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ロシア2008 エホバの証人の年鑑
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ニコライ・グツリャクはある出来事についてこう話します。「私たちは度々,収容所の売店で食料品を買いました。私は自分が買いに行く番になると,毎回聖書について何か少し話すようにしました。食べ物を渡してくれた女性はいつもよく耳を傾け,ある時,何か読んでくれるようにと私に頼みました。その三日後,私は一人の将校に門のところへ呼ばれ,もう一人の証人と一緒に収容所の司令官の家の窓にガラスを取り付けるよう言われました。
「私ともう一人の兄弟は,兵士たちに付き添われて町へと出かけました。家に着くと,ドアを開けたのは売店で働いている女性でした。なんと収容所の司令官の奥さんだったのです。一人の兵士が家の中に立ち,二人は外に出て,通りに面する窓の横に立ちました。奥さんはお茶を振る舞ってくださり,聖書についてもっと教えてほしいと言いました。その日,私たちは窓にガラスを取り付けながら,詳しい証言を行ないました。会話が終わると奥さんは,『わたしを怖がらなくてもいいのよ。わたしの親はあなたたちのように神を信じていたの』と言いました。エホバの証人をひどく嫌っていた夫の知らないところで,こっそり私たちの文書を読んでいたのです」。
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ロシア2008 エホバの証人の年鑑
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[194ページの図版]
ニコライ・グツリャクは,収容所の司令官の妻に非公式の証言をした
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