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マラウイ1999 エホバの証人の年鑑
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禁令!
事態が頂点に達したのは,1967年9月,支配政党だったマラウイ会議党の年次総会が開かれた時のことでした。そこで採択された決議の一つにはこうありました。「[我々は]エホバの証人の宗派を,この国において非合法化することを強く勧める」。どのような理由によるのでしょうか。決議はこう述べました。「その信者の態度は,国政の円滑な運営に不可欠な,平和で平穏な安定した状態を脅かすものである」。その後,総会の閉会のスピーチで,大統領はこう宣言しました。「エホバの証人は至る所で問題を引き起こしている。そのために,昨日は総会において,エホバの証人の活動を禁止する決議が採択された。諸君に申し上げるが,政府は必ずこの件を早急に検討する」。
エホバの証人は,本当に『マラウイの安定を脅かすもの』なのでしょうか。そんなことはありません。後に,ある観察者はマラウイの証人たちのことを「模範的な市民」と評し,「まじめに税金を払い,病人の世話をし,非識字と闘う」と述べました。それにもかかわらず,政府は確かに「この件を早急に検討」しました。まもなく,禁令を課す大統領命令に署名がなされて,1967年10月20日に実施されました。国民全体には,新聞の「マラウイは“危険な”セクトを禁止」という太字の見出しで知らされました。この措置が取られたのはエホバの証人が「マラウイの善良な政府にとって危険である」からだと述べられていましたが,本当の理由は党員カードの購入を拒否しているためであることは明らかでした。エホバの証人は聖書に基づいた自らの強い信念により,「自分たちの支配者として人間より神に従(った)」にすぎません。―使徒 5:28,29。
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マラウイ1999 エホバの証人の年鑑
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[177ページの写真]
証人の活動が禁止され,支部の敷地の門に錠がかけられる
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