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聖書の20番目の書 ― 箴言『聖書全体は神の霊感を受けたもので,有益です』
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語り手: ソロモン,アグル,レムエル
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聖書の20番目の書 ― 箴言『聖書全体は神の霊感を受けたもので,有益です』
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1 箴言の書にはどんな知恵が見いだされますか。
ダビデの子ソロモンは,西暦前1037年にイスラエルの王となった時,『この大いなる民を裁く』ための「知恵と知識」をエホバに祈り求めました。その祈りにこたえて,エホバは『知識と知恵と理解のある心』を彼にお与えになりました。(歴代第二 1:10-12。列王第一 3:12; 4:30,31)その結果,ソロモンは『三千の格言を語り』ました。(列王第一 4:32)このようにして語られた知恵の言葉のあるものが,聖書の箴言の書に記録されたのです。彼の知恵は,実際には「神が彼の心に授けられた」ものですから,わたしたちは箴言を研究することにより,実際にはエホバ神の知恵を研究していることになります。(列王第一 10:23,24)
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聖書の20番目の書 ― 箴言『聖書全体は神の霊感を受けたもので,有益です』
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3 箴言はどのように編さんされましたか。
3 記録によると,ソロモンは箴言を書いたのではありません。彼は箴言を『語った』,そしてさらに,「徹底的に調べたのである。それは多くの箴言をまとめるためであった」と記されています。これから明らかなように,ソロモンは箴言を後世に伝えてそれを役立たせることに関心があったようです。(列王第一 4:32。伝道の書 12:9)ダビデとソロモンの時代には,廷臣の名簿に公式の書記官の名が記載されていました。(サムエル第二 20:25。列王第二 12:10)ソロモンの宮廷に仕えたそれらの書記が彼の箴言を記録し,収集したかどうかは分かりませんが,ソロモンのような能力を備えた支配者の言葉であれば当然重視されたでしょうし,それを記録することも自然なことだったと考えられます。この書は,集録された他の書から編さんされたものであるという点で一般に意見が一致しています。
4 (イ)箴言の書は一般的にどのように分けられていますか。(ロ)箴言の大部分はだれから出たものですか。
4 箴言の書は次の五つの部分に分けることができるかもしれません。(1)「ダビデの子,ソロモンの箴言」という表現で始まる1-9章。(2)「ソロモンの箴言」として示されている10-24章。(3)「これらもまた,ユダの王ヒゼキヤの者たちが書き写したソロモンの箴言である」という説明で始まる25-29章。(4)「ヤケの子アグルの言葉」として紹介される30章。(5)「王レムエルの言葉。その母が矯正のため彼に与えた重みのある音信」からなる31章。このように,箴言の大部分はソロモンによるものです。アグルとレムエルがだれかについて,はっきりしたことは何も分かっていません。レムエルはソロモンの別名であったのではないかと考える注釈者もいます。
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