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  • 英国の「忘れられた天才」
    目ざめよ! 2006 | 7月
    • 業績の中でも特に際立っているのは,複式顕微鏡の設計です。ロンドンの有名な器械製作者クリストファー・コックが後日その顕微鏡を組み立てました。その後フックは,自ら考案した顕微鏡でコルクを調べ,コルクに見られたハチの巣状の空洞の呼び名として“cell<セル>(小部屋)”という言葉を初めて使いました。この“cell”という語は後に,生物の基本的な構成要素である細胞を指す用語になりました。

      1665年,フックの著作「ミクログラフィア」(「小さな絵図」の意)が出版され,フックの名が世に知られるようになりました。その本には,顕微鏡で見た昆虫をフック自身が美しく精密に描いた絵が載せられていました。最も有名なのはノミの図版です。縦30㌢横45㌢のその版画には,ノミの鉤爪,とげ,鎧のような外皮も描かれています。当時の裕福な人たちはこの本を読み,その小さな虫が人に寄生していることを知ってぎょっとしました。婦人たちはその絵を見て気を失った,と言われています。

      人工の針の先端を拡大したものと自然界のものとを比べたフックは,こう書いています。「顕微鏡を使うと,[針の先端より]幾千幾万倍も鋭い先端の例が数多く見つかる」。昆虫の毛や剛毛や鉤爪,また植物のとげや鉤や毛のことを言っていたのです。フックは,それら「自然の作品」は造り主の全能性をはっきり物語っていると考えました。顕微鏡は,「信じられないような複雑さを呈する生物の世界を初めて」明らかにした,とブリタニカ百科事典(英語)は述べています。

      フックは初めて顕微鏡で化石を観察した人で,化石は太古の昔の生物の遺骸や痕跡である,と結論づけました。「ミクログラフィア」には,興味深い科学上の観察記録がほかにも数多く収められています。それで,フックと同時代の人で,日記を残した著名なサミュエル・ピープスは,「ミクログラフィア」を「これまでに読んだ中で最も独創的な本」と呼びました。オックスフォード大学の科学史研究家アラン・チャップマンは,「現代世界の形成に多大の影響を与えた本」と評しています。

  • 英国の「忘れられた天才」
    目ざめよ! 2006 | 7月
    • [26ページの図版]

      フックの顕微鏡

      [27ページの図版]

      フックは,コルクにある空洞の呼び名として,“cell”という言葉を初めて使った

      [27ページの図版]

      フックの著作「ミクログラフィア」には,彼が顕微鏡で見た物の絵が載せられている

      [27ページの図版]

      ほぼ実物大のノミ

      婦人たちはフックのノミの絵を見て気を失った,と言われている

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