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アインシュタインの飛躍の年目ざめよ! 2005 | 9月8日
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時間は相対的なもの
アイザック・ニュートンをはじめとする科学者たちの理論の基礎には,宇宙のどこへ行っても時間の進み具合は一定であるという考えがありました。しかし,1905年6月に発表されたアインシュタインの特殊相対性理論はそれと対立するものでした。アインシュタインの理論は現在では広く受け入れられていますが,その内容は考えれば考えるほど不思議なものです。
例えば,あなたと友人がそれぞれの腕時計を正確に合わせたとしましょう。友人が飛行機で世界を一周する間,あなたは家にとどまります。戻ってきた友人の時計を見ると,ほんのわずかですが,あなたの時計より遅れています。あなたには,旅をした友人の時間の進み方が遅かったように見えます。もちろん,人間にとっての日常的なスピードで移動した場合,この時間の差はごくごくわずかです。しかし,光の速さに近いスピードになると,時間の流れが大幅に遅くなるだけでなく,物体は縮み,質量は増大します。アインシュタインの理論では,宇宙全域で一定なのは時間ではなく,光の速さです。
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アインシュタインの飛躍の年目ざめよ! 2005 | 9月8日
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[21ページの図版]
スピードが上がるほど,時間の進み方は遅くなる
[21ページの図版]
GPS(全地球測位システム)衛星に搭載された時計と地上の時計は進み具合が違う。相対性原理によって生じるこのずれを修正しないなら,GPS衛星からの信号は役に立たない
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