ものみの塔 オンライン・ライブラリー
ものみの塔
オンライン・ライブラリー
日本語
  • 聖書
  • 出版物
  • 集会
  • 目97 2/22 14–16ページ
  • 住血吸虫症 ― それがなくなる日は近い?

視聴できるビデオはありません。

申し訳ありません,ビデオをロード中にエラーが発生しました。

  • 住血吸虫症 ― それがなくなる日は近い?
  • 目ざめよ! 1997
  • 副見出し
  • 関連する記事
  • 住血吸虫のライフ・サイクル
  • 解決策と問題点
  • 将来にはどんな希望があるか
  • カタツムリ熱 ― 多数の人びとを死に追いやる病気
    目ざめよ! 1973
  • かたつむり
    聖書に対する洞察,第1巻
  • 病気のなくなる時が来ますか
    エホバの王国を告げ知らせるものみの塔 1983
  • ウロコフネタマガイの貝殻
    目ざめよ! 2011
もっと見る
目ざめよ! 1997
目97 2/22 14–16ページ

住血吸虫症 ― それがなくなる日は近い?

ナイジェリアの「目ざめよ!」通信員

医療や科学の分野で目覚ましい発展が見られるにもかかわらず,人類は昔から続いている数々の問題を解決することができません。住血吸虫症を制圧する努力についても同じことが言えます。

そのための手段はそろっているように見えます。医師たちは問題の寄生虫のライフ・サイクルを理解しています。この病気を診断するのは難しくありません。よく効く薬もあります。政府の指導者たちは,予防努力の促進に意欲を燃やしています。にもかかわらず,この病気はなくなりそうにもありません。アフリカ,アジア,カリブ海諸国,中東,南アメリカの何億という人々がこの病気に感染しています。

住血吸虫症(ビルハルツ住血吸虫症とも呼ばれている)は,何千年にもわたって人間を悩ましてきました。エジプトのミイラの中に石化した虫卵が発見されたということは,ファラオの時代のエジプト人もこの病気を患っていた証拠と言えます。3,000年たっていても,その同じ病気は依然としてエジプトを苦しめており,数え切れないほど多くの住民の健康をむしばんでいます。ナイル・デルタにある幾つかの村では,10人に9人がこの病気に感染しています。

住血吸虫症という風土病を抱える国は74以上あり,エジプトはその一つにすぎません。世界保健機関(WHO)の統計によると,全世界で2億人がこの病気に感染しています。慢性患者2,000万人のうち,毎年約20万人が死亡します。住血吸虫症は熱帯の寄生虫症の中では,感染者数,および社会や経済に損害をもたらす点でマラリアに次ぎ第2位を占めていると言われています。

住血吸虫のライフ・サイクル

住血吸虫症をよく知り,そして予防法と治療法を知るということは,病気を引き起こす寄生虫についてよく知ることを意味します。そのためのかぎはこれです。つまりこの寄生虫が何世代にもわたって生き延び,また繁殖するのに必要なのは,二種類の宿主であるということです。二種類の生物の体内に住み,食物を得,そして成長することが必要なのです。その生物の一つは人間などの哺乳類で,もう一つは淡水生の巻き貝です。

次のようなことが起きるのです。この寄生虫に感染している人が池や湖,小川,川などの水に尿や便を排泄すると,その虫卵が水中に入ります。その量は,一日に100万個ぐらいかもしれません。それらの虫卵は非常に小さいので,顕微鏡でしか見ることができません。虫卵は水中でふ化し,寄生虫が泳ぎ出ます。寄生虫は体表の繊毛を使って泳ぎ,淡水生の巻き貝を見つけてその体内に侵入します。その後4週間から7週間の間に,巻き貝の中で繁殖します。

巻き貝を離れると,この寄生虫はわずか48時間以内に人間か他の哺乳類を見つけて,その体内に入らなければなりません。さもないと死んでしまうのです。水の中に入ってきた宿主に取り付くと,寄生虫は皮膚を突き破って宿主の血流に入ります。幾分かゆみを感じることもありますが,多くの場合,寄生虫が侵入したことを示すものは全くありません。血流に入った寄生虫は,その種類によって膀胱かまたは腸の血管に進みます。数週間で体長2.5㌢ほどに成長し,成虫の雄と雌になります。交尾を終えた雌は宿主の血流に卵を産み始め,こうしてそのライフ・サイクルは一巡します。

虫卵の約半数は,糞便(腸に生じる住血吸虫症の場合)または尿(泌尿器に生じる住血吸虫症の場合)に混ざって宿主の体を離れます。残りの虫卵は体内に留まり,重要な臓器に障害を起こします。病気が進行するにつれて,感染者は発熱,腹部の腫脹,内出血などを起こします。やがて,膀胱ガンや肝不全や腎不全を併発するかもしれません。生殖力を失ったり,体がまひしたりする人もいれば,死亡する人もいます。

解決策と問題点

この病気の蔓延を防ぐためにできることが少なくとも四つあります。世界中の人が,そうした対策のどれか一つを実行するなら,この病気は根絶されるでしょう。

対策その一は,水源にいる巻き貝を駆除することです。巻き貝は寄生虫の成長に不可欠です。巻き貝がいなくなれば,住血吸虫症もなくなります。

巻き貝を殺す力はあっても環境は汚染しない,という毒薬を作ることにおもな努力が払われてきました。1960年代と1970年代には巻き貝の一掃が試みられましたが,広い水域の生物が全滅してしまいました。エジプトのテオドール・ビルハルツ研究所では,他の生物に害を与えない殺陸貝剤(巻き貝を駆除する薬品)を見つけるための努力が払われています。同研究所の所長,アリ・ゼイン・エル・アブディーン博士はそうした薬品について,「この薬品は,灌漑用水,人や動物の飲み水,また魚の住みかに投入されることになるので,そのすべてに対して無害であることを徹底的に確かめなければならない」と述べています。

対策その二は,人間の体内にいる寄生虫を駆除することです。1970年代の半ばまでは,治療の一環として,数々の副作用や合併症を起こす薬が使われていました。多くの場合,痛い注射を一定の期間打つ必要がありました。治療の際の痛みのほうが病気の痛みよりも大きいという苦情も出ました。それ以来,住血吸虫症に効くプラジカンテルなどの新薬が開発されてきました。それらの薬は服用できます。

これらの薬はアフリカと南アメリカで実際に使用され,効果のあることが証明されましたが,多くの国にとって大きな問題となっているのは費用です。WHOは1991年に,「この風土病を抱える国々は,この薬が高価であるために,大規模な[住血吸虫症]抑制計画に着手することができない。薬そのもののコストが,大半のアフリカ諸国の保健省の国民一人当たりの予算総額を上回るのが普通なのだ」と嘆いていました。

患者がこの薬を無料で利用できるところでさえ,多くの人々は治療を受けようとはしません。なぜでしょうか。その理由の一つは,この病気による死亡率が比較的低いため,一部の人は深刻な問題とは思っていないということです。また,人々がこの病気の症状に気づくとは限らないということもあります。アフリカの一部の地方では,血尿(この病気の初期症状の一つ)はよくあることで,成長期には付き物と考えられています。

対策その三は,水系に虫卵が入らないようにすることです。土地の川や池の汚染を防ぐために簡易公衆便所を設置し,皆がそれを使用するなら,住血吸虫症にかかる危険を少なくすることができます。

世界的規模の調査から,水道による給水と簡易公衆便所の設置で,この病気が著しく減少することは分かっていますが,こうした設備があれば必ず予防できるというわけでもありません。20年以上住血吸虫症を調査してきた科学者のアラン・フェンウィックは,「わずか一人の人が運河に排便するだけで,寄生虫のサイクルは永続するのだ」と言います。また,壊れた下水管から汚染された排泄物が漏れて水源に入る危険性もあります。

対策その四は,寄生虫で汚染されている水に人々を近づけないことです。これもやさしそうに思えますが,それほど簡単ではありません。多くの国では,飲み水の供給源になっている湖や小川や川が,水浴や灌漑や洗濯に使われています。漁師たちは毎日水と接触します。また熱帯の猛暑の中では,水のたくさんあるところはどうしても子供たちの水浴び場になってしまいます。

将来にはどんな希望があるか

誠実な人たちや様々な組織が,住血吸虫症と闘うためにたゆまぬ努力を重ねており,すばらしい進歩が見られていることは確かです。ワクチンの開発に取り組んでいる研究者さえいます。

それでも,この病気を撲滅する見込みはなさそうです。M・ラリビエール博士はフランスの医学雑誌「ラ・レブー・デュ・プラティシヤン」の中で,「多くの成果が見られるにもかかわらず,……この病気はなくなりつつあるなどとはとても言えない」と述べています。個人レベルでの予防や治癒は可能になるかもしれませんが,住血吸虫症の問題があらゆる意味で解決されるのは,神の新しい世が到来してからのことでしょう。聖書の約束によると,その時になれば,「『わたしは病気だ』と言う居住者はいない」のです。―イザヤ 33:24。

[15ページの図版]

汚染された水に入ると,住血吸虫症の原因となる寄生虫に感染するおそれがある

    日本語出版物(1954-2026)
    ログアウト
    ログイン
    • 日本語
    • シェアする
    • 設定
    • Copyright © 2025 Watch Tower Bible and Tract Society of Pennsylvania
    • 利用規約
    • プライバシーに関する方針
    • プライバシー設定
    • JW.ORG
    • ログイン
    シェアする