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体や心の変化若い人が尋ねる質問 ― 実際に役立つ答え,第2巻
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セクション2
体や心の変化
自分の体の成長で嫌なところがありますか。
❏ はい ❏ いいえ
思春期の変化のために,孤独や不安を感じたり混乱したりすることがありますか。
❏ はい ❏ いいえ
異性についてよく考えてしまいますか。
❏ はい ❏ いいえ
上の質問のどれかに「はい」を選んだとしても,心配いりません。あなたのどこかがおかしいわけではないのです。実際,青年期に体や心が変化すると,うきうきしたり落ち込んだり,さまざまな感情を経験します。あなたも早く大人になりたいと思っていたことでしょう。でも,その過程が始まった今,怖いと感じるかもしれません。6章から8章は,体や心のさまざまな変化に対処するのに役立ちます。
[56,57ページ,全面図版]
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自分の体に何が起きているのだろう若い人が尋ねる質問 ― 実際に役立つ答え,第2巻
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6章
自分の体に何が起きているのだろう
「ぐんぐん身長が伸びたので,痛みがありました。背が高くなるのはうれしかったけど,すぐに足がつってしまい,嫌になりました」。―ポール。
「体の変化を自分でも感じていて,だれにも気づかれたくありません。そんな時だれかから,あなたって“安産型”ねって言われると,悪気はないと分かっていても,穴があったら入りたくなります」。―シャネル。
家族で新しい土地へ引っ越したことがありますか。大きな変化だったでしょう。家や学校や友達など,慣れ親しんでいたものすべてを後にしました。新しい環境に慣れるのにも,しばらく時間がかかったかもしれません。
身体的に成熟する時期である思春期に入ると,人生の中でも特に大きな変化を経験します。全く新しい“土地”に移転するようなものです。わくわくしますか。もちろんです。とはいえ,成人期へ移行するときには,さまざまな感情に襲われることがあり,慣れるのも簡単ではありません。わくわくといらいらの入り混じったこの時期に,どんなことが起きますか。
女の子の場合
青年期は劇的な変化の時です。その幾つかは,はっきり目に見えます。例えば,ホルモンによって陰部に毛が生えます。また胸,腰回り,太もも,お尻などが大きくなることに気づくでしょう。少しずつ子どもの体形から女性らしい丸みを帯びた体形になっているのです。それは全く正常なことで,何も心配いりません。子どもを生む時のために体が準備をしている証拠なのです。
思春期に入ってしばらくすると,月経(生理)が始まります。でも事前に十分な備えをしていないと,人生のこの重要な出来事にびっくりするかもしれません。サマンサは次のように言います。「それが始まった時には,予備知識が全くありませんでした。自分は汚いと感じ,シャワーに入って体をごしごし洗ったものです。そして,『自分はなんて気持ち悪いんだろう』と思いました。これから毎月生理になると知って,ぞっとしました」。
しかし月経があるということは,生殖力が発達しつつある証拠です。親になる準備が整うのは何年も先のことですが,今あなたは大人の女性になりつつあるのです。とは言っても,月経になると気持ちが不安定になります。「一番大変だったのは,気分がころころ変わることでした」とケリーは語っています。「昼間はあんなにうきうきしていたのに,夜になると目が腫れるほど泣いてしまい,理由が分からないので,いらいらしました」。
今そのように感じていても,辛抱してください。そのうち慣れてきます。20歳になるアネットはこのように言います。「これは大人の女性になるために必要で,エホバはわたしに子どもを生む賜物を与えてくださったんだと思えるようになった時のことを覚えています。少し時間がかかり,人によっては本当に大変ですが,そのうち受け入れられるようになります」。
これまでに挙げた身体的変化を何か経験していますか。そのことで質問があれば,書き出してみましょう。
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男の子の場合
男の子の場合,思春期になると外見が大きく変わります。例えば,肌があぶらっぽくなって,にきびや吹き出物ができます。a 18歳のマットはこんなことを言っています。「にきびがどんどんできるので,うっとうしくて,いらいらします。まさに闘いです。いつか消えるのか,痕が残るのか,にきびのせいで人から見下されるのか,全然分かりません」。
一方,プラスの面を挙げるなら,体格がよくなり,力がつき,肩幅も広くなります。また,足や胸,顔,わきの下などに毛が生えてきます。ついでながら,体毛がどれくらいあるかは全く遺伝的な事柄で,男らしさとは関係ありません。
体の各部の成長の速さは一様ではないので,幾らかぎこちなさを感じるかもしれません。ドウェインは以前を振り返って,「さながらローラースケートを履いたキリンのようでした」と述べています。「脳が命令を出しても,手足はそれを1週間後に受け取るような感じでした」。
十代の半ばになると,徐々にですが,声が低くなります。太い声が出ていたかと思うと,急にかすれたり裏返ったりして情けない思いをする時期があります。でも心配いりません。やがてスムーズに声が出るようになります。それまでの間,自分を笑えるなら,恥ずかしさを最小限にとどめることができます。
生殖器系が成熟するにつれて,性器は大きくなり,周囲に毛が生えてきます。また精液を作り始めます。精液には微小な精子が無数に含まれていて,性交の際に放出されます。精子には卵子を受精させ,赤ちゃんを生みだす能力があります。
精子は体内にたまっていきます。一部は体に吸収されますが,夜眠っている間にいくらか放出されることもあります。これは一般に夢精と呼ばれます。そうした射精は正常なことで,聖書にも触れられています。(レビ記 15:16,17)夢精は,生殖器系が機能していること,大人に近づいてきたことのしるしです。
ここまでに出てきた身体的変化を何か経験していますか。そのことで質問があれば,書き出してみましょう。
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新たな感情に対処する
生殖器系が成熟するにつれ,男の子も女の子もそれまでになく異性が気になり始めます。「思春期になったら,突然,かわいい子がたくさんいるんだと気づき,すごくじれったく感じました。もっと大きくならないと何もできないことも分かったからです」とマットは言います。この本の29章では,成長期に生じるそのような状況が詳しく扱われます。しかし今は,性的な衝動を抑えることの大切さを意識しましょう。(コロサイ 3:5)難しく思えても,そうした衝動のままに行動しない,と決意できます。
思春期に対処しなければならない感情はほかにもあります。例えば,自分に自信が持てないということもよくあります。また,孤独を感じることも珍しくなく,一時的に憂うつな気持ちになることもあります。そうした時には,親か信頼できる大人に話すのはよいことです。気持ちを打ち明けられると思う人の名前を書いてみましょう。
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最も重要な成長
最も重要な成長には,身長や体形や顔立ちではなく,人としての成長,つまり精神的な成長や感情的な成長,そして何よりも霊的な成長が関係しています。使徒パウロは,「わたしがみどりごであった時には,みどりごのように話し,みどりごのように考え,みどりごのように論じていました。しかし,大人となった今,みどりごの時のことをやめたのです」と述べました。(コリント第一 13:11)学べる点は明らかです。大人のように見えるだけでは不十分なのです。大人のように行動し,話し,考えることを学ばなければなりません。自分の体に起きている事柄に気を取られるあまり,内なる人に注意を向けられないようであってはなりません。
神は「心がどうかを見る」ということも覚えておきましょう。(サムエル第一 16:7)聖書によると,サウル王は背が高く,顔立ちのよい人でした。しかし,王としても人としても欠けた者となってしまいました。(サムエル第一 9:2)一方ザアカイは「背が低かった」のですが,生き方を変えてイエスの弟子になるだけの内面的な強さがありました。(ルカ 19:2-10)明らかに,最も重要なのは人の内面です。
確かなことが一つあります。それは,身体的な成長の過程を速めたり遅らせたりする安全な方法はないということです。ですから,生じる変化を嫌がったり恐れたりするのではなく,むしろありのままに,時にはユーモアを持って受け入れましょう。思春期は病気ではなく,それを経験するのはあなたが最初ではありません。あなたもきっとうまくやっていけます。思春期のあらしが過ぎ去れば,成熟した大人になっているのです。
鏡に映る自分が気に入らないならどうしたらよいですか。どうすれば容姿に対して平衡の取れた見方ができますか。
[脚注]
a にきびや吹き出物は女の子にもできます。多くの場合,肌をきちんと手入れすると抑えることができます。
かぎとなる聖句
「わたしはあなたをたたえます。なぜなら,わたしは畏怖の念を起こさせるまでにくすしく造られているからです」。―詩編 139:14。
アドバイス
体の成長に伴い,挑発的な服装はしないよう注意してください。いつも「慎みと健全な思いとをもって」装うようにしましょう。―テモテ第一 2:9。
知っていましたか
思春期は,早ければ8歳,遅くても十代半ばには始まる。一般的とされる開始時期にも幅がある。
やろうと思うこと
大人になっていく今,自分の性格で一番直す必要のあるところ __________
霊的に成長するためにしたいこと __________
この章の内容で親に聞きたいこと __________
考えてみましょう
● 思春期に伴う身体面や感情面の変化に対処するのが難しいのはなぜですか。
● そうした変化の中で特に大変だと思うのはどんなことですか。
● 思春期に,神への愛が薄れてしまうことがあるのはなぜですか。そうならないよう何ができますか。
[61ページの拡大文]
“青年期には不安なことがたくさんあって,自分の体が次にどうなるのかさっぱり分かりません。でも,年齢と共に,変化を受け入れ,それを喜べるようにもなれます。”― アネット
[63,64ページの囲み記事]
性について親にどのように話せるだろう
「性について知りたいことがあっても,親には聞けません」。―ベス。
「親に話す勇気なんてありません」。―デニス。
あなたもベスやデニスのようなら,ジレンマを感じているでしょう。性について知りたいのに,答えることのできる人,つまり親には,一番聞きたくないのです。あなたにはいろいろな不安があります。例えば……
親からどう思われるだろうか
「質問しただけで疑われるなんて嫌です」。―ジェシカ。
「親は,子どもがいつまでも純真無垢でいることを願っています。それで子どもが性について話すと,その日から違った目で見られるんです」。―ベス。
どんな反応が返ってくるだろうか
「わたしが話し終わらないうちに,両親は勘違いして,長々とお説教するんじゃないかと思います」。―グロリア。
「うちの親は感情がすぐ顔に出るので,親の失望した顔を見るのが怖いです。父は,わたしがまだ話している間に,どんな説教をしようかときっと考えると思います」。―パム。
なぜ質問したか誤解されるだろうか
「親は過剰に反応して,『だれかに誘われたの?』とか『友達から圧力をかけられているのか』といったことを聞いてくると思います。子どものほうはただ知りたいだけなのに」。―リサ。
「わたしが男の子のことを話すと,父はいつも心配顔になって,すぐ性についての話を始めます。わたしは心の中で,『パパ,わたしは,あの子かっこいいねって言っただけで,結婚とかセックスのことなんか何も言ってないよ』とつぶやいています」。―ステーシー。
次のことを知ると,あなたも少し安心するかもしれません。それは,性についてあなたが親に話すのをきまり悪く思うように,親もあなたに話すのをきまり悪く思っているということです。ある調査で,親の65%が性について子どもに話していると述べたのに対し,そうした話し合いをしたことを思い出せる子どもは41%しかいなかったという結果が出たのも,そのためかもしれません。
あなたの親も性について話すのをためらっているのかもしれません。親自身,自分の親から性について話してもらっていないことが多いのです。ですから,その理由が何であっても,親に要求しすぎないようにしましょう。おそらく,あなたのほうから思い切ってその話題を持ち出すことができるかもしれません。それはあなたにも親にも益となります。では,どのようにできますか。
話を切り出す
親には性についてのさまざまな知識があり,子どもにアドバイスできることもたくさんあります。あなたは話のきっかけを作ればよいのです。次のようにしてみましょう。
1 自分の不安を率直に伝える。「こういうことを聞いたら,どう思われるかちょっと心配で,どうしようかなって考えてたんだけど,……」。
2 次に,どうして親のところに来たのかを話す。「でも,聞きたいことがあるの。ほかの人よりお母さん(お父さん)に聞いたほうがいいと思って」。
3 それから聞きたいことを話す。「聞きたいことはね……」。
4 話し合った後に,また話をしてもいいか尋ねる。「また聞きたいことができたら,質問してもいい?」
親が同意してくれると分かっていても,そう言ってもらえれば,また尋ねたいことができた時,もっと気楽に話せるでしょう。ぜひ試してみてください。あなたもいつかトリーナと同じように感じるかもしれません。現在24歳になるトリーナはこう述べています。「母と話していた時は,こんなこと話したくないなと思っていました。でも今は,母がとても率直に,そして包み隠さず話してくれたことを感謝しています。本当に身の守りとなりました」。
[59ページの図版]
子ども時代に別れを告げるのは,引っ越しをするようなもの。でもそのうち慣れます
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自分の容姿が嫌なら,どうすればいいだろう若い人が尋ねる質問 ― 実際に役立つ答え,第2巻
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7章
自分の容姿が嫌なら,どうすればいいだろう
自分の容姿にがっかりすることがよくありますか。
❏ はい ❏ いいえ
体の欠点を直すために,美容整形や極端なダイエットをしようと思ったことがありますか。
❏ はい ❏ いいえ
できるなら,どんな身体的特徴を変えたいと思いますか。(当てはまるものに丸をつけましょう。)
身長
体重
体型
髪
肌
目
最初の二つの質問の答えが「はい」で,三つ目の質問に丸が3個以上あったとしても,良い面に目を向けましょう。人はあなたのことを,あなたほどには否定的に見ていないのです。極端に走り,自分の容姿を気にしすぎるというのはよくあることです。ある調査によると,若い女性の多くは,核戦争,がん,さらには親が亡くなることよりも,自分の体重が増えることのほうを心配するようです。
確かに,容姿は,自分自身に対する見方に,さらには他の人からどんな扱いを受けるかに影響を及ぼします。19歳のマリッツァはこう言います。「子どものころ,二人の姉はすごくきれいだったのですが,わたしはぽちゃっとしていました。学校では嫌と言うほどからかわれました。それに,おばからもチャブス[おでぶちゃん]というあだ名をつけられました。それはおばが飼っていた太った小型犬の名前だったんです」。16歳のジュリーも似たような経験をしました。このように言っています。「学校で,ある女の子から,ウサギみたいな歯をしているとからかわれました。騒ぐほどのことではなかったけれど,嫌な気持ちになったし,今でも歯のことが気になります」。
適度の関心? それとも気にしすぎ?
自分の容姿に関心を持つのは何も間違ったことではありません。聖書は実際,サラ,ラケル,ヨセフ,ダビデ,アビガイルなど,何人もの男女の容姿について好意的に述べています。アビシャグという女性は「極めて美しかった」とも述べています。―列王第一 1:4。
とはいえ,自分の容姿を過度に気にする若者は少なくありません。例えば,やせている人がきれいな人だと思っている女の子もいます。何しろ,素敵な雑誌広告に登場するのは超やせ型モデルなのです。しかし,うっとりするような写真が完璧に修整されていたりコンピューターで手直しされていたりすることや,すらっとしたモデルが体型を維持するために半ば飢餓状態にあることには気づいていません。あなたはそうしたことが分かっていても,自分と雑誌のモデルを比べるとショックを受けるかもしれません。自分の容姿にもっともと思えるような不満があるなら,どうすればいいですか。まず,自分に対して現実的な見方をする必要があります。
ゆがんだイメージ?
ゆがんだ鏡で自分を見たことがありますか。本当の姿より大きく,あるいは小さく見えたかもしれません。いずれにせよ,それは実際とは異なります。
同じように多くの若者は,自分自身についてゆがんだイメージを持っています。次のことを考えてください。ある研究では,58%の女子が自分は太りすぎだと考えていましたが,実際にそうだったのは17%だけでした。別の研究によると,女性の45%は,実際には標準体重以下なのに,自分は重すぎると考えていました。
自分の体重について心配する若い女性のほとんどはその必要がない,と述べる研究者もいます。そう言われても,がっしりした体格をしているなら,何の慰めにもならないかもしれません。そうした体格には,どんな要因が考えられますか。
遺伝が関係する場合があります。生まれつきやせていて,骨張った体つきをしている人もいます。しかし,遺伝によって丸みを帯びた体脂肪の多い体型になっているのであれば,やせるようにはプログラムされていないのです。医学的に見て理想的な体重であっても,自分が望む以上に体重があるように見えるかもしれません。運動や食事療法が役立つこともありますが,たいていの場合,遺伝による体型は変えることができません。
青年期の正常な変化が要因となることもあります。思春期になると少女の体脂肪率は約8%から約22%に増加します。多くの場合,年齢とともに状況は変わり,ぽっちゃりとした11歳や12歳の少女も思春期を過ぎると,すらりとしたティーンエージャーになることでしょう。しかし,今の体型が栄養の偏りや運動不足からきているならどうでしょうか。また,健康上の理由で本当に減量する必要がある場合はどうですか。
平衡の取れた取り組み方
聖書は,『習慣に節度を守る』ことを高く評価しています。(テモテ第一 3:11)ですから,食事を抜いたり極端なダイエットをしたりしないことです。健康的な食習慣と適度の運動は,体重を落とす一番よい方法でしょう。
流行のダイエットに頼る必要はありません。例えば,やせ薬はしばらくの間は食欲を抑えるかもしれませんが,体はたちまちそれに順応し,食欲は戻ります。あるいは,代謝が遅くなり,いずれ体重が増えることになります。さらには,めまい,高血圧,不安発作などの副作用を経験したり,薬に依存するようになったりする場合もあります。水分を排せつする作用のある薬や代謝を速める薬にも同じことが言えます。
適切な食事の計画に加えて,適度の運動を定期的に行なえば,見た目も気分もよい状態に保てます。週に数回,適度な有酸素運動を行なうなら,健康にとてもよいでしょう。早足で歩いたり階段を上ったりするような簡単なことでも十分です。
拒食症のわなに用心してください
体重を減らそうとして,拒食症になる若者もいます。自分を飢餓状態に追い込むこの摂食障害は,命にかかわる病気です。拒食症の治療を受け始めて約4か月になる正美は,こう言います。「人から『元気そうね』と言われると,『太ったから……』としか答えられなかったり,あのころの体 ― 4か月前の体重 ― に戻れればと一人で泣いてしまうこともあります」。
拒食症はちょっとしたことから始まります。少女は,ほんの1㌔ほど体重を落とそうとして,害には思えないダイエットを始めるかもしれません。でも,その目標を達成しても満足できません。不満げに鏡を見つめ,「まだ太りすぎ」と言い,あと1㌔やせようと決めます。そして1㌔,また1㌔と進んで,拒食症になっていくのです。
拒食症や他の摂食障害の症状があるなら,助けを得る必要があります。親か信頼できる他の大人に打ち明けてください。聖書の箴言には,「真の友はどんな時にも愛しつづけるものであり,苦難のときのために生まれた兄弟である」と述べられています。―箴言 17:17。
真の美しさとは何か
全体的に見ると,聖書は人の容姿や体型を重視していません。神の目に魅力的に映るかどうかは,むしろ内なる人によって決まります。―箴言 11:20,22。
ダビデ王の息子アブサロムのことを考えてみましょう。聖書は次のように述べています。「全イスラエルでそれほどまでにたたえられた美しい人はいなかった。その足の裏から頭のてっぺんまで彼には欠陥がなかった」。(サムエル第二 14:25)しかし,この若者は裏切り者でした。誇りと野心に駆られて,エホバの任命された王から王位を奪おうとしたのです。そのため,聖書はアブサロムのことを好意的に述べるどころか,恥知らずで不実な者,殺意ある憎しみを抱く者として描写しています。
要点はこうです。「エホバは心を見定めておられる」のであって,女性のウエストのサイズや男性の力こぶの大きさを見ておられるのではありません。(箴言 21:2)それで,魅力的でありたいと思うのは何も悪いことではありませんが,容姿よりも人格のほうがはるかに重要です。結局,筋肉美やへこんだお腹より,霊的特質のほうが他の人の目にずっと魅力的に映るのです。
第1巻,10章も読んでみましょう
慢性的な病気や障害を抱える若者は少なくありません。あなたもその一人なら,そうした状況にどう対処できますか。
かぎとなる聖句
「人は目に見えるものを見るが,エホバは心がどうかを見る」。―サムエル第一 16:7。
アドバイス
体重を減らそうとしているなら……
● 朝食を抜かない。朝食を抜くと,お腹がすいて普段より多く食べてしまう。
● 食前に,大きなコップ1杯の水を飲む。食欲が抑えられるので,食べ過ぎないですむ。
知っていましたか
やせようとして絶食すると,体は“緊急モード”に入り,代謝を遅くして,減っていた体重がすぐに戻ってしまう,と言う専門家もいる。
やろうと思うこと
健康にもっと気をつけるためにできること __________
自分にとって無理のない運動の計画 __________
この章の内容で親に聞きたいこと __________
考えてみましょう
● 自分の外見についてどう感じていますか。
● 極端を避けながらも,容姿を良くするためにどんなことができますか。
● 摂食障害を抱える友達にどんなことを話したいと思いますか。
● 容姿について平衡の取れた見方ができるよう,弟や妹をどのように助けたいと思いますか。
[69ページの拡大文]
“目がすごく大きいね,とずっとからかわれてきました。でも,そのことを笑えるようになり,自分の性格や長所に自信が持てるようになりました。今は容姿のことはあまり気にしていません。ありのままの自分を受け入れています。”― アンバー
[68ページの図版]
ゆがんだ鏡に映る姿のように,自分に対する見方がゆがんでしまうことがある
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