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奇跡と幻影 神からのしるし?目ざめよ! 1989 | 3月8日
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カトリック教会は自分の主張を自分で裁くべきか
カトリックの権威者たちによると,幻影は二つの条件を満たしていなければなりません。第一に,教会の教えと調和していなければなりません。一つの際立った例はルルドで現われた幻影で,そこでは“聖母”は「無原罪で懐胎された者」として現われました。興味深いことに,その時よりも数年前に法王ピウス9世は,マリアは母親の胎に宿ったとき原罪を免れていた,と宣言していたのです。1933年に,後代のピウス12世はその二つの出来事には関連があるという意見を表明し,こう述べました。「神の母であり女性の中で祝福された者である無原罪の聖母は,不謬の教皇がローマで明言したことをご自分の口で確証したいと思われた。よく知られているように聖母はその後すぐにマッサビエーユの洞くつ[ルルド]で現われ,そのことを行なわれた」。
第二に,幻影を見た人の行状を考慮しなければなりません。トゥールの司教は,「教会が……[ルルドの]幻影を信じたのは,ベルナデットが聖女であったからである」と述べました。また教会当局者たちは,ルルドおよびファティマでそれぞれマリアを見たと主張したベルナデットもルーシーも後に尼僧になったのでその条件が満たされた,とみなしています。
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奇跡と幻影 神からのしるし?目ざめよ! 1989 | 3月8日
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[7ページの囲み記事/図版]
1858年2月11日
スペイン国境にほど近いフランス南西部にあるルルドという町の近くで,フランス人のベルナデット・スビルーという名の14歳の少女は,自分の姉妹,それにもう一人の友達と一緒に薪を集めていました。ベルナデットが小川を渡ろうとしていた時,洞くつの中に一人の“聖女”が現われました。別の時には,その同じ“聖女”がその地点に礼拝堂を建てるよう求め,全人類に悔い改めを訴えました。
ベルナデットはさらに別の幻影を見た時,その“聖女”がその土地の方言で,「わたしは無原罪懐胎です」と言うのを聞きました。ベルナデット・スビルーは,市の当局者に対し,さらには宗教指導者たちに対して,自分の言っていることはうそではないと主張しました。結局,カトリック教会はその“聖母”の幻影を公に認めました。その結果,ルルドは聖地となりました。
[図版]
ルルド
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