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落ち着きと身なり神権宣教学校案内書
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ここで,話し手の自信の欠如を表わす事がらを幾つかあげましょう。まず最初に,手について考えてみましょう。手を背後で握り合わせたり,からだの両わきに固定したり,演台をしっかりつかんだりします。また,手をポケットに入れたり出したり,上着のボタンをはめたりはずしたり,ほほ・鼻・眼鏡などになんとはなしに手を持っていったり,中途半端な身ぶりをしたり,時計・鉛筆・指輪・ノートなどをいじったりなどします。または,足を始終あちこちに動かしたり,からだを左右に振ったり,背中を堅くしたり,ひざの力が抜けていたり,くちびるを絶えずしめらせたり,何度もつばをのみ込んだり,速くて浅い息づかいをしたりなどすることも考慮してください。
11 話し手の不安な気持ちを表わすこうした事がらすべては,意識的な努力によって制したり,最小限に抑えたりすることができます。そうした努力を払えば,挙動によって落ち着きのほどを表わせます。ですから,自然で平衡のとれた呼吸をして,努めて気持ちを楽にしてください。話しはじめる前に休止を置いてください。聴衆は必ず好意的な反応を示しますから,次いで,そうした反応は,話し手の求めている自信を得る助けとなるでしょう。聴衆のことを気にしたり,自分自身のことを考えたりせずに,自分の資料に注意を集中してください。
12-14. 不本意にも声が自信の欠如を表わすような場合,どうすれば,落ち着きを得ることができますか。
12 制御された声によって示される落ち着き。話し手の不安のほどを表わす声としては,異常に高い調子の声,震え声,繰り返されるせき払い,緊張のために共鳴が欠けて生ずる異常に弱い調子などがあります。こうした問題や常習的なくせなども,熱心に努力すれば,克服できます。
13 演壇に向かうさい,急いで歩いたり,急いでノートを整えたりせずに,気持ちを楽にし,準備した事がらをわかち合う喜びをいだいてください。話しはじめるさい,不安を感じている自分に気づいたなら,紹介のことばは,いつもの場合以上にゆっくり話し,自分にとって自然と思えるよりも語調の高さを下げて話すよう特に努力すれば,不安な気持ちを制することができるでしょう。また,身ぶりを用いたり,休止を入れたりするのは,気持ちを楽にするのに役だつことがわかるでしょう。
14 それにしても,こうした事がらすべてを練習するのに,演壇に立つ時まで待ってはなりません。日常の話をするさいに,落ち着きを保ち,自分を制して話す仕方を学んでください。
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23 たとえば,足の置き方にしても,人によって多少の違いはありますが,一般的にいって,まっすぐに立つかぎり,どのように立つかはほとんど問題になりません。しかし,話し手は馬にまたがっているのではないかとさえ思えるような印象を聴衆に与えるほど両足を開いて立つならば,それは聴衆にとってたいへん目ざわりです。
24 同様に,話し手がまっすぐに立たないで,前かがみに立っていると,聴衆は話し手のことを気の毒に思うような気持ちにさせられます。なぜなら,話し手は元気がなさそうに見えるからです。そしてもちろん,これは話の価値を減ずるものとなります。聴衆は,話される事がらではなく,話し手のことを考えるのです。
25 片足で立って,他方の足をうしろにからませるのは,落ち着きのないことをあらわに示すものです。手をポケットに突っ込んで立つのも同様です。そうしたかっこうは避けるべきです。
26 同様に,演台がある場合,時おり手をその上に置くのは悪いことではありませんが,演台にもたれたかっこうで話すべきではありません。それは野外宣教のさい,伝道者がドアによりかかって話をしないのと同じです。それは良いかっこうではありません。
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