最後の試練

21，22. （ア）千年統治の終わりに世界はどうなっていますか。（イ）エホバがサタンと邪悪な天使たちを解き放つのはなぜですか。

²¹ エホバは次に驚くべきことを行い，ご自分の統治下にいる地上の人たちをとても信頼していることを示します。底知れぬ深みに1000年間閉じ込めておいたサタンと邪悪な天使たちを解放するのです。（啓示 20:1-3を読む。）彼らは自分たちが知っていた世の中とは全く違う世界を目の当たりにするでしょう。ハルマゲドンの前は，人間の大半がサタンに惑わされており，憎しみや偏見によって人類の一致は損なわれていました。（啓 12:9）しかし，千年統治の終わりには，全ての人間が愛にあふれる1つの家族としてエホバを崇拝しています。地球全体が一致した平和なパラダイスになっているのです。

²² エホバはなぜ，悪に染まったサタンや邪悪な天使たちを清い環境に解き放つのでしょうか。なぜなら，千年統治の終わりに生きている人たちの大半は，エホバを揺るぎなく崇拝し続けるかどうかを一度も試されたことがないからです。ほとんどの人が，かつてエホバを知らずに死に，パラダイスに復活させられました。エホバから命だけでなく，健康に暮らして神との良い関係を楽しむために必要なあらゆるものを与えられました。周りから受けるのは良い影響ばかりで，圧力や誘惑を経験したことがありません。エホバを愛し，エホバに仕える人たちに囲まれてきたからです。サタンは，復活したそれらの人たちに，ヨブについて述べたのと同じ非難を浴びせることができます。彼らが神に仕えているのは，神に守られて祝福されているからにすぎない，という非難です。（ヨブ 1:9，10）ですからエホバは，命の書に私たちの名前を恒久的に記す前に，父であり主権者であるご自分から決して離れないことを疑問の余地なく証明する機会を私たちに与えます。（啓 20:12，15）

23. 全ての人はどんな選択を迫られますか。

²³ サタンは短い間，人々を誘惑して神から引き離すことを許されます。それはどんな試練となりますか。全ての人は，アダムとエバと同様の選択を迫られることになるでしょう。エホバの基準を受け入れて，エホバの統治を支持し，エホバを崇拝するか，エホバに反逆してサタンを支持するかのどちらかを選ばなければなりません。

24. 反逆する人たちが「ゴグとマゴグ」と呼ばれているのはなぜですか。

²⁴ 啓示 20:7-10を読む。意味深いことに，千年統治の終わりに反逆する人たちは「ゴグとマゴグ」と呼ばれています。その人たちは，エゼキエルの預言の中で大患難の際に神の民を攻撃することになっている反逆者たち，つまり「マゴグの地のゴグ」と似ています。「マゴグの地のゴグ」は，エホバの統治に反対する複数の国民で構成されています。（エゼ 38:2）同じように，キリストの千年統治の終わりに反逆する人たちも，複数の「国民」であることが示されています。（啓 20:8，脚注）これは興味深いことです。なぜなら，千年統治の間に国家間の境界は全て取り除かれ，全ての人が神の王国の統治下に置かれるからです。神の民は比喩的な意味で1つの国民となります。預言の中で反逆者たちが「ゴグとマゴグ」と呼ばれ，複数の「国民」であるとされていることから，サタンが神の民の一部をうまく分裂させることが分かります。サタンの側に付くよう強制される人はいません。完全な人間一人一人が，どうするかを自分で選ぶのです。

25，26. どれほどの数の人がサタンの側に付きますか。その人たちはどうなりますか。

²⁵ どれほどの数の人がサタンの側に付くのでしょうか。反逆者たちの数は「海の砂のよう」だとされています。この表現は必ずしも，非常に多くの人たちが反逆することを意味しているわけではありません。なぜそう言えるのでしょうか。アブラハムに対して述べられた約束を考えてみましょう。エホバはアブラハムの子孫が「海辺の砂」のようになると言いました。（創 22:17，18）しかし，ここで言われている子孫の数は14万4001人であることが分かりました。（ガラ 3:16，29）それなりに大きな数ではありますが，全人類の数と比べるとほんのわずかです。同じように，それなりの数の人たちがサタンの側に付くかもしれませんが，膨大な数にはならないでしょう。反逆者たちがエホバに忠実に仕える人たちに大きな脅威を与えることはありません。

²⁶ 反逆者たちはすぐに一掃されます。サタンや邪悪な天使たちと共に滅ぼされ，生き返る見込みはありません。彼らの愚かな決定とその結果だけが，いつまでも人々の記憶に残ることになります。（啓 20:10）

27-29. 最後の試練を乗り越えた人たちにはどんな将来が待ち受けていますか。（「最後の試練に遭う」という囲みを参照。）

²⁷ 一方，最後の試練を乗り越えた人たちは，名前を「命の書」に恒久的に記されることになります。（啓 20:15）そして，エホバを揺るぎなく支持する人たち全員が，一つに結ばれた家族として，崇拝を受けるのにふさわしい唯一の方であるエホバを崇拝します。

²⁸ そうした将来を思い浮かべてみてください。やりがいのある仕事を行い，良い友達をたくさん作って，素晴らしい人生を送れます。あなたや家族が苦しむことは二度とありません。罪が全くない状態で，誰にも助けてもらわずにエホバの前に立つことができます。皆が神との無制限の友情を楽しめます。最も重要なこととして，天でも地上でも清い崇拝が申し分なく行われるようになります。清い崇拝はついに完全に回復されるのです。

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  人間は元通り完全になる。（コリ一 15:26）

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  イエスは王国をエホバに渡す。（コリ一 15:24）

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  サタンが底知れぬ深みから解き放たれる。反逆者たちがサタンによる最後の攻撃に加わる。（啓 20:3，7，8）

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  全ての反逆者は滅ぼされる。（啓 20:9，10，15）

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  人々は平和と一致のうちに永遠の命を楽しむ。（ロマ 8:19-21）