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宇宙探査 ― 人類はどこまで到達したか目ざめよ! 1992 | 9月8日
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火星に生命は存在するか
宇宙探査は,幾世紀も人間の好奇心をかき立ててきた興味深い疑問,すなわちこの広大な宇宙のどこかに知性を持つ生物が存在するかという疑問に駆り立てられてこれからも続けられることでしょう。長い間,天文学者や作家たちは,赤い火星に生き物がいるかどうかを思い巡らしてきました。それについては,最近の宇宙飛行によってどんなことが明らかにされてきたでしょうか。
1960年代と1970年代に打ち上げられた一連のマリナー宇宙探査機から火星の写真が送られてきました。その後,1976年にはバイキング1号と2号の着陸機が火星に着陸し,何と,岩石と土壌に関する情報を送ってきたのです。どのようにしてその情報を得たのでしょうか。着陸機には,自動式化学生物実験室が搭載されていたのです。ロボットアームで採取された土壌が機内に持ち込まれ,自動化された実験室で分析されました。その中には何らかの生命が存在していたでしょうか。あるいはその可能性を示すものがあったでしょうか。写真と分析結果は何を明らかにしたでしょうか。
宇宙科学作家ブルース・マレーはこう説明します。「茂みや草や足跡など,生命の存在を示すものは何一つなく,地質学的には魅力のあるこの土地の不毛ぶりは際立っていた。……サンプルの土壌をどれほど注意深く調べても……有機分子ひとつ見つからなかった。……火星の土は地球上のどんな環境にある土壌よりもはるかに不毛である。……少なくとも過去数十億年の間,火星に生命が存在しなかったことはまず間違いない」。
マレーは惑星探査から得られたすべての証拠から次のような結論を出しました。「この太陽系の中にいるのはまさに我々だけである。唯一水を豊かにたたえている地球は,生命のオアシスである。火星にも,また恐らくこの太陽系内のどんな場所にも,遠い親類の微生物はいないだろう」。
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宇宙探査 ― 人類はどこまで到達したか目ざめよ! 1992 | 9月8日
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9. 火星でサンプルを採取するロボットアーム
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