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エホバの目的は必ず果たされるものみの塔(研究用)2017 | 2月
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エホバの目的は必ず果たされる
「わたしはそれを話したのである。わたしはまた,それをもたらすであろう。わたしはそれを形造ったのであり,また,それを行なうであろう」。―イザ 46:11。
1,2. (イ)エホバはわたしたちに何を知らせてくださっていますか。(ロ)イザヤ 46章10,11節,55章11節では,どんなことが保証されていますか。
聖書の記述は,簡潔とはいえ深い意味を持つ次の言葉で始まっています。「初めに神は天と地を創造された」。(創 1:1)宇宙や光や重力など,神が創造された様々なものについて,わたしたちはわずかなことしか知りません。わたしたちが見ている宇宙も,全体のごく一部にすぎません。(伝 3:11)しかしエホバは,地球と人間に対するご自分の目的をわたしたちに知らせてくださいました。地球は,神の像に創造された人間にとって理想的な住まいとなります。(創 1:26)人類は神の子となり,神は人類の父となります。
2 しかし,創世記 3章に記されているとおり,エホバの目的の達成を阻もうとする出来事が生じました。(創 3:1-7)とはいえ,エホバに解決できない問題などありません。だれもエホバの手をとどめることなどできないのです。(イザ 46:10,11; 55:11)エホバの当初の目的は必ずご予定の時に果たされます。
3. (イ)聖書の音信を理解するために,どんな真理について知る必要がありますか。(ロ)今の時期に,そうした教えについて考えるとよいのはなぜですか。(ハ)これからどんな点を考えますか。
3 あなたは,地球と人間に対する神の目的に関する真理,また神の目的が達成されるうえでイエス・キリストの果たす主要な役割に関する真理をよく知っているはずです。聖書研究を始めたころ,この重要な真理を学んだことでしょう。この肝要な教えを誠実な人たちにも知ってほしいと願っているに違いありません。会衆でこの記事を学んでいる今の時期,キリストの死の記念式にできるだけ多くの人を招待する活動が行なわれています。(ルカ 22:19,20)記念式に出席するなら,神の目的について多くのことを学べます。では,記念式を間近に控えた今,記念式に対する人々の関心をどのように高められるでしょうか。次の3つの点を話し合えます。神は当初,地球と人間に対してどんな目的をお持ちでしたか。その目的の達成を阻もうとするどんな出来事が生じましたか。神の目的を達成する道を開くため,イエスの贖いの犠牲はどんな重要な役割を果たしましたか。
創造者の当初の目的
4. 創造物はどのように神の栄光を告げ知らせていますか。
4 エホバは本当に素晴らしい創造者です。エホバの創造物はすべて,最高の規準にかなっています。(創 1:31。エレ 10:12)創造物に見られる美しさや秩序から何を学べるでしょうか。創造物を観察すると,小さなものから大きなものまですべて,価値ある目的を果たしていることが分かります。人間の複雑な細胞,かわいらしい赤ちゃん,美しい夕焼けにだれもが驚嘆します。こうしたものに感動できるのは,美しさを感じ取る感覚をエホバが与えてくださったからです。―詩編 19:1; 104:24を読む。
5. エホバはどのように,創造物すべてが調和よく機能するようにしておられますか。
5 愛あるエホバは,創造物のために境界を定めておられます。すべてのものが調和よく機能するよう,自然の法則と道徳律を設けておられるのです。(詩 19:7-9)宇宙のすべてのものは,神の目的における役割に応じて,特定の場所に置かれ,特定の機能を果たしています。エホバは,創造物が協働するための規準を設けておられます。例えば,重力の法則のおかげで,大気は地表近くにとどまることができます。また,この法則によって潮の満ち引きが制御されています。重力がなければ,地球上の生物は生きていけません。人間を含めすべての創造物は,こうした境界の範囲内で動き,機能しています。創造物に見られるこのような秩序は,神が地球と人間に対して目的をお持ちであることの証拠です。わたしたちは宣教において,このすべてを創造された方に注意を向けることができます。―啓 4:11。
6,7. エホバはアダムとエバにどんな贈り物をお与えになりましたか。
6 エホバの当初の目的は,人類がこの地上で永遠に生きることでした。(創 1:28。詩 37:29)エホバは寛大にも,アダムとエバが生活を楽しめるよう,価値ある様々な贈り物をお与えになりました。(ヤコブ 1:17を読む。)自由意志,筋道立てて考える力,人を愛し,交友を楽しむ能力などです。エホバはアダムに語りかけ,ご自分への従順を示す方法も教えられました。アダムは,食物を得,動物を世話し,土地を耕す方法も学びました。(創 2:15-17,19,20)エホバはアダムとエバに,味覚,触覚,視覚,聴覚,嗅覚をお与えになりました。そのおかげで,2人は美しく実り豊かなパラダイスでの生活を存分に楽しむことができました。最初の人間夫婦には,満足のいく仕事を行ない,価値ある事柄を成し遂げ,新たな発見を楽しむ無限の可能性があったのです。
7 神の目的には,ほかにもどんなことが含まれていましたか。エホバはアダムとエバに,完全な子どもを生む能力をお与えになりました。2人の子どもがさらに子どもを生み,人間家族がやがて地球全体を満たすことを意図しておられたのです。エホバは,ご自分がアダムとエバという最初の人間の子どもたちを愛したのと同様,アダムとエバやその子孫が自分の子どもたちを愛することを望んでおられました。美しい地球は人間の永遠の住まいになるのです。―詩 115:16。
神の目的の達成を阻もうとする出来事
8. 神がアダムとエバに,創世記 2章16,17節の命令をお与えになったのはなぜですか。
8 しかし,物事はすぐに神の目的どおりに進んだわけではありません。何が起きたのでしょうか。エホバはアダムとエバに,自分たちの自由の限界を認めているかどうかを試す簡単な命令をお与えになりました。こう言われました。「園のすべての木から,あなたは満ち足りるまで食べてよい。しかし,善悪の知識の木については,あなたはそれから食べてはならない。それから食べる日にあなたは必ず死ぬからである」。(創 2:16,17)アダムとエバにとって,この命令を理解するのも,それに従うのも難しいことではありませんでした。園には食べ切れないほどの食物があったのです。
9,10. (イ)サタンはエホバをどのように非難しましたか。(ロ)アダムとエバはどうしましたか。(冒頭の挿絵を参照。)
9 悪魔サタンは蛇を用いてエバを欺き,父エホバに背かせました。(創世記 3:1-5を読む。啓 12:9)サタンは,人間が「園のすべての木からは」食べることを許されていない,という点を問題にしました。あたかも,「あなた方は自分のしたいことができないのですか」と言ったようなものです。次に,「あなた方は決して死ぬようなことはありません」というあからさまなうそをつきました。それから,神の言うことを聞く必要はないとエバに信じ込ませようとして,「その木から食べる日には,あなた方の目が必ず開け……ることを,神は知っているのです」と言いました。エホバがその実を食べさせようとしないのは,特別な知識を得させたくないからだ,とほのめかしたのです。さらに,「あなた方[は]必ず神のようになって善悪を知るようになる」という偽りの約束をしました。
10 アダムとエバはどうしたでしょうか。神に従ったでしょうか。それとも,サタンの思惑どおりに行動したでしょうか。2人は神に背くという決定をし,サタンの反逆に加わりました。父であるエホバを退け,神の支配という保護のもとから離れたのです。―創 3:6-13。
11. エホバはなぜ反逆を容認されませんでしたか。
11 エホバに反逆したアダムとエバは,完全さを失いました。そればかりか,エホバの敵となってしまいました。神は「悪を見るには目があまりに浄く,難儀を見ていることがおできにな[らない]」からです。(ハバ 1:13)もし神が悪を容認したなら,天と地のすべての被造物の幸福が脅かされることでしょう。それだけではありません。神がエデンでの罪について何もしなかったなら,神ご自身の信頼性に疑問が生じることでしょう。しかし,エホバはご自分の規準を固く守る方であり,その規準に反することを決してされません。(詩 119:142)アダムとエバには自由意志があったとはいえ,神の命令を無視する権利はなかったのです。2人はエホバに反逆した結果,やがて死に,塵に帰りました。塵から造られていたからです。―創 3:19。
12. アダムの子孫はどうなりましたか。
12 アダムとエバはその実を食べた時,もはや神の宇宙的な家族の一員ではなくなりました。神は2人をエデンから追放し,二度と戻れないようにされました。(創 3:23,24)それは公正なことでした。2人は自分たちの決定の当然の結果を被ったのです。(申命記 32:4,5を読む。)不完全になった人間は,神の特質を完全には反映できなくなりました。アダムは,自分が素晴らしい将来の見込みを失っただけではなく,子どもたちに不完全さと罪と死をもたらしました。(ロマ 5:12)自分の子孫から永遠の命の見込みを奪ったのです。アダムとエバもその子孫も完全な子どもを生むことはできなくなりました。悪魔サタンは,アダムとエバを神に背かせた後もずっと人類を欺いてきました。―ヨハ 8:44。
贖いは神との友情を回復させる
13. エホバは人類についてどんなことを願っておられますか。
13 しかし,神は人間を愛し続けました。アダムとエバが反逆した後も,人類がご自分との良い関係を取り戻すことを願われたのです。神はだれ一人死ぬことを望んでおられません。(ペテ二 3:9)それで反逆の直後,神はご自分の義の規準を守りつつ,人間がご自分との友情を回復させるための手段を講じられました。どんな手段でしょうか。
14. (イ)ヨハネ 3章16節によると,神は人類を罪と死から救出するためにどんな手段を講じられましたか。(ロ)関心を持つ人たちと,どんな点について話せますか。
14 ヨハネ 3:16を読む。わたしたちが記念式に招待する人たちの中には,この聖句を知っている人もいることでしょう。しかし大切なのは,イエスの犠牲によってどのように永遠の命の道が開かれたのかを知ることです。真理を探す誠実な人たちがこの重要な質問の答えを理解できるよう,記念式の招待活動の時,記念式の時,記念式後に再び訪問する時に助けることができます。贖いにエホバの深い愛と知恵が表われていることを理解するなら,きっと感銘を受けるでしょう。では,贖いのどんな面を強調できるでしょうか。
15. イエスはアダムとどのように異なっていましたか。
15 エホバは,贖い主となれる完全な人間をお与えになった。その完全な人間は,エホバに忠節を保ち,死を受け継いだ人類のために進んで命を与える必要があります。(ロマ 5:17-19)エホバは,ご自分の最初の創造物であるイエスの命を天から地に移されました。(ヨハ 1:14)そのようにしてイエスは,アダムと同様,完全な人間になりました。しかしアダムとは異なり,エホバが完全な人間に期待される規準に従って生活しました。極度の試みのもとでも罪を犯さず,神の律法を破らなかったのです。
16. 贖いが非常に貴重な贈り物と言えるのはなぜですか。
16 イエスは完全な人間として人類のために死ぬことにより,人類を罪と死から救うことができた。完全な人間アダムは,エホバに完全な忠節と従順を示すこともできたはずです。イエスは,そのような能力を持つアダムに正確に対応していました。(テモ一 2:6)イエスは贖いの犠牲となり,男性や女性や子どもたちなど「多くの人」が永遠の命を得る機会を開きました。(マタ 20:28)贖いは確かに,神の当初の目的を達成する道を開くうえで重要な役割を果たしています。(コリ二 1:19,20)贖いにより,忠実な人たちすべては永遠の命を得る見込みを持てるのです。
エホバは再び迎え入れてくださる
17. 贖いによって,どんなことが可能になりますか。
17 エホバは贖いを与えるために大きな犠牲を払われました。(ペテ一 1:19)人類を非常に価値あるものとみなし,独り子を進んで地に遣わして死ぬようにされたのです。(ヨハ一 4:9,10)イエスはある意味で,アダムに代わって人間の父となりました。(コリ一 15:45)イエスはわたしたちに,永遠の命を得る機会だけでなく,神の家族に戻る機会を与えてくださったのです。エホバはイエスの犠牲に基づき,ご自分の義の規準を曲げることなく,人類を再びご自分の家族に迎え入れてくださいます。神に忠実な人たちすべてが完全にされる時について考えると,心温まる思いがするのではありませんか。天と地にまたがる神の家族は全く一致します。わたしたちすべては完全な意味で神の子どもとなるのです。―ロマ 8:21。
18. エホバが「だれに対してもすべてのもの」となるのはいつですか。
18 サタンが反逆した後も,エホバは引き続き人類に愛を示しておられます。また,大勢の神の僕たちが,不完全な人間でありながらエホバへの忠節を保ってきました。エホバは贖いにより,ご自分の子どもたちすべてが完全に義なる者となるよう助けてくださいます。「子を見てそれに信仰を働かせる」すべての人が永遠の命を得る時,生活は本当に素晴らしいものとなるでしょう。(ヨハ 6:40)エホバは当初の目的どおり,大きな愛と知恵を示して人間家族を完全な状態にされます。その後,父エホバは「だれに対してもすべてのもの」となります。―コリ一 15:28。
19. (イ)贖いに対する感謝があれば,何をしたいと思うはずですか。(「ふさわしい人を捜し続けましょう」の囲みを参照。)(ロ)次の記事では,贖いのどんな面について考えますか。
19 贖いに対する感謝があれば,この貴重な贈り物から他の人たちも益を得られるよう助けたいと思うはずです。愛あるエホバが贖いを通して永遠の命を得る機会をすべての人に差し伸べておられる,ということを知らせる必要があります。しかし,贖いによって成し遂げられた事柄はほかにもあります。次の記事では,イエスの贖いの犠牲が,エデンの園でサタンが提起した倫理上の問題とどのように関係しているかを学びます。
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贖い 天の父からの「完全な贈り物」ものみの塔(研究用)2017 | 2月
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贖い 天の父からの「完全な贈り物」
「あらゆる良い賜物,またあらゆる完全な贈り物は[天の父]から来ます」。―ヤコ 1:17。
1. 贖いによって,どんな祝福がもたらされますか。
イエス・キリストの贖いの犠牲は多くの祝福をもたらします。贖いにより,アダムの子孫のうち義を愛する人たちがみな神の家族に加わり,永遠に幸福に生きる道が開かれました。しかし,イエスがエホバの義の規準に従いつつ進んで犠牲の死を遂げたことは,そうした祝福をもたらすだけではなく,全宇宙に影響を与える重要な問題と関係しています。―ヘブ 1:8,9。
2. (イ)イエスは,全宇宙に影響を与えるどんな重要な事柄について祈りましたか。(冒頭の挿絵を参照。)(ロ)これからどんな点を考えますか。
2 イエスは贖いの犠牲として死ぬ2年ほど前,弟子たちにこう祈るよう教えました。「天におられるわたしたちの父よ,あなたのお名前が神聖なものとされますように。あなたの王国が来ますように。あなたのご意志が天におけると同じように,地上においてもなされますように」。(マタ 6:9,10)贖いに対する認識を深めるため,贖いが,(1)神のみ名を神聖なものにすること,(2)神の王国の支配,(3)神の目的の達成とどのように関係しているかを考えましょう。
「あなたのお名前が神聖なものとされますように」
3. エホバのみ名は神がどんな方であることを示していますか。サタンは神の神聖なみ名をどのように中傷しましたか。
3 イエスは模範的な祈りの中で,まず神のみ名が神聖なものとされることを願い求めました。エホバのみ名は神がどんな方であるかを表わしています。エホバは宇宙で最も卓越した方であり,栄光に満ちた聖なる神です。イエスも別の祈りの中で,「聖なる父よ」とエホバに呼びかけています。(ヨハ 17:11)エホバは聖なる方なので,エホバの定めた原則や律法もすべて聖なるものです。しかしサタンはエデンの園で,人間のために規準を定める神の権利に関して,こうかつな仕方で異議を唱えました。エホバについて偽りを語ることにより,神聖なみ名を中傷したのです。―創 3:1-5。
4. イエスはどのように神のみ名を神聖なものとしましたか。
4 他方イエスは,エホバのみ名を深く愛しました。(ヨハ 17:25,26)神のみ名を神聖なものとするよう努めました。(詩編 40:8-10を読む。)地上での完全な歩みにより,エホバが理知ある被造物のために規準を定めることは正しくて道理にかなっている,ということを実証したのです。サタンはイエスが苦しんで死ぬように仕向けましたが,イエスは天の父に対する忠節を全うしました。完全な人間が神の義の規準に完全な従順を示せる,ということを実証したのです。
5. どうすれば神のみ名を神聖なものとすることができますか。
5 わたしたちも,エホバのみ名を愛していることを行ないによって示せます。エホバはわたしたちが聖なる者であることを求めておられます。(ペテロ第一 1:15,16を読む。)聖なる者であるためには,エホバだけを崇拝し,心をこめて神に従う必要があります。迫害されている時でも,神の義の原則と律法に従って生きるよう懸命に努力します。正しい行ないによって光を輝かせ,エホバのみ名に栄光をもたらします。(マタ 5:14-16)聖なる民であるわたしたちは生き方によって,エホバの律法が良いものであり,サタンの非難が偽りであることを実証します。過ちを犯したなら,誠実に悔い改め,神を辱める行ないを避けます。―詩 79:9。
6. 不完全なわたしたちが,エホバから義なる者とみなしていただけるのはなぜですか。
6 エホバは,キリストの犠牲に信仰を働かせる人たちの罪を許されます。ご自分に献身する人たちを崇拝者として受け入れてくださいます。油そそがれたクリスチャンをご自分の子として,「ほかの羊」をご自分の友として,義と宣せられます。(ヨハ 10:16。ロマ 5:1,2。ヤコ 2:21-25)わたしたちは贖いによって,今でさえ,天の父のみ前で義なる立場を得ることができ,神のみ名を神聖なものとすることができるのです。
「あなたの王国が来ますように」
7. 贖いにより,王国の支配のもとでどんな祝福がもたらされますか。
7 イエスは次に,「あなたの王国が来ますように」と請願しました。贖いは神の王国とどのように関係していますか。贖いにより,キリストと共に天で王また祭司として仕える14万4000人の者たちを集めることが可能になりました。(啓 5:9,10; 14:1)神の王国政府を構成するイエスと共同支配者たちは,贖いの恩恵が1000年にわたって従順な人類に及ぶようにします。地球はパラダイスに変えられ,神に忠実な人たちは完全にされ,天と地にまたがる神の家族は全く一致します。(啓 5:13; 20:6)イエスは蛇の頭を砕き,サタンの反逆の影響を全宇宙からぬぐい去ります。―創 3:15。
8. (イ)イエスは,神の王国の重要性を理解できるよう,どのように弟子たちを助けましたか。(ロ)今日,どのように王国を支持できますか。
8 イエスは地上にいた時,神の王国の重要性を理解できるよう弟子たちを助けました。バプテスマのすぐ後,「神の王国の良いたより」を遠く広く宣明し始めました。(ルカ 4:43)天に戻る前には,「地の最も遠い所にまで」ご自分の証人となるよう弟子たちに命じました。(使徒 1:6-8)弟子たちが王国を宣べ伝えることによって,世界中の人々は贖いについて学び,神の王国の臣民となる機会を得ることができるのです。今日わたしたちは,世界中で宣べ伝える務めを果たすキリストの兄弟たちに協力することにより,王国を支持することができます。―マタ 24:14; 25:40。
「あなたのご意志が……なされますように」
9. エホバは人類に対するご自分の目的を果たされる,と確信できるのはなぜですか。
9 イエスは次に,「あなたのご意志が……なされますように」と祈りました。どんな意味でそう言われたのでしょうか。ある事柄が起きると創造者エホバが言われたなら,それは起きたも同然です。(イザ 55:11)エホバは,サタンの反逆によって人類に対するご自分の目的が阻まれることをお許しになりません。エホバのご意志は当初から,アダムとエバの完全な子孫で地を満たすことでした。(創 1:28)アダムとエバが子どもを持たずに死んだなら,2人の子孫で地を満たすという神の目的は果たされなかったことでしょう。それでエホバは,罪を犯した2人が子どもを持つことをお許しになりました。神は贖いに信仰を働かせる人すべてに,完全になって永遠に生きる機会を与えておられます。エホバは人々を愛しておられ,従順な人類がご自分の目的どおり,素晴らしい生活を送ることを望んでおられるのです。
10. 贖いによって,亡くなった人々にはどんな見込みがありますか。
10 エホバについて知る機会を持たずに亡くなった大勢の人々は,どうなるのでしょうか。贖いによって,復活する見込みがあります。愛ある天の父は死者を復活させます。そして,神の目的について学び,永遠に生きる機会をお与えになります。(使徒 24:15)エホバは人々が死ぬことではなく,生きることを願っておられます。命の源である神は,復活してくる人すべての父となられます。(詩 36:9)ですから,イエスが「天におられるわたしたちの父よ」と祈るよう教えたのは極めて適切なことです。(マタ 6:9)エホバはイエスに,死者を復活させるという重要な務めを与えておられます。(ヨハ 6:40,44)イエスは楽園において,「復活」また「命」としての役割を果たすのです。―ヨハ 11:25。
11. 神は「大群衆」についてどんなご意志をお持ちですか。
11 エホバは少数の特別な人々だけに関心を向けられるわけではありません。イエスはこう述べています。「だれでも神のご意志を行なう人,その人がわたしの兄弟,また姉妹,また母なのです」。(マル 3:35)神のご意志は,すべての国民と部族と国語の中から来た数え切れないほどの「大群衆」が神の崇拝者になることです。キリストの贖いに信仰を働かせ,神のご意志を行なう人は,大群衆の一員として次の言葉に和することができます。「救いは,み座に座っておられるわたしたちの神と,子羊とによります」。―啓 7:9,10。
12. イエスの模範的な祈りは,従順な人類に対するエホバの目的とどのように関係していますか。
12 イエスの模範的な祈りは,従順な人類に対するエホバの目的と深く関係しています。わたしたちはこの祈りに調和して,エホバのみ名を神聖なものとするために最善を尽くしたいものです。(イザ 8:13)イエスの贖いによる人間の救いは,エホバのみ名に誉れと栄光をもたらします。事実,イエスの名前には「エホバは救い」という意味があります。神の王国は,従順な人類に贖いの恩恵をもたらすために用いられます。イエスの模範的な祈りについて考えると,何ものも神のご意志の遂行を阻むことはできない,ということを確信できます。―詩 135:6。イザ 46:9,10。
贖いに対する感謝を表わす
13. バプテスマを受けることによって,どんなことを示せますか。
13 贖いに対する感謝を表わす大切な方法の一つは,贖いに対する信仰に基づいてエホバに献身し,バプテスマを受けることです。バプテスマを受けることにより,自分が「エホバのもの」であることを示せます。(ロマ 14:8)また,神に対して正しい良心を願い求めていることにもなります。(ペテ一 3:21)エホバは,キリストの犠牲の血に基づいてわたしたちの罪を清めることにより,その願いにこたえてくださいます。ご自分の約束したすべてのものを必ず与えてくださるのです。―ロマ 8:32。
贖いに対する感謝をどのように表わせますか(13,14節を参照)
14. 隣人を愛するべきなのはなぜですか。
14 ほかにもどんな方法で,贖いに対する感謝を表わせるでしょうか。エホバの行なわれることはすべて愛を動機としているので,神はご自分の崇拝者全員が愛を豊かに示すことを望んでおられます。(ヨハ一 4:8-11)わたしたちは隣人を愛することにより,「天におられる……父の子」になりたいという願いを表わせます。(マタ 5:43-48)隣人を愛するというおきては,エホバを愛するというおきてに次いで重要なものです。(マタ 22:37-40)隣人への愛を示す大切な方法の一つは,神の王国の良いたよりを宣べ伝えるようにという命令に従うことです。他の人に愛を示すなら,神の栄光を反映することができます。他の人,とりわけ兄弟姉妹を愛するというおきてに従うことによって,神への愛が「わたしたちのうちに全うされる」のです。―ヨハ一 4:12,20。
贖いはエホバからの「さわやかにする時期」をもたらす
15. (イ)わたしたちは今,エホバからどんな祝福を受けていますか。(ロ)これからどんな祝福を受けることができますか。
15 贖いに信仰を働かせるなら,罪を完全に許される道が開かれます。聖書は,罪を「塗り消していただく」ことができると保証しています。(使徒 3:19-21を読む。)すでに考えたとおり,エホバは贖いに基づき,霊によって油そそがれた僕たちを養子にされます。(ロマ 8:15-17)「ほかの羊」についてはどうですか。エホバはいわば,各人の名前の記された養子縁組の証明書を作成してくださいました。その人が完全になり,最終的な試みを通過する時,証明書に喜んで署名し,地上の子どもとして養子にしてくださるのです。(ロマ 8:20,21。啓 20:7-9)エホバはご自分の大切な子どもたちを永遠に愛されます。贖いの益も永久に続きます。(ヘブ 9:12)この贈り物の価値が失われることは決してありません。だれも,またどんな力も,この贈り物をわたしたちから奪い去ることはできないのです。
16. 贖いはどのように真の自由をもたらしますか。
16 悪魔は,誠実に悔い改める人すべてがエホバの家族に加わるのを決して妨げることはできません。イエスは地上に来て,「ただ一度かぎり」死なれました。贖いが再び支払われる必要はないのです。(ヘブ 9:24-26)贖いは,わたしたちがアダムから受け継いだ有罪宣告を完全に取り消します。キリストの犠牲のおかげで,わたしたちはサタンの支配する世から自由にされ,死を恐れる必要はもはやないのです。―ヘブ 2:14,15。
17. あなたはエホバの愛についてどう感じますか。
17 神の約束は全く信頼できます。神がお定めになった自然界の法則が変わらないように,エホバも変わることはありません。必ず信頼にこたえてくださるのです。(マラ 3:6)エホバは命という贈り物を与えてくださっただけではなく,豊かな愛を示しておられます。聖書もこう述べています。「わたしたち自身,神がわたしたちの場合に抱いておられる愛を知るようになり,それを信じたのです。神は愛で[す]」。(ヨハ一 4:16)将来,地球全体は喜びに満ちた楽園となり,地球に住むすべての人は神に倣った愛を示します。そのとき彼らは,天の忠実な僕たちと声を合わせて次のように言うでしょう。「祝福と栄光と知恵と感謝と誉れと力と強さが,わたしたちの神に限りなく永久にありますように。アーメン」。―啓 7:12。
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