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ジョセフ・プリーストリー目ざめよ! 2014 | 6月
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また,英国南部で実験をしていた1774年には,ろうそくの火をより明るくする顕著な気体を分離しました。後に,ガラス瓶の中にハツカネズミ1匹を入れてその気体を60㍉㍑ほど注入したところ,そのネズミは,普通の空気を満たした瓶に入れたネズミより,なんと2倍も長く生きました。プリーストリーも自らその気体を吸入し,「そのあとしばらくは呼吸がとても楽になったような気がした」と言いました。
ジョセフ・プリーストリーは,酸素を発見していました。a しかし,それを「脱フロギストン空気」と呼びました。自分は,燃焼を妨げると考えられていた架空の物質フロギストンのない普通の空気を発見した,と思い込んでいたのです。プリーストリーの結論は間違っていましたが,多くの人は今なおその発見を「そのライフワーク最大の業績」とみなしています。
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ジョセフ・プリーストリー目ざめよ! 2014 | 6月
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a それ以前にスウェーデンの化学者カール・シェーレが酸素を分離しましたが,シェーレはその発見をすぐには公表しませんでした。後に,フランスの化学者アントワーヌ・ローラン・ラボアジエがその気体を酸素と命名しました。
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