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輸血に代わる良質の医療血はあなたの命をどのように救うことができますか
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増量は全血や血漿を用いなくても行なうことができます。a 様々な無血性溶液が効果的な増量剤になります。最も簡単なのは食塩水で,費用も安くすみ,人間の血液と適合します。デキストランやヘマセル,そして乳酸ナトリウム加リンゲル液など,特殊な物質を含んだ溶液もあります。ヘタスターチ(HES)は新種の増量剤ですが,「血液製剤に異議を唱える[やけどの]患者に,心配なく推薦できる」とされています。(「やけどの手当てとリハビリテーション」誌,1989年1-2月号)こうした溶液には明確な利点があります。「[普通の食塩水や乳酸ナトリウム加リンゲル液のような]結晶溶液,デキストラン,HESは比較的毒性がなく,安価で入手しやすい。また室温で保存でき,適合検査の必要もなく,輸血によって伝染する病気の危険もない」―「輸血療法 ― 医師ハンドブック」,1989年。
しかし,『体全体に酸素を行き渡らせるのに赤血球が必要なのに,無血性の増量剤が効果を発揮するのはなぜか』と尋ねる人がいるかもしれません。前に述べたように,人には酸素運搬能があります。もしあなたが失血するなら,すばらしい補充システムが作動するのです。心臓は拍動のたびに,より多くの血液を送り出します。適切な溶液によって失血の補充が行なわれるので,希釈された血液が毛細血管の中でも流れやすくなります。化学変化が生じる結果,様々な組織に,より多くの酸素が放出されます。この適応が非常な効果を発揮するので,残っている赤血球がたとえ半分だとしても,酸素の運搬は通常の約75%まで行なわれるようです。安静にしている患者は,活用できる体内の酸素のうち,わずか25%しか用いていません。さらに,全身麻酔をすると,大抵の場合,体に必要な酸素の量は減少します。
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輸血に代わる良質の医療血はあなたの命をどのように救うことができますか
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英国の医師たちはこの方法をある婦人に用いました。その婦人の失血はひどく,「ヘモグロビンの量が100cc中1.8㌘まで落ちて」いました。「この婦人の治療には,……高濃度の酸素と大量のゼラチン溶液[ヘマセル]を輸液する方法[を用い],成功した」。(「麻酔」,1987年1月号)
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