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マリアからどんなことを学べますかものみの塔 2009 | 1月1日
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献身的な妻および母親
イエスの誕生や幼年期の記述を別にすると,福音書にはマリアについてほとんど記されていません。とはいえ,ヨセフとマリアには少なくともあと6人の子どもがいたことが分かります。意外に思われますか。福音書が何と述べているか調べてみましょう。
ヨセフは,神の子を産むという,マリアに与えられた特権を非常に大切なものとみなしていました。そのため,イエスが生まれる前はマリアと性関係を持つことを控えました。マタイ 1章25節に,ヨセフは「彼女が子を産むまでは,彼女と交わりを持たなかった」とあります。この「までは」という言葉は,イエスの誕生後にヨセフとマリアが普通に夫婦として性関係を持ったことを示唆しています。福音書の記述によれば,結果としてマリアはヨセフとの間に他の子どもたちをもうけました。ヤコブ,ヨセフ,シモン,ユダという息子たちと,少なくとも二人の娘です。(マタイ 13:55,56)これらの子どもたちは,奇跡的な仕方で宿されたのではありません。b
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マリアからどんなことを学べますかものみの塔 2009 | 1月1日
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イエスには弟や妹がいましたか
確かにいました。その事実が福音書に幾度もはっきりと示されているにもかかわらず,異論を唱える神学者たちがいます。(マタイ 12:46,47; 13:54-56。マルコ 6:3)しかし,マリアはほかに子どもを産まなかったとする様々な説に関して,ある聖書学者たちは二つの点に注意を向けています。一つは,そうした説の背後にある動機です。説を唱える人々は,ずっと後年に生まれた教理,つまりマリアは終生処女だったという教会の教えを擁護しようとしているのです。二つ目は,唱えられている説そのものの根拠が薄弱であるということです。
例えばある説は,問題となっている「兄弟たち」は義理の兄弟,つまりヨセフが前妻との間にもうけた息子たちであるとしています。この考えには根本的な欠陥があります。イエスにはダビデの王権を受け継ぐ長子としての法的権利がないことになってしまうからです。―サムエル第二 7:12,13。
別の説では,それらの兄弟たちはイエスのいとこであるとされています。しかしギリシャ語聖書は,「兄弟」,「いとこ」,「親族」をそれぞれ違う言葉で表わしています。そのため,学者のフランク・E・ゲイベリンは,そのような説はこじつけであるとし,こう述べています。「『兄弟たち』……という言葉は,マリアとヨセフの息子たち,つまりイエスの異父兄弟たちを指すというのが,最も自然な解釈と言えよう」。
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