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モーセ ― 実話? それとも神話?目ざめよ! 2004 | 4月8日
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モーセはミディアンをたち,ファラオの前に出て,神の民の解放を要求します。かたくなな君主がそれを拒むと,十の壊滅的な災厄が加えられます。10番目の災厄によってエジプトの初子が死ぬと,打ちひしがれたファラオはついにイスラエル人を自由の身にします。―出エジプト記 5章-13章。
たいていの読者はこうした出来事によく通じています。しかし,それらは史実でしょうか。一部の人は,ファラオの名が出ていない点を挙げて,その記述は作り話に違いないと主張します。e しかし,先に引用したホフマイアーは,エジプトの書記官がしばしばあえてファラオの敵の名を省いた例を挙げて,こう述べています。「歴史家は,カデシュとメギドの王たちの名前が記録されていなくても,トトメス3世によるメギドの攻略が史実であることを否定しないはずだ」。ホフマイアーの指摘によると,ファラオの名が挙げられていないことには「もっともな神学的理由」があります。一つの点として,ファラオの名を挙げないことにより,その記述そのものは,ファラオではなく神に注意を向けています。
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モーセ ― 実話? それとも神話?目ざめよ! 2004 | 4月8日
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e 歴史家の中には,出エジプト当時のファラオをトトメス3世とする人がいます。アメンホテプ2世,ラムセス2世などだとする人もいます。エジプトの年代学は混とんとした状態にあるので,このファラオがだれであったかを確定するのは不可能です。
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