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オリンピックの炎は暗い影を投じる目ざめよ! 1989 | 3月8日
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どんな犠牲を払っても勝つ
運動能力を高める薬物が広範に使用されるようになったことには,国家として,個人として,どんな犠牲を払ってでも他に抜きん出ようとする過度の欲望が大きく関係しています。それらの薬物を使用すると,極度の抑うつ状態から暴力を伴う激発的な怒りに至るまで,数多くの精神的な問題が生じ得ます。カルガリー・ヘラルド誌には,「アナボリック・ステロイドが原因と考えられる精神病の兆候は,我々がかつて考えていた以上にはるかに頻繁に見られる」というハリソン・ポープ博士の言葉が引用されました。米国のオリンピックチームに付き添った一人の医師は,「アナボリック・ステロイドを使用しなければ,国際スポーツではもう競えない」と語りました。
「この人たちをもっと大きく,もっと速く,もっと強くするため,我々は生物工学を活用している。これからは一層あくどくなると思う。人々は運動能力を高めるためなら,ほとんど手段を選ばないだろう」と,オリンピックチームの付き添い医師は付け加えています。これは“どんな犠牲を払っても勝とう症候群”,さらに困ったことには,“フランケンシュタイン症候群”と呼ばれています。“金”,つまり勝利とそれに付随する広告界からの是認や報酬を追求する努力がすべて合理化される社会では,「勝つことではなく,参加することに意義がある」というクーベルタンのモットーは全くの筋違いという感じがします。
血液ドーピング,ヒト成長ホルモン,人工授精後の堕胎,尿の交換などは,どれも薬物検査をくぐり抜け,大会中の運動能力を高めるためにオリンピック選手たちが用いた策略の一部です。
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オリンピックの炎は暗い影を投じる目ざめよ! 1989 | 3月8日
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カルガリー・ヘラルド誌には,「アナボリック・ステロイドが原因と考えられる精神病の兆候は,我々がかつて考えていた以上にはるかに頻繁に見られる」というハリソン・ポープ博士の言葉が引用されました。米国のオリンピックチームに付き添った一人の医師は,「アナボリック・ステロイドを使用しなければ,国際スポーツではもう競えない」と語りました。
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