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宣伝 ― その強力な説得力目ざめよ! 1988 | 2月8日
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宣伝効果を上げるものは何か
現代の広告には経費がかかります。テレビのコマーシャルは,広域新聞や雑誌の広告と同様,何千万円も費用のかかることがあります。人々はそれを読むでしょうか。記憶するでしょうか。それに従って行動するでしょうか。人々が確実にそうするよう,今では科学が広告の準備においてますます重要な役割を果たすようになっています。見る人の目を赤外線によって監視する視線追跡装置は,準備された構図のどの部分が最も注意を引くかを即座に明らかにします。しかし,その時でさえ,売れ行きは購買意欲を刺激することにかかっているに違いありません。精神生理学者は脳の反応を調べるので,自分たちが答えを持っていると言います。しかし,「テレビのコマーシャルは,多くの人から好まれるものほど説得力も大きい」という単純な事実が残る,とオジルビー研究開発センターは報告しています。
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宣伝 ― その強力な説得力目ざめよ! 1988 | 2月8日
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“押し売り”
英国広告協会によれば,「押し売り」とは,「力をもって迫る,言いくるめるような,強引な宣伝行為」です。しかし,「押しの強い強引な販売」という米国人の定義のほうがもっと的を射ているかもしれません。それは“穏やか商法”の“優しい説得”とは正反対です。何が関係しているのでしょうか。そして,それはわたしたちにどう影響するでしょうか。
市場が飽和状態に近づくと,各業者は自分たちのシェアを守ったり拡大したりするために戦うので,勢い押しの強い販売になります。西欧の多くの国では,自動車やテレビといった商品は今や過剰生産の域に達し,押し売りが見られています。
米国では,高圧的な宣伝の背後にある動機を例証する,興味深い医療事情が存在しています。タイム誌は,「病院は押し売りを学ぶ」という見出しを掲げました。病院は空きベッドの数の増加や診療所との競争が激化して,宣伝や広告を盛んに行なっています。米国カリフォルニア州のある医療センターの広告は,「腎臓結石のことなら……結石バスターズにお任せください!」と述べています。
しかし,押し売りに関係した問題の一つは,多くの場合それに抵抗するのが難しいということです。説得の力は非常に大きく,わたしたちは必要のない物を無理やり買わされたり,自分にとって最善の益にならないことをさせられたりする場合があります。
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