラのクリスチャンを褒めています。(啓 2:24)今日でも,若い人であれ年長の人であれ,「サタンの奥深い事柄」に,インターネットや暴力的なテレビゲームによってかかわったりも,何でも許容する人間の推論に流されてかかわったりもしないという人たちがおり,イエスは,そうした人たちを是認しています。今日の大勢のクリスチャンが生活のあらゆる面でキリストの指導に従おうと最善を尽くし,努力と自己犠牲を払っているのを観察して,大いに喜んでいることでしょう。

      10. 会衆の長老に対するキリストの指導は,どのように象徴的に描かれていますか。どんな取り決めを認める必要がありますか。

      10 キリストは,任命された長老によって地上の会衆を愛をもって監督しています。(エフェ 4:8,11,12)1世紀,監督は全員,霊によって生み出された人でした。それらの人は「啓示」の書で,キリストの右手にある星として描かれています。(啓 1:16,20)今日,会衆の長老のほとんどはほかの羊ですが,任命は祈りの後,聖霊の導きのもとになされるので,彼らもキリストの導きの手のうちにある,すなわちその指導のもとにあると言えます。(使徒 20:28)とはいえ彼らは,キリストが地上の弟子たちを指導し導くために,油そそがれたクリスチャンの男子の小さな一団を統治体として用いている,ということを認めます。―使徒 15:6,28-30を読む。

      「主イエスよ,来てください」

      11. わたしたちの指導者が速やかに来るのをぜひ見たいと思うのはなぜですか。

      11 使徒ヨハネに与えられた啓示の中で,イエスは,自分が速やかに来ると何度か述べています。(啓 2:16; 3:11; 22:7,20)大いなるバビロンおよびサタンの邪悪な事物の体制の残りの部分に裁きを執行するために来ることを述べていたに違いありません。(テサ二 1:7,8)年老いた使徒ヨハネは,予告された素晴らしい事柄すべての成就をぜひ見たいと思い,「アーメン! 主イエスよ,来てください」と叫びました。邪悪な事物の体制の終わりの時に生きるわたしたちも,わたしたちの指導者また王である方が王国の権能のうちに来るのを見たいと強く願っています。イエスはみ父の名を神聖なものとし,その主権を立証するために来るのです。

      12. キリストは,滅びの風が解き放たれる前にどんな業を完了しますか。

      12 サタンの目に見える組織に対してイエスが来る前に,霊的イスラエルの14万4,000人の最後の者が最終的な証印を受けます。聖書がはっきり述べているように,サタンの体制に対する滅びの風は14万4,000人にその証印を押すことが完了するまでは解き放たれません。―啓 7:1-4。

      13. キリストは「大患難」の最初の局面において,どのように自分の臨在を明らかにしますか。

      13 地上に住む人のほとんどは,1914年以来のキリストの「臨在」に気づいていません。(ペテ二 3:3,4)しかし間もなく,キリストはサタンの事物の体制の諸要素にエホバの裁きを執行することによって自分の臨在を明らかにします。「不法の人」つまりキリスト教世界の僧職者の滅びにより,「その臨在の顕現」は明白になります。(テサロニケ第二 2:3,8を読む。)その滅びは,キリストがエホバの任命された裁き主として行動していることの明確な証拠となります。(テモテ第二 4:1を読む。)大いなるバビロンの最も責められるべき部分の絶滅は,偽りの宗教の邪悪な世界帝国が完全に滅びることの前触れとなります。エホバは,その霊的な娼婦を荒れ廃れさせることを政治指導者たちの心の中に入れられます。(啓 17:15-18)その荒廃が「大患難」の最初の部分となります。―マタ 24:21。

      14. (イ)大患難の最初の部分が短くされるのはなぜですか。(ロ)「人の子のしるし」はエホバの民にとって何を意味しますか。

      14 イエスによれば,その患難の日は「選ばれた者たちのゆえに」,すなわち地上にいる油そそがれたクリスチャンの残りの者のゆえに,短くされます。(マタ 24:22)エホバは,偽りの宗教に対する破壊的な攻撃によって油そそがれたクリスチャンと仲間のほかの羊がぬぐい去られることをお許しになりません。イエスは,『それらの日の患難の後に』太陽と月と星にしるしがあり,『その時,人の子のしるしが天に現われる』ことも述べています。そのため,地の諸国民は「嘆きのあまり身を打ちたたき」ます。天で生きる希望を持つ油そそがれた者たち,また地上で生きる希望を持つその仲間は,そうではありません。「身をまっすぐに起こし,頭を上げ」ます。自分たちの「救出が近づいているからです」。―マタ 24:29,30。ルカ 21:25-28。

      15. キリストは来る時,どんな業を行ないますか。

      15 人の子は,征服を完了する前に,別の意味でも来ます。こう預言しています。「人の子がその栄光のうちに到来し,またすべてのみ使いが彼と共に到来すると,そのとき彼は自分の栄光の座に座ります。そして,すべての国の民が彼の前に集められ,彼は,羊飼いが羊をやぎから分けるように,人をひとりひとり分けます。そして彼は羊を自分の右に,やぎを自分の左に置くでしょう」。(マタ 25:31-33)これは,キリストが「すべての国の民」を二つのグループに分けるために裁き主として来る時のことです。「羊」は,キリストの霊的兄弟(地上の油そそがれたクリスチャン)を活動的に支持する人たちであり,「やぎ」は,「主イエスについての良いたよりに従わない者」たちです。(テサ二 1:7,8)羊は「義なる者たち」と表現されており,地上で「永遠の命」を受けますが,やぎは,「去って永遠の切断に入り」ます。滅ぼされるのです。―マタ 25:34,40,41,45,46。

      イエスは征服を完了する

      16. わたしたちの指導者キリストは,どのようにして征服を完了しますか。

      16 キリストと共に王また祭司となる者たちがみな証印を押され,羊とみなされた人たちが救いのためにキリストの右側に置かれると,キリストは「征服を完了するために」進んでゆきます。(啓 5:9,10; 6:2)強力なみ使いたちに加えて,復活した兄弟たちを間違いなく含む軍を率いて,地上にあるサタンの政治・軍事・商業体制全体を滅ぼします。(啓 2:26,27; 19:11-21)キリストの征服は,サタンの邪悪な体制を滅ぼした時に完了します。キリストはその後,サタンと悪霊たちを千年のあいだ底知れぬ深みに入れます。―啓 20:1-3。

      17. キリストは千年統治の間に,ほかの羊をどこに導きますか。わたしたちは何を決意すべきですか。

      17 使徒ヨハネは,大患難を生き残るほかの羊の「大群衆」について,「み座の真ん中におられる子羊が,彼らを牧し,命の水の泉に彼らを導かれる」と預言しました。(啓 7:9,17)キリストは千年統治の間ずっと,自分の声を本当に聴くほかの羊を指導し続け,永遠の命へと導きます。(ヨハネ 10:16,26-28を読む。)では,今も,エホバの約束された新しい世でも,王なる指導者に忠実に従ってゆきましょう。

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