-
民数記の目立った点ものみの塔 2004 | 8月1日
-
-
シナイ山で
民を数えた2回のうちの1回目は,イスラエル人がまだシナイ山のふもとにいる間に行なわれます。レビ人を除いた20歳以上の男子は全部で60万3,550人でした。この人口調査は軍事的な目的で行なわれたようです。女性や子どもやレビ人を含む宿営全体は,300万人を超えていたと思われます。
人口調査の後,イスラエル人は,行進の順番に関する指示,レビ人の務めと幕屋での奉仕の詳細な説明,隔離に関する命令,しっとが生じた場合やナジル人の誓約に関係する律法などを与えられます。7章には祭壇の奉献の際に部族の長たちが差し出した捧げ物の情報が記されており,9章では過ぎ越しの祝いが取り上げられています。イスラエルの集会は,宿営を張ったり解いたりすることに関する指示も受けます。
-
-
民数記の目立った点ものみの塔 2004 | 8月1日
-
-
荒野を転々とする
幕屋の上の雲が持ち上がり,イスラエル人は移動を始めます。それから38年と1か月もしくは2か月後に,モアブの砂漠平原に到達することになります。エホバの証人の発行した『この良い地を見なさい』というブロシュアーの9ページにある地図を見て,その道筋をたどるのは有益でしょう。
カデシュに向かう途中のパランの荒野で,少なくとも3回,不平の問題が生じます。エホバが火を送って一部の人々を焼き滅ぼすと,最初の不平はやみます。次にイスラエル人は泣いて肉を渇望し,エホバはうずらをお与えになります。また,ミリアムとアロンがモーセに対して不平を述べ,結果としてミリアムは一時的にらい病にかかります。
カデシュで宿営している時に,モーセは12人の男子を遣わして約束の地を偵察させます。彼らは40日後に戻って来ます。10人の斥候の悪い報告を信じた民は,モーセとアロン,また忠実な斥候ヨシュアとカレブを石撃ちにしようと考えます。エホバは民を疫病で打つ意向を示されますが,モーセが執り成しをし,神は先の人口調査で数えられた者たちが死ぬまで民が40年のあいだ荒野をさまようことになると宣告されます。
エホバはほかにも規定をお与えになります。コラと他の人々がモーセとアロンに反逆しますが,反逆者たちは火で滅ぼされるか地に呑み込まれるかの結末に至ります。翌日,全集会がモーセとアロンに向かってつぶやきます。その結果,1万4,700人がエホバからの神罰で死にます。神は,大祭司としてだれを選んだかを知らせるために,アロンの杖が芽を吹くようにされます。その後,レビ人の務めや民の汚れを清めることに関する律法をさらにお与えになります。赤い雄牛の灰を用いることは,イエスの犠牲を通してなされる清めを予示しています。―ヘブライ 9:13,14。
イスラエルの子らはカデシュに戻り,ミリアムはそこで死にます。イスラエルの集会は再びモーセとアロンに対して不平を述べます。理由は何でしょうか。水がないというのです。モーセとアロンは水を奇跡的に備える際にエホバのみ名を神聖なものとしなかったので,約束の地に入れなくなります。イスラエルはカデシュを後にし,ホル山でアロンが死にます。イスラエル人はエドムの地を迂回する間にすっかり疲れ,神とモーセに言い逆らいます。エホバは毒蛇を送って民を罰します。再びモーセが執り成しをし,神は銅の蛇を作ってさおの上に取り付けるように指示します。かまれた人々はその蛇を見つめるといやされます。この蛇は,イエス・キリストがわたしたちのとこしえの益のために杭につけられることを予表していました。(ヨハネ 3:14,15)イスラエルはアモリ人の王シホンとオグを打ち破り,彼らの土地を手に入れます。
-
-
民数記の目立った点ものみの塔 2004 | 8月1日
-
-
モアブの平原で
イスラエルの子らがモアブの砂漠平原に宿営を張ると,モアブ人はむかつくような怖れを覚えます。それゆえモアブの王バラクは,イスラエル人をのろうためにバラムを雇います。しかし,エホバはバラムにイスラエル人を祝福させます。その後,モアブ人とミディアン人の女たちが,イスラエルの男たちを不道徳と偶像礼拝へといざなうのに用いられます。結果として,エホバは2万4,000人の悪行者を滅ぼされます。その神罰は,ピネハスが,エホバに対抗するものをいっさい容認しないことを示した時にようやくやみました。
2度目の人口調査により,最初の時に数えられた男子はヨシュアとカレブを除いてだれも残っていないことが明らかになります。ヨシュアはモーセの後継者に任命されます。イスラエル人は,様々な捧げ物の手順および誓約に関する指示を与えられます。また,イスラエルの民はミディアン人に復しゅうをします。ルベン,ガド,そしてマナセの半部族は,ヨルダン川の東側に定住します。イスラエルは,ヨルダン川を渡って土地を所有することに関して指示を与えられます。土地の詳細な境界線が定められ,相続地はくじで決められます。48の都市がレビ人に割り当てられ,そのうち六つが避難都市となります。
-
-
民数記の目立った点ものみの塔 2004 | 8月1日
-
-
神の言葉は力を及ぼす
わたしたちはエホバに対して,またその民の間で責任ある立場に任命されている人々に対して,敬意を示さなければなりません。民数記はこの真理を疑問の余地なく明らかにしています。今日,会衆内で平和と一致を保つためのなんと重要な教訓なのでしょう。
民数記で述べられている出来事を通して,自分の霊性を軽視する人が,つぶやきや不道徳や偶像礼拝といった悪行に容易に陥りかねないことが分かります。聖書のこの書に収められている模範や教訓は,エホバの証人の会衆の奉仕会で地元の必要を扱うときの題材として用いることもできるでしょう。確かに,「神の言葉は生きていて」,わたしたちの生活に「力を及ぼし」ます。―ヘブライ 4:12。
-