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イエス・キリストの系図聖書に対する洞察,第1巻
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「系図」の項の下では,ユダヤ人が多くの個人的な家族の記録のほかに,公の系図の記録を保持していたこと,エズラのような年代記作者は一覧表を作成するに当たってそのような記録を利用できたこと,また1世紀に公式の記録が明らかに西暦70年まで存在していたことが説明されています。アブラハムからダビデを経るメシアの血統の問題は彼らにとって最も重要な事柄でした。それで,マタイとルカの両人はこれらの系図の表を調べたと見てまず間違いないでしょう。
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イエス・キリストの系図聖書に対する洞察,第1巻
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さらに,マタイとルカはどちらも自分の目的を達成しており,彼らがする必要があったのはそのことだけでした。イエスがアブラハムおよびダビデの子孫であることを証明するのに,新しい系図を作る必要はありませんでした。彼らは,ダビデの血筋と祭司職の血筋に関して,また人の血統に関する証拠を要する他のすべての事柄に関して,国民が十分に受け入れていた公式の表からただ書き写せばよかったのです。(ルカ 1:5; 2:3-5; ロマ 11:1を参照。)それらの表の中にたとえ省略があったとしても,そのために福音書のこれらの筆者が意図し,実際に成し遂げたこと,すなわちメシアなるイエスの系図に関する,法的にも公にも認められた証拠を提出したことの価値が減るわけではありません。
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