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  • エホバの王国を告げ知らせるものみの塔 1992
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  • 首都マプト
  • 「人をすなどる者」
  • 文書貯蔵所での配布
  • 障害にもかかわらず神権的な進展をみる
  • 「収穫は大きい」
エホバの王国を告げ知らせるものみの塔 1992
塔92 8/15 21–25ページ

モザンビークの魅力的な首都マプトで宣べ伝える

1991年,エホバの証人はモザンビークで法的な認可を与えられました。それ以来,アフリカ南東の海岸に位置するこの熱帯の国で,神の王国の良いたよりを宣べ伝える業は目ざましい進展を遂げています。以下は,エホバの証人がモザンビーク,特に首都マプト周辺においてどのように聖書の教育活動を行なっているかに関する記録です。

温かなインド洋の影響で,モザンビークの気候はとてもさわやかです。海岸に沿って,ヤシの木に縁どられた見事な浜辺とサンゴ礁が広がっています。南部には穏やかで大きな入り江があります。首都マプトは,この理想的な場所に位置しています。

この国の美しさや静けさからすると,その歴史に見られる暴力行為がうそのようです。この国は何世紀もの間,アラブ人,次いでポルトガル人と,外国の支配のもとで苦闘してきました。ポルトガル人は,象牙や金,奴隷といった財宝目当てにこの地を略奪しようと,カトリック教会のあふれんばかりの祝福を携えてやって来ました。何世紀にもわたる植民地支配の後,ついに国内で激しい抗争が生じ,その結果1975年に独立しました。残念ながら,そのように変化しても安全に暮らせるようにはなりませんでした。国は内戦状態に陥り,国民に,それも罪のない田舎の人々に多くの苦しみを引き起こしました。

首都マプト

過去10年間に,幾千幾万ものモザンビークの人が比較的安全な町や都市に逃れました。これはとりわけマプトにおいて顕著でした。古風なポルトガル建築と色鮮やかなアフリカとが混じり合い,この町は生き生きとした感じがします。現在のマプトの広い並木道に散歩に出て最初に目に留まるのは,毎日の仕事で慌ただしくしている人々の雑踏でしょう。しかし,ほかとは違うところがあります。「混雑していても,生活が大変でも,人々は笑顔を絶やしません」と言うのは,マプトの宣教者ロドリゴです。「無作法な人はまずいません」。そうです,モザンビークの人々は天真爛漫で友好的であることで知られています。

もちろんアフリカの大抵の地域と同じように,モザンビークの人々と会えるのはこの土地の市場です。市場には“チャパ100”に乗って行くことができます。公共の乗り物として使われている何台もの小型トラックのことをここではそう呼んでいるのです。毎度のことですが,トラックの中に乗っている人よりも外側にしがみついている人のほうがたくさんいるようです。やはり歩いて行ったほうがよいかもしれません。

モザンビークの人々は根っからの事業家です。マプトを訪れる旅行者は,大勢の人が歩道や道路の角に小さな露店を開いているのを目にするに違いありません。取れたての果物や野菜,ハーブ,香辛料などを買ってみませんか。みんなに分けてもまだ余るほどです。生きたままの鶏,カシューナッツ,家を建てるのに使う葦はいかがですか。面倒と思われることは一つもなく,何でも親切に行なってくれます。靴磨きや洗車といったサービスもあります。熱した鉄の棒を使って,大事な書類を薄いプラスチックで閉じてくれる少年もいます。

実を言えば,路上での商売すべてが合法的なわけではありません。それでも,とにかく行なわれているのです。違法な商人は,「足に頼る」という意味のドゥンバ・ネンゲと呼ばれています。そのあぶない商売を続けてゆくには,役人が取り締まりに来た時の逃げ足の速さが欠かせないからでしょう。

このにおいからすると,近くに魚市場があるに違いありません。毎日午後遅くなると,コスタ・ド・ソルの海岸沿いは,その日の獲物を載せた漁船を囲んで活気を帯びてきます。ありとあらゆる形や大きさの魚のほか,カニやロブスター,そしてもちろん,名物のモザンビークエビが水揚げされています。しかし,マプトとその周辺で行なわれている別の種類の漁に関心がおありでしょう。

「人をすなどる者」

モザンビークで法的認可が得られて以来,エホバの証人は人々から好意的な反応を得てきました。ある人は次のように感謝を言い表わしました。「ロンドンの街角ではずいぶん皆さんをお見受けしました。いや,どこへ行ってもエホバの証人を見かけました。こうして,またここでお目にかかれるのはうれしいことです」。

土地の言語であるポルトガル語とツォンガ語の聖書や聖書文書を求めるかどうかで判断してよいのなら,この国の人々は本当に霊的なことに心を向ける人たちです。別の宣教者パウラは,土曜日朝のバザール,つまり中央市場で雑誌を50冊以上配布することも珍しくないと報告しています。「若い人が尋ねる質問 ― 実際に役立つ答え」の本は大変な人気です。戦争で住む場所を失ったり孤児になったりした多くの若者は,この本の価値を認め,その教えに感謝しているようです。

宣教者が話していると,その話を聞こうと興味を持った大勢の人々が宣教者の周りに群がって来ます。アフリカらしいおおらかな態度です。そうした道端での集まりが活発な聖書の討議に発展することもよくあります。一人の姉妹が興奮に満ちた経験を語ります。

「それは街路伝道をしていた時のことでした。軍用ジープがブレーキをきしませながら近くに止まったので,私はおびえてしまいました。一人の若い兵士が,周りで見ていた人たちに向かって,『おい,ちょっと,あの女性をこっちへ呼んでくれないか』と大声で叫んでいます。私が近づくと,その兵士は顔いっぱいに笑みを浮かべてこう言いました。『あんたたちは善人だ。ここで会えてよかったよ。若者のことが書いてある本を持っているんだろう? 一冊欲しいんだけど』。私は,今は持ち合わせていませんが,手に入り次第,家にお届けしますと約束しました」。

文書貯蔵所での配布

文書の需要が増しているため,南アフリカにあるものみの塔協会の支部事務所は,マプトの文書貯蔵所に2週間ごとに文書を送っています。宣教者のマヌエルは文書貯蔵所を管理し,文書の分配を組織する責任者です。

ある朝,中年の男性がふらりと入って来て,そこがどんな目的で使われているのか尋ねました。マヌエルは,聖書文書の貯蔵所だと答えました。男の人は出て行きましたが,数分して戻ってきました。

「ここにあるのは聖書の本だとおっしゃいましたね」と男の人は尋ねました。

「ええ,そうですが」とマヌエルは答えました。

「どこの団体のですか」と男の人が尋ねます。

「エホバの証人です。近くの会衆にはいつもここから文書を送っています」とマヌエルは答えました。

「ああ,エホバの証人の方でしたか」。男の人の表情が明るくなりました。「私は皆さんのことをとても気に入っています。ただ,ちょっと気に入らないところもありますが」。

マヌエルは巧みに,「私たちのどんなところを気に入っていらっしゃるのですか」と尋ねました。

男の人はこう答えました。「皆さんの出版している本は興味深いし,ためになるのでとても気に入っています。気に入らないのは,本が十分手に入ったためしがないことです。私たちマプトの住民は,皆さんが想像している以上にこのような本を読みたがっているんです」。そう言うと彼は,ものみの塔協会の出版物で手に入らなかったものを書き出したリストを取り出しました。それには「ものみの塔」誌や「目ざめよ!」誌の過去の号がたくさん含まれていました。

「このリストはいつも持ち歩いています」と彼はマヌエルに言いました。「いつエホバの証人と会っても,せめてその人が持っている本だけでも手に入れたいと思っているんです。このリストに載っている本を調達してくれるのでしたら,いくらでも喜んで支払います」。

話し合いが続き,マヌエルは,この人が最初にエホバの証人と接したのが,1950年代に「創造」の本を読んだ時だったことを知りました。しかし,それからエホバの証人の活動がポルトガル政府によって禁令下に置かれたため,ほとんど進歩しなかったのです。

後日その人の仕事場を訪ねたマヌエルは,ものみの塔協会の出版物すべてがビニールに包まれ,きれいに整理してあるのに気づきました。マヌエルは,男の人が全部をそろえるのに必要な出版物を渡すことができ,本人とその家族との聖書研究を取り決めました。

こうした,霊的に植えて水を注ぐ活動すべては,神がそれをずっと『成長させてくださる』につれて次第に多くの実を結んでいます。モザンビークにおける心の正しい人の収穫が大豊作となろうとしていることを示す強力な証拠があるのです。―コリント第一 3:6。ヨハネ 4:36。

障害にもかかわらず神権的な進展をみる

現在マプト市とその周辺には50以上の会衆があります。しかしエホバの証人の王国会館は一つもありません。どうしてでしょうか。会衆には何年もの間土地を所有している人たちがいるのですが,苦しい経済事情のために建てることができないのです。a

しかし,そのような障害も進歩の妨げとはなりません。モザンビーク南部で司会されている家庭聖書研究は,現在5,000件を優に上回っています。研究を望んでいる人が非常に多いため,何らかの優先順位を決めなければなりません。普通,研究を望む人は会衆の集会すべてに出席するものとみなされます。

スラム地区にある一つの会衆には,良いたよりの伝道者がわずか71名なのに対し,最近の日曜日の集会には189名が出席しました。これら大勢の人々は,ある家の屋根のない中庭に集まります。そこは周りの人から見えないように波形の鉄板と葦の垣で仕切ってあります。集会前には毎回ここを掃いてきれいにします。たくさんの大人を含め,聴衆の大部分は地面に広げられた葦の敷物に座ります。みんな夢中になってプログラムに聞き入っています。大勢の新しい人は「ものみの塔」誌を持っていないため資料を目で追うことはできませんが,節の朗読に注意深く耳を傾けることを覚え,司会者が尋ねる質問にはほとんどの人が手を挙げます。

59名の伝道者から成る別の会衆には140名以上が定期的に出席しています。ここも通常は屋外のテラスで集まります。しかし雨が降っている間,会衆は小さなアパートの二部屋に詰め込まれます。部屋からあふれた人が,廊下や台所,バルコニーを埋めてゆきます。ここでも,多くの若い人をはじめ,全員がプログラムに一心に聞き入るその注意深さと認識の深さが目に留まるに違いありません。

モザンビークでの将来の増加の可能性が最もよく表われているのは大会です。最近,町の中心部にある古びた闘牛場で巡回大会が開かれました。その大会に1万人以上が出席した時,3,000人ほどの伝道者たちがどれほど驚いたか想像していただけるでしょうか。

「収穫は大きい」

こうした経験は,モザンビークにおいてなすべき業がまだたくさんあることをはっきりと物語っています。支部事務所から派遣される旅行する監督の訪問を,ごく最近になって初めて受けた会衆もあります。そうした会衆は,会衆内での適切な組織上の手順に従えるよう,大いに必要とされている援助を受けています。

諸会衆は,最近ギレアデを卒業した宣教者が派遣されたことにも大変感謝しています。マプトの長老フランシスコはこう述べています。「これは前進への大きな一歩です。私たちには熱意がありました。愛もありました。それでも,様々な組織上の事柄には通じていなかったのです。私たちが切実に必要としていたのは,実地の経験を持つ人から物事の扱い方を教えてもらうことでした。今,宣教者がいてくださることを本当にありがたく思っています」。

宣教者たちのほうも,兄弟たちに仕えることを喜んでいます。ブラジルで20年間奉仕した後,最近モザンビークに任命されたハンスは,その点をこうまとめています。「モザンビークの野外で働くのはすばらしい特権です。今,私たちは大規模な増加の寸前にいるような気がします。なすべきことはたくさんあります。マプトだけでも,もう10人か20人の宣教者に来てほしいくらいです」。

現在モザンビークでの神権的な活動に弾みがついていることは,緊急感を帯びたイエスの次の言葉を思い起こさせます。「確かに,収穫は大きいですが,働き人は少ないのです。それゆえ,収穫に働き人を遣わしてくださるよう,収穫の主人にお願いしなさい」。(マタイ 9:37,38)エホバがモザンビークにいるご自分の僕たちのために,この緊急な嘆願に答えてくださると信じることができる根拠は十分にあるのです。

何千人ものエホバの証人は,12年以上もモザンビーク北西部の収容所で過ごしました。そのうちの一部の人々は最近マプトに戻ってきましたが,持ち物といえば腰に巻く布一枚という有様でした。しかし彼らは信仰においては非常に富んでいました。新たな生活を始められるよう,近隣諸国の仲間のクリスチャンたちから,食事や衣服の寛大な寄付がよせられました。

[脚注]

a ここで仕事に恵まれたとしても,月収は平均20㌦から30㌦(約2,600円から3,900円)です。

[23ページの図版]

諸会衆では土曜日の朝のキリスト教の証言活動に大勢の人が集まる

[24ページの図版]

5歳のジャイミトを紹介します。この子は収容所で生まれました。現在ジャイミトの両親はマプトに戻ることができたのを喜んでいます。ジャイミトの父親フランシスコは,毎週,家族全員を集めて聖書研究を行ないます。両親は子供たちが野外奉仕で効果的な教え手となるよう時間をかけて訓練しています。ジャイミトは中央市場で文書を配布するのが大好きです

[25ページの図版]

会衆に王国会館として使用できる場所がないとしても,進歩が阻まれることはない。ほとんどの場合,伝道者の2倍以上の人々が集会に出席している

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