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真理の正確な知識において成長するエホバの証人 ― 神の王国をふれ告げる人々
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翌年,「聖書は,ひとりの神に三つの位格があることを教えていないとあなたは主張するのか」という質問に対し,次のような答えが与えられました。「そのとおりである。聖書はむしろ反対に,ひとりの神,主イエス・キリストの父,万物を所有する方(あるいは,万物を創造した方)がおられることをはっきり示している。それで我々は,ひとりの神また父を,そしてひとりの主イエス・キリストを信じる。……しかし,これらはふたりの存在であって,ひとりではない。両者が一つであるというのは,一致しているという意味にすぎない。我々はまた,神の霊を信じる。……しかしこれは,悪鬼どもの霊,世の霊,反キリストの霊などと同様,人格的存在ではない」―「シオンのものみの塔」誌(英文),1882年6月号。ヨハネ 17:20-22。
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真理の正確な知識において成長するエホバの証人 ― 神の王国をふれ告げる人々
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三位一体を暴露する
C・T・ラッセルとその仲間たちはエホバの証人として,神を誤り伝える教えを暴露し,それが聖書に基づいていないことを悟るよう,真理を愛する人々を助ける責任を強く感じていました。三位一体が非聖書的であることを理解したのは彼らが最初ではありませんが,c もし神の忠実な僕でありたいと思うなら,その点に関する真理を伝える責任を果たさなければならないことを彼らは確かに理解していました。彼らは勇敢にも,真理を愛する人々すべてのために,キリスト教世界のその中心的な教理には異教の起源があることを暴きました。
「ものみの塔」誌(英文),1882年6月号はこう述べています。「その新興宗教[西暦4世紀にローマの皇帝たちに支持された背教的なキリスト教]の仲間に加わるのが得策であることに気づいた多くの異教哲学者たちは,そのための安易な道を整えることに着手し,キリスト教と異教の類似点を見つけて両者を融合しようとした。彼らは残念ながら見事な成功を収めた。……古い神学には,数多くのおもな神々に加え,男女の半神半人も少なからず含まれていたので,(新語を造らせてもらえば)異教クリスチャンたちは新しい神学のための一覧表を再構築しようとした。したがってその時に,父なる神,子なる神,聖霊なる神という三つの神の教理が生み出された」。
僧職者たちの中には,ヨハネ第一 5章7節のような聖句を引き合いに出すことによって,自分たちの教えに聖書的な雰囲気を持たせようとした人もいました。しかし,学者の間では,その句の一部は聖書にない教えを裏づけるために写字生によって付け加えられた書き入れ語句,つまり偽の挿入句であることがよく知られていたため,ラッセル兄弟は証拠を挙げてその点を示しました。また,三位一体の擁護者の中には,ヨハネ 1章1節を持ち出す人々もいましたが,「ものみの塔」誌は内容と文脈の両面からその聖句を分析し,それは決して三位一体の信条を裏づけるものではないことを示しました。この点と調和して,「ものみの塔」誌(英文),1883年7月号はこう述べています。「教会の聖歌集よりも聖書をよく調べれば,この点はだれの目にも明らかになっていたはずである。三位一体の教理は全く聖書に反している」。
ラッセル兄弟は,聖書を信じていると唱えながら,同時に,聖書が述べている事柄に反する三位一体のような教理を教えることの愚かさをはっきり暴露しました。例えば,彼はこのように書いています。「イエスとみ父はひとりの神であると言う人々は,矛盾と混乱の甚だしい無秩序の中に捕らわれている。もし,イエスとみ父がひとりの神であるのなら,我らの主イエスは地上にいた時に偽善者のように振る舞い,自分自身が神であるのに,祈りによって神に話している振りをしていたにすぎないということになってしまう。……さらに,み父は常に不滅であられるため,死ぬことはあり得ない。では,イエスが死に得たのはどうしてか。イエスが死ななかったのであれば,イエスの死と復活を宣明した使徒たちはすべて偽りの証人となる」。d
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真理の正確な知識において成長するエホバの証人 ― 神の王国をふれ告げる人々
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[126ページの囲み記事]
『我々はキリストご自身を否定するようなことをするだろうか』
C・T・ラッセルは三位一体の教理が非聖書的であり,不合理であることを暴露した後,義憤を表わしてこのように尋ねました。「そのようにして我々は,腐敗し背教した教会により,暗黒の迷信的な過去から伝えられてきた教義を固守するため,使徒たちや預言者たちやイエスご自身を否定し,理性と常識を無視するようなことをするだろうか。断じてそのようなことはしない。『律法と証に戻れ! もし彼らがみ言葉にしたがって語らないなら,それは彼らのうちに光がないからである』」―「ものみの塔」誌(英文),1915年8月15日号。
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