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伝統は真理と対立しなければならないかものみの塔 1995 | 12月1日
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伝統は真理と対立しなければならないか
マルティン・ルターは,自分は正しいと信じていました。聖書に裏づけがあると思っていたのです。一方,ポーランドの天文学者コペルニクスは,当時のその伝統的な考えは間違っていると思っていました。
それはどんな考えだったのでしょうか。地球は宇宙の中心にあり,すべての天体は地球の周りを回っているという考えです。ところがコペルニクスは,本当は地球が太陽の周りを回っているのだと言いました。ルターはその考えを否定して,「回っているのは地球であって,天空や大空でも,太陽や月でもないということを示すことに躍起になった,この出しゃばりの占星術者に人々は耳を貸すのだ」と述べました。―「西洋哲学史」。
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伝統は真理と対立しなければならないかものみの塔 1995 | 12月1日
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しかし伝統は言うまでもなく,真実であることもあれば偽りであることもあり,有益であることもあれば有害である場合もあります。例えば,英国の哲学者バートランド・ラッセルは,16世紀のコペルニクスのように伝統的な信念を疑問視するだけの正直さと勇気を持っていた人々をたたえています。そのような人々は,「昔から人々が正しいと信じてきた事柄も間違っている場合があるという認識」を持つようになりました。
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伝統が真理と対立する場合ものみの塔 1995 | 12月1日
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自分が受け継いだ宗教上の信条は聖書に基づいていると思っていても,わたしたちは皆,時間を割いてそれらの信条を注意深く調べなければなりません。マルティン・ルターが当時の伝統的な考えを固守してコペルニクスを非難した時,ルターは聖書に裏づけがあると考えていたことを思い出してください。それでもルターは,『それがそのとおりかどうかとおおらかな気持ちで聖書を注意深く調べた』古代ベレアの人々の立派な手本に倣うことはしませんでした。―使徒 17:10,11。
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