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おもちゃ ― 昔も今も目ざめよ! 2005 | 8月8日
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良いおもちゃを選ぶ
「今のおもちゃを見れば,社会がいかに暴力的で無法な状態になっているかがよく分かる」と,ロンドンのデーリー・テレグラフ紙は述べています。それはすべてのおもちゃに当てはまるわけではありませんが,一般的な傾向としては,メキシコの新聞「ラ・ホルナダ」の記事が述べるとおり,昔ながらのおもちゃは少なくなり,「恐ろしい形相をした……奇怪でいかつい人形<フィギュア>」が目に付くようになっています。その記事は,ソチミルコ自治大学の講師で研究者のパトリシア・アーリックの言葉を引用しています。それによると,市販されているおもちゃの多くは,暴力,攻撃性,権力,屈服させること,恐れを抱かせることなどをよしとする,支配の精神を助長しているということです。
全米学校心理士協会も,暴力を助長するおもちゃで遊んでいると,「子どもは,学習や発育の面でマイナスの影響を受け,害を被りかねない」ということを確証しています。研究によると,暴力的なビデオやコンピューターゲームは攻撃的な行動を引き起こし,非行の一因になることもあるようです。ですから,保護者は,よく考えて子どもにふさわしいおもちゃを選ばなければなりません。―26ページの囲みをご覧ください。
おもちゃは,現代の科学技術の進歩のおかげで,今や種類も大幅に増え,ハイテク玩具も出回っています。しかし,そのようなおもちゃは高すぎて買ってやれないか,買えても子どもがすぐに飽きてしまうかもしれません。また,子どもの益にはならない場合もあります。オーストラリアの,女手一つで5人の子どもを育てているリアンは,こう述べています。「年上の息子たちは広告に影響され,高価なコンピューターゲームを買ってほしいと言うことがよくあります。でも裏庭で,安いバットやゴムボールを使って元気よく遊んでいる時間のほうが長いようです。簡単なおもちゃのほうが長持ちし,想像力を働かせて遊べるように思います」。
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おもちゃ ― 昔も今も目ざめよ! 2005 | 8月8日
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[26ページの囲み記事/図版]
良いおもちゃとは……
● 子どもの年齢,能力,身体機能に適した安全なもの
● 造りがしっかりしていて丈夫なもの(子どもは物をばらばらにするのが好き)
● 子どもがすぐに飽きてしまわないような,魅力的で面白いもの
● 子どもの想像力と独創力を刺激するもの
● 手ごろな値段のもの
● 毒性のないもの
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