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バアルの影に覆われた古代都市ウガリットものみの塔 2003 | 7月15日
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この都と周囲の平野を見下ろすように,バアルの神殿とダガンの神殿がそびえていました。b それらの神殿塔は高さ20㍍ほどであったと考えられ,小さな玄関から入っていった奥の間に,それぞれの神の像が祭られていました。階段を上るとテラスがあり,そこで王が様々な儀式を執り行ないました。夜間やあらしの時には,船が安全に入港するための目印として,神殿の最上部にかがり火がともされたのかもしれません。石の錨17個がバアル・ハダドの聖所で発見されています。あらしの神バアル・ハダドのおかげで無事に帰れたと考えた船乗りたちが奉納したのでしょう。
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バアルの影に覆われた古代都市ウガリットものみの塔 2003 | 7月15日
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b 諸説がありますが,ダガンの神殿をエルの神殿と同一視する専門家もいます。フランスの学者で,エルサレム聖書学校の教授であるローラン・デ・ボーは,ダガン ― 裁き人 16章23節およびサムエル第一 5章1-5節のダゴン ― はエルの固有名ではないかと見ています。「宗教百科事典」(英語)は,「ダガンは何らかの形で[エル]と同一視あるいは同化されていた」ようであると述べています。ラス・シャムラ文書の中で,バアルはダガンの子と呼ばれていますが,この「子」という言葉の意味は定かではありません。
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