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モルドバ2004 エホバの証人の年鑑
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その中には,ニコラエ・アニスケビチを含む幾人ものエホバの証人がいました。ニコラエはこう言います。「警察は手続きの初めに,宗教儀式に参加するよう命じました。わたしたちエホバの証人はそれを拒みました。また武器を取ることも拒否しました。そのため,警察はわたしたちを共産主義者であるとして逮捕しました。でも,収監する前に,中立の立場を取る理由をその場の全員に説明することを許可しました。
「翌日,その地区の司法の拠点ブリチェニへ移送されました。そこで衣服をはぎ取られ,徹底的に検査されました。それから,軍で高い地位にある司祭に尋問されました。この司祭は親切で,良心上の立場に理解を示し,わたしたちに食物が与えられるよう取り計らってくれました。さらに報告書に,わたしたちが武器を取ることを拒否するのはイエスに対する信仰ゆえであると記しました。
「わたしたちはブリチェニからリプカニの警察署へ連れて行かれ,夜までずっと容赦なく打ちたたかれました。その後,他の二人の兄弟と,そして驚いたことに一人の女性と同じ監房に入れられました。後で分かったのですが,その女性はスパイでした。数日のあいだ毎日打ちたたかれました。しばらくして,わたしはチェルノフツイへ連れて行かれ,軍法会議にかけられました。そこでは弁護士をつけられましたが,その弁護士はとても助けになってくれました。しかし,虐待のためにわたしの健康が非常に悪化していたので,軍当局はわたしが死ぬのではないかと考え,結局,刑を宣告せずに家に送り返すことにしました」。
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モルドバ2004 エホバの証人の年鑑
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[94ページの図版]
ニコラエ・アニスケビチ
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