-
言葉による虐待にどう対処したらよいだろうか目ざめよ! 1989 | 6月8日
-
-
自尊心を取り戻す
とはいえ,口汚くののしられると自信をなくしてしまうことがあります。アン(冒頭で触れた)は,「自分が愚かな,だめな人間で,厄介者だと思うようになることもあります」と正直に述べています。どうすればそうした消極的な感情を打ち払うことができるでしょうか。
難しい家庭環境の中で忍耐しながら,感情面で全く健全であることを示している若者も少なくありません。そういう若者には「大抵,これまでの人生で自分を見守っていてくれる人が少なくとも一人はいる」ことが幾つかの調査によって明らかになっています。精神科医でソーシャルワーカーのジャネット・ドローブスは,「若者は,積極的な人や,自分を評価してくれる人と時を過ごす必要がある」と説明しています。恐らく,あなたは少なくとも片親とは良い関係を保っておられ,その親に近づくことができるでしょう。またクリスチャン会衆には,他の人を気遣う人々が大勢おり,彼らはあなたを本当に助け支えることができます。―箴言 13:20。
楽器の演奏を学んだり,外国語をマスターしたりするといった創造的な趣味を持つのも自尊心を培うのに役立ちます。また,神の言葉を学ぶよう他の人を助けるのは,特に満足をもたらす活動です。神が自分の努力を祝福してくださるのを見るなら,なおさらです。(コリント第一 3:6-9と比較してください。)「エホバの愛のおかげで携わることのできた[全時間]宣教を通して,私は自分が父親から言われているほど愚かな人間ではないことが分かりました」と,アンは述べています。
幸いにも,最悪の状態はいつまでも続くわけではありません。また,親の行ないゆえに,あなた自身も必ず良くない親になるというわけでもありません。あなたがどんな親になるかに関して,神の言葉には,親のどんな悪い手本よりもはるかに大きな影響力があります。同時に,忍耐できるようエホバ神に助けを求めてください。ののしられても礼儀正しく振る舞おうとするなら,エホバの心を歓ばせることになります。―箴言 27:11。
分別をもって問題に対処するなら,親は心を動かされ,態度を和らげないとも限りません。冒頭で触れたマルリーンという少女は,以前は心を乱していましたが,次のように述べています。「これまでの私は,母が大声を上げると,口答えをしていました。でも今では,神の言葉が述べている事柄を実行するようにしています。神の言葉には力があります。母の態度が変わり始めました。聖書を適用することによって,母をもっと理解できるようになりました。私たちの関係は改善されました」。あなたも自分のほうから率先するなら,関係を改善することができます。
-
-
言葉による虐待にどう対処したらよいだろうか目ざめよ! 1989 | 6月8日
-
-
[13ページの図版]
楽器の演奏を学ぶといった創造的な趣味を持つなら自尊心を培うのに役立つ
-