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美しいとはいえ危険な竜の山目ざめよ! 1988 | 9月8日
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野生動物の多様性は印象的です。それらの動物すべてを目にすることはないでしょうが,特徴ある鳴き声によく注意していれば,数多くの動物の声が聞こえるでしょう。セグロジャッカルの不気味な遠ぼえや,ヒヒのほえる声に驚かされるかもしれません。また慣れれば,数々の鳥の声を聞き分けることができます。あなたには見えないかもしれませんが,幾百もの目があなたを見ているのです。
そこには何種類ものレイヨウが住んでいます。その中には,通常は夜間に活動する小型のグレーダイカーや,それよりも大きなブッシュバック,それにレイヨウの中では最大のオオイランドが含まれています。赤味がかった体に白い斑点がある美しいオリビにはめったにお目にかかれませんが,ジャイアントキャッスル自然保護区に行けば見ることができます。傾斜地に目をやると,草が動いているように見えることがありますが,よく見ると,レイヨウが上手にカムフラージュして草を食んでいるのだということが分かります。
見逃してならないのは空高く飛ぶ巨大なヒゲワシです。その食習慣はハゲタカと同じですが,飛んでいる時の姿はワシに似ています。灰色がかった白い胸,だいだい色ののどと首,そして白い頭は,翼と尾の黒い羽とよい対照をなしています。くちばしの周囲の“ひげ”を構成しているのは黒い剛毛の房で,目の周りの黒い羽毛の仮面が外観の恐ろしさを増し加えています。しかしヒゲワシは,主に腐肉を食べて生きている臆病な鳥なのです。
ヒゲワシには,岩にぶつけて砕くために,非常に高い所から骨を落とす習性があります。それから急降下して,骨髄を舌ですくって食べるのです。b この地域にはクロワシやケープハゲタカも住んでいますが,王者は,翼を広げた長さが3㍍近くにもなるヒゲワシです。残念なことに,ヒゲワシは絶滅寸前の種で,非常にわずかしか残っていません。ジャイアントキャッスル自然保護区には監視用の隠れ場があるので,そこでヒゲワシを観察できるかもしれません。
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美しいとはいえ危険な竜の山目ざめよ! 1988 | 9月8日
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左: オオイランド
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