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ニカラグア2003 エホバの証人の年鑑
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資産の返還を求める
王国会館が最初に不法占拠された時,兄弟たちはおとなしく引き下がるのではなく,すぐ政府に抗議しました。ニカラグア国憲法を引き合いに出して自らを擁護しました。しかし,法律上のすべての要件に従ったにもかかわらず,兄弟たちの要求は無視されました。1985年,兄弟たちは,法的認可とすべての資産の返還を求める手紙を当時のニカラグア大統領に書くことさえしました。さらに,内務大臣との面会を幾度となく要請しました。しかし,こうした努力もすべて実を結びませんでした。
1990年4月に新政府が政権を握ると,兄弟たちは直ちに新たな嘆願書を提出しました。今回は新しい内務大臣に,エホバの証人を法的に再登録するよう要請しました。わずか4か月後にその嘆願が認められた時,兄弟たちは大いに歓び,エホバに感謝しました。以来,ものみの塔聖書冊子協会は,ニカラグア政府からインターナショナル・ミッションの地位を与えられています。協会は,自由に運営でき,非営利組織に認められている通常の税金の免除も与えられています。しかし,王国会館の返還となると,容易ではありませんでした。前政権支持者たちに“与えられた”会館もあったからです。
兄弟たちは,新たに設けられた全国没収資産再審査委員会に,すべての資産の返還を求める訴えを起こしました。手続きは,他の組織や個人が同様の訴えを数多く起こしていたこともあって,面倒で煩わしいものでした。1年に及ぶ真剣な努力の末,1991年1月に資産の一つが返還されました。兄弟たちはまた,幾らか折り合いをつけようとして,王国会館に住んでいた人たちを訪ねることもしました。しかし大半の人は,自分たちが取得していた王国会館は革命で合法的に“獲得”したものと思っていました。
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ニカラグア2003 エホバの証人の年鑑
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続く何年かの間に,兄弟たちは35のうち30の資産を徐々に取り戻すことができ,回収不能なものについては国債という形で賠償されました。
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