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食事聖書に対する洞察,第1巻
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イエスが地上で宣教を行なわれたころの宴や大宴会では,食卓の周囲の三つの側に寝いすが置かれました。その結果,第4の側は空いていたので,食物を給仕する者たちが食卓に近づくことができました。一つの寝いすを四,五人で占めることもありましたが,普通その数は3人でした。食事にあずかる人たちは頭を食卓の方に向け,多分クッションを敷いた上に,大抵は左の肘で体を支えて横たわりました。食物は右手で取るのが普通でした。寝いすの上で最も重要な位置は,背後にだれもいない場所を占めた人の位置でした。食卓に着いて横になっている他の人との関係で「懐の位置」にいるということは,その人の前にいることを意味し,また恐らくその人の好意を得ていることも表わしました。(ヨハ 13:23)人を懐の位置に置いている人は,その人と内密の話を容易に行なうことができました。
習慣として各寝いすの上に三つの位置があったことは,人が寝いすの上で高い位置や中間の位置,または低い位置に着いたことを暗示しています。幾つかの寝いすが使われた場合,主人から一番離れた寝いすの低い位置に着いた人がその食卓で最も低い位置を占めました。―マタ 23:6; ルカ 14:7-11と比較。
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