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「土地を相続地として割り当てる」エホバの清い崇拝 ついに回復される!
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第20章
「土地を相続地として割り当てる」
ポイント: 土地が分けられることの意味
1,2. (ア)エゼキエルはエホバからのどんな指示を聞きましたか。(イ)これからどんな点を考えますか。
エゼキエルは今見たばかりの幻により,900年近く前のモーセやヨシュアの時代を思い起こしたことでしょう。当時,エホバは約束の地の境界についてモーセに伝え,後にヨシュアにその土地をどのようにイスラエルの各部族に割り当てるべきかを告げました。(民 34:1-15。ヨシュ 13:7; 22:4,9)そして,紀元前593年の今,エホバは捕囚にされていたエゼキエルと他のユダヤ人たちに,約束の地を再びイスラエルの各部族に割り当てるよう指示します。(エゼ 45:1; 47:14; 48:29)
2 この幻は,エゼキエルと仲間のユダヤ人たちにどんなメッセージを伝えていたのでしょうか。現代の神の民にとっても励みになると言えるのはなぜですか。将来にもっと大規模に実現するのでしょうか。
4つの保証を与えている幻
3,4. (ア)捕囚にされていたユダヤ人たちは,エゼキエルが最後に見た幻からどんな4つの保証を得られましたか。(イ)この章では,どの保証に注目しますか。
3 エゼキエルが見た最後の幻は,エゼキエル書の9つの章にわたって記録されています。(エゼ 40:1–48:35)その幻から,捕囚にされていたユダヤ人たちは,復興するイスラエルに関して4つの心強い保証を得られました。どんな保証でしょうか。(1)神殿での清い崇拝が回復されます。(2)正しい心を持つ祭司や牧者たちが,故国に戻った民を導きます。(3)イスラエルに帰還した人全てに相続地が与えられます。(4)エホバが再び民の中に住み,彼らと共にいるようになります。
4 この本の第13章と第14章では,最初の2つの点がどのように実現するかを取り上げました。正しい崇拝が回復されることと,正しい心を持つ牧者たちが民を指導するようになることです。この章では,3つ目の保証,つまり相続地に関する約束に注目します。次の章では,エホバが共にいるという約束について考えます。(エゼ 47:13-21; 48:1-7,23-29)
「この土地は……あなたたちに相続地として割り当てられている」
5,6. (ア)エゼキエルが見た幻の中で,割り当てられることになっていた領地とは何でしたか。(冒頭の挿絵を参照。)(イ)土地を割り当てることに関する幻にはどんな目的がありましたか。
5 エゼキエル 47:14を読む。幻の中でエホバは,やがて「エデンの園」のようになる土地にエゼキエルの注意を向けます。(エゼ 36:35)それから,「これはあなたたちがイスラエルの12部族に相続地として割り当てる領地であ[る]」と言います。(エゼ 47:13)その「領地」とは,捕囚にされているユダヤ人が帰還するイスラエルの土地のことです。次に,エゼキエル 47章15-21節に記されているように,エホバは土地全体の東西南北の境界を詳しく説明します。
6 土地を割り当てることに関するこの幻には,どんな目的があったのでしょうか。土地が厳密に区分されるという説明は,エゼキエルと仲間のユダヤ人に,愛する故国が確実に復興するという保証を与えました。エホバの具体的な詳しい説明により,捕囚にされていた人たちは安心感を覚え,気持ちが高揚したに違いありません。では,当時の神の民は,相続地として割り当てられていた土地を実際に与えられましたか。確かに与えられました。
7. (ア)紀元前537年以降,どんなことが起きましたか。それは何を思い起こさせますか。(イ)まずどんな点を考えますか。
7 エゼキエルがこの幻を見てから約56年後の,紀元前537年以降,捕囚にされていた何万人もの人たちがイスラエルに帰還し,土地を手に入れました。ずっと昔に起きたその驚くべき出来事は,現代において神の民の間で生じている似たような事柄を思い起こさせます。現代の神の民も,ある意味で土地を割り当てられているのです。どういうことでしょうか。エホバは,ご自分に仕える人たちが比喩的な土地に入ってそこに住むようにしました。それで,古代の約束の地が回復されたことから,現代における神の民の比喩的な土地の回復について多くのことが学べます。しかし,そうした点を調べる前にまず,なぜ現代に比喩的な土地が存在すると言えるのかを考えましょう。
8. (ア)エホバは生来のイスラエル国民の代わりにどんな国民を存在させましたか。(イ)比喩的な土地もしくはパラダイスとは何ですか。(ウ)それはいつ存在するようになり,誰がそこに住んでいますか。
8 エホバは,以前にエゼキエルに見せた幻の中で,イスラエルの復興に関する預言は「私に仕えるダビデ」つまりイエス・キリストが王として治め始めた後にもっと大規模に実現する,ということを示しました。(エゼ 37:24)イエスが王となったのは西暦1914年です。そのかなり前に,聖なる力によって選ばれたクリスチャンたちが比喩的なイスラエル国民を形成し,生来のイスラエル国民に代わって神の民となっていました。(マタイ 21:43とペテロ第一 2:9を読む。)エホバは,生来のイスラエル国民の代わりに比喩的な国民を存在させただけでなく,文字通りのイスラエルの土地の代わりに比喩的な土地もしくはパラダイスが存在するようにしました。(イザ 66:8)この本の第17章で考えたように,その比喩的な土地とは,安全で神から恵まれた環境もしくは状態のことです。天に行くクリスチャンのうち地上に残っている人たちは,1919年以来そのような環境でエホバを崇拝してきました。(囲み9B,「なぜ1919年か」を参照。)時の経過と共に,地上で生きる希望を持つ「ほかの羊」も,その比喩的な土地に住むようになりました。(ヨハ 10:16)比喩的パラダイスは今も発展と拡大を続けていますが,そのパラダイスに伴う祝福を最大限に味わえるようになるのはハルマゲドン後のことです。
土地を均等に分ける
9. 土地を割り当てることについて,エホバはどんな詳しい指示を与えましたか。
9 エゼキエル 48:1,28を読む。エホバは土地全体の東西南北の境界を定めた後,土地をどのように割り当てるかを詳しく説明しました。エホバの指示によれば,一番北のダンの部族の相続地から一番南のガドの部族の相続地まで,12部族に均等に分けられることになっていました。12の相続地はそれぞれ,土地全体の東の境界から,西の境界である大海つまり地中海までの,水平に区切られた地域でした。(エゼ 47:20)
10. 幻のこの部分から,捕囚にされていた人たちはどんなことが分かったと考えられますか。
10 幻のこの部分から,捕囚にされていた人たちはどんなことが分かったと考えられますか。ユダヤ人たちは,エゼキエルが記した詳しい説明から,土地の配分がきちんと計画的に行われるということを理解したに違いありません。さらに,土地が12部族全てに均等に分けられることから,帰還する人たち全てに相続地が与えられることを確信できたでしょう。故国に戻ったものの土地や住む所がないという人は,誰もいないのです。
11. 土地を割り当てることに関する預言的な幻からどんな励みが得られますか。(「土地を割り当てる」という囲みを参照。)
11 現代の私たちはこの幻からどんな励みを得られるでしょうか。回復された約束の地では,祭司やレビ族や長たちだけでなく,12部族の全ての人に場所が与えられました。(エゼ 45:4,5,7,8)同じように,現代の比喩的なパラダイスでも,天に行くクリスチャンのうち地上に残っている人たちや,「大群衆」のうち教え導く役割を果たしている人たちだけでなく,大群衆の全ての人に場所が与えられています。a(啓 7:9)エホバの組織の中での役割がどんなにささやかなものでも,私たちは皆,比喩的な土地に居場所があり,貴重な務めを委ねられているのです。そう考えると,幸せな気持ちになるのではないでしょうか。
神の組織の中でどんな役割を果たしているとしても,エホバは私たちが払う努力を高く評価してくださる。(11節を参照)
2つの大きな相違点から学べること
12,13. エホバは各部族に土地を割り当てることについてどんな具体的な指示を与えましたか。
12 土地を割り当てることについてのエホバの指示の一部は,エゼキエルを戸惑わせたかもしれません。かつてモーセに与えられた指示とは異なっていたからです。2つの相違点について考えましょう。1つは土地に関すること,もう1つは住民に関することです。
13 (1)土地。モーセは,大きい部族には小さい部族よりも多く土地を与えるよう指示されました。(民 26:52-54)しかし,エゼキエルが見た幻の中では,エホバは全ての部族が「平等に[「それぞれ兄弟と同じように」,脚注]土地を」得られるように具体的な指示を与えました。(エゼ 47:14)それで,12部族の相続地はどれも,北の境界と南の境界の間の距離が全く同じでした。どの部族の人であれ,全てのイスラエル人が,よく潤っている約束の地で自然の恵みを平等に受けることができたのです。
14. 外国人居住者に関するエホバの指示はモーセの律法の中で述べられていた事柄を超越していた,と言えるのはなぜですか。
14 (2)住民。モーセの律法の下では,外国人は守られ,エホバの崇拝に加わることができましたが,土地を与えられることはありませんでした。(レビ 19:33,34)しかし,エホバがエゼキエルに告げた内容は,律法の中で述べた事柄を超越していました。エホバはエゼキエルに,「外国人居住者には,その人が住むようになった部族の領地の中に相続地を与える」ようにと指示しました。その命令により,エホバは「生来のイスラエル人」と外国人居住者との間にあった大きな違いを除き去ったのです。(エゼ 47:22,23)エゼキエルが幻の中で見た,回復された土地では,住民は皆平等で,一致して崇拝を行っていました。(レビ 25:23)
15. 土地と住民に関するエホバの指示は,どんな事実を示していましたか。
15 エゼキエルが土地と住民に関して受けた,この2つの興味深い指示は,捕囚にされていたユダヤ人たちを安心させたに違いありません。皆がエホバから平等に土地を割り当てられる,ということを理解できたからです。生来のイスラエル人であれ,エホバを崇拝している外国人であれ,土地を得られるのです。(エズ 8:20。ネヘ 3:26; 7:6,25。イザ 56:3,8)これらの指示はさらに,永遠に色あせない,励みとなる事実を示していました。エホバはご自分に仕える人たち皆を等しく貴重なものと見ている,という事実です。(ハガイ 2:7を読む。)現代の私たちも,天に行く希望を持っていようと,地上で生きる希望を持っていようと,そのことをしっかりと心に留めています。
16,17. (ア)土地や住民に関する事柄を考えることは,どんな点で有益ですか。(イ)次の章ではどんなことを考えますか。
16 土地や住民に関するこうした事柄を考えることは,どんな点で有益でしょうか。現代の世界的なクリスチャン家族の中では平等と一致が際立っていなければならない,ということを思い起こさせられます。エホバは不公平な方ではありません。私たちは次の点を考えてみるべきです。「私はエホバの公平さに倣っているだろうか。どんな人種や境遇の兄弟姉妹にも心から敬意を示しているだろうか」。(ロマ 12:10)喜ばしいことに,エホバは私たち全員が平等に比喩的なパラダイスの恩恵を受けられるようにしてくださいました。そのパラダイスで私たちは,自分の全てを尽くして天の父への奉仕を行い,祝福を味わっています。(ガラ 3:26-29。啓 7:9)
エホバの公平さに倣い,他の人に心から敬意を示しているだろうか。(15,16節を参照)
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「都市は……『エホバがそこにいる』という名で呼ばれる」エホバの清い崇拝 ついに回復される!
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「都市は……『エホバがそこにいる』という名で呼ばれる」
ポイント: 都市と寄進物から学べること
1,2. (ア)約束の地の一部はどんな特別な目的のために取り分けられますか。(表紙と裏表紙の絵を参照。)(イ)幻のこの部分は,捕囚にされていたユダヤ人たちにどんな保証を与えるものでしたか。
エゼキエルは最後の幻の中で,約束の地の一部が特別な目的のために取り分けられることを知ります。その土地は,相続地としてイスラエルのいずれかの部族に与えられるのではなく,エホバへの寄進物となります。エゼキエルはさらに,興味をそそる名で呼ばれる特異な都市についても知ります。幻のこの部分は,捕囚にされていたユダヤ人たちに,愛する故国に帰還したらエホバが共にいてくださる,という極めて重要な保証を与えるものでした。
2 エゼキエルは幻の中で見た寄進物について詳しく説明しています。では,その記述について調べましょう。エホバを正しく崇拝する者として,多くのことを学べます。
「聖なる寄進物」と「都市」
3. エホバが取り分けた土地全体と各部分は,どんな5つの名称で呼ばれていますか。それぞれにはどういう目的がありましたか。(「あなたたちは寄進物を取り分けなければならない」という囲みを参照。)
3 取り分けられた土地の中に,東西南北の各辺が13㌔ある特別な区画がありました。その正方形の区画は「寄進物全体」と呼ばれています。その区画はさらに3つの横長の区域に分けられていました。上の区域はレビ族のためのもので,真ん中の区域は神殿と祭司たちのためのものでした。この2つの区域は合わせて「聖なる寄進物」と呼ばれています。下の区域つまり「残っている……区域」は他の2つより小さく,都市の「世俗の用途のためのもの」でした。(エゼ 48:15,20)
4. エホバへの寄進物についての記述から何を学べますか。
4 エホバへの寄進物についての記述から何を学べるでしょうか。エホバは,まずこの特別な寄進物となる土地を取り分け,次いで各部族に土地を配分することにより,約束の地の中で崇拝の中心地が最も重要であることを示しました。(エゼ 45:1)捕囚にされていたユダヤ人たちは,この優先順位から大切なことを学んだに違いありません。エホバへの崇拝を生活の中で第一にする必要があったのです。現代の私たちも,神の言葉を学ぶことや,クリスチャンの集会に出席すること,伝道を行うことなど,崇拝に関わる事柄を最も重要と考えています。エホバに倣って正しい優先順位を定め,エホバへの崇拝を中心とした生活を送ります。
「その中央に都市がある」
5,6. (ア)この都市は誰のものですか。(イ)この都市は何を表してはいませんか。そう言えるのはなぜですか。
5 エゼキエル 48:15を読む。「都市」とその周囲の土地にはどんな意味があったのでしょうか。(エゼ 48:16-18)エホバは幻の中でエゼキエルに,「都市の所有地……はイスラエル国民全体のものとなる」と言いました。(エゼ 45:6,7)ですから,都市とその周囲の土地は,「エホバのために取り分け」られる「聖なる寄進物」の一部ではありませんでした。(エゼ 48:9)その違いを念頭に置きつつ,この都市の取り決めから何を学べるか考えましょう。
6 都市から何を学べるかを考える上で,まずこの都市が何を表していないかをはっきりさせる必要があります。この都市は,再建されたエルサレムと神殿を表してはいません。なぜなら,エゼキエルが幻の中で見た都市には神殿がないからです。またこの都市は,回復されたイスラエルの土地の他の都市を表してもいません。なぜなら,帰還したユダヤ人たちもその子孫も,幻の中で描写されているような都市を建設してはいないからです。さらに,これは天にある都市を表してもいません。なぜなら,神聖な崇拝のために取り分けられた土地に建てられたものとは違い,この都市は「世俗の[または,神聖ではない]用途のための」土地に建設されていたからです。(エゼ 42:20)
7. エゼキエルが見たのはどういう都市だと言えますか。何を表しているようですか。(冒頭の挿絵を参照。)
7 では,エゼキエルが見た都市は何なのでしょうか。エゼキエルは,イスラエルの土地を見たのと同じ幻の中でこの都市を見ました。(エゼ 40:2; 45:1,6)神の言葉に示されているように,その土地は比喩的な土地なので,都市も比喩的な都市であるに違いありません。「都市」という言葉は,一般的にどんな概念を伝えるでしょうか。人々が共に暮らし,組織されている状態です。ですから,エゼキエルが見た,正方形の秩序立った都市は,よく組織された管理体制を表しているようです。
8. 管理はどれほどの範囲に及びますか。なぜそう言えますか。
8 その管理はどれほどの範囲に及ぶのでしょうか。エゼキエルが見た幻によれば,この都市は比喩的な土地の中で機能します。ですから,現代において,その管理は神の民の活動にのみ影響を及ぼします。都市が世俗の土地,もしくは神聖ではない土地にあることは,何を示しているのでしょうか。この都市が天ではなく地上の管理体制を表していることを思い起こさせます。その管理は,比喩的なパラダイスにいる人全てに恩恵をもたらします。
9. (ア)現代において誰が地上で管理を行っていますか。(イ)千年統治の際に,イエスは何を行いますか。
9 誰が地上で管理を行うのでしょうか。エゼキエルが見た幻の中で,統治機構である都市において指導的な役割を担っていたのは「長」でした。(エゼ 45:7)長は民の間で監督として働きましたが,祭司でもレビ族の人でもありませんでした。ですから現代では,会衆の監督で,天に行くよう選ばれてはいない人たちを主に指すと言えます。「ほかの羊」の一員であるその愛情深い牧者たちは,キリストの天の政府のために地上で謙遜に仕えています。(ヨハ 10:16)やがて始まる千年統治の際に,イエスは「全世界で」,「高官」つまり資格ある長老たちを選んで任命します。(詩 45:16)その長老たちは千年統治の間,天の王国の指導の下,神の民を世話します。
「エホバがそこにいる」
10. 都市の名は何ですか。それはどんなことを保証していますか。
10 エゼキエル 48:35を読む。都市の名は,「エホバがそこにいる」です。その名は,この都市でエホバの臨在が感じられることを保証しています。エホバは,回復された土地の中心部にある都市をエゼキエルに見せることにより,捕囚にされていたユダヤ人たちに対して,「私は再びあなたたちと共にいるようになる」と言っていたかのようです。何と励みになる保証でしょう。
11. エゼキエルが幻の中で見た都市やその意味深い名からどんなことを学べますか。
11 エゼキエルの預言のこの部分からどんなことを学べるでしょうか。この都市の名は,エホバが地上でご自分に忠実に仕える人たちと今共にいること,そして今後もずっと共にいてくださることを,私たちに確信させてくれます。また,その意味深い名は重要な事実を際立たせています。この都市が存在しているのは,人に権力を与えるためではなく,愛情深く分別のあるエホバの方法で管理が行われるようにするためである,という事実です。例えば,エホバはこの管理体制に,土地を分けるような権限を与えてはいません。単なる人間が良いと思う仕方でそれを行ってはならないのです。エホバご自身が,「立場が低い」人たちを含む民に比喩的な土地の中での場所や務めを与えており,管理を行う者たちにそれを尊重することを求めています。(格 19:17。エゼ 46:18; 48:29)
12. (ア)この都市には,注目に値するどんな特徴がありますか。それは何を示していますか。(イ)幻のこの面は,クリスチャンの監督たちにどんな重要なことを思い起こさせますか。
12 「エホバがそこにいる」という都市には,ほかにも注目に値する特徴があります。古代の都市の防壁に設けられる門の数は普通,できるだけ少なくされましたが,この都市には門が12もありました。(エゼ 48:30-34)そのように門がたくさん(正方形の都市の各辺に3つずつ)あったことは,都市で管理を行う者たちが近づきやすく,神に仕える人たち皆にすぐに応じることを示しています。さらに,12の門があったことは,都市が「イスラエル国民全体」つまり全ての人に対して開かれていることを強調しています。(エゼ 45:6)都市がとても入りやすいことは,クリスチャンの監督たちに重要なことを思い起こさせます。エホバは,監督たちが近づきやすく,比喩的なパラダイスにいる人全てにすぐに応じることを期待しているのです。
クリスチャンの監督たちは近づきやすく,すぐに応じてくれる。(12節を参照)
神の民は「崇拝のために……入」り,「都市で仕える」
13. エホバは人々が行うどんな奉仕について述べていますか。
13 エゼキエルの時代に戻り,土地を割り当てることに関するこの幻についてエゼキエルがさらにどんな情報を記しているか調べましょう。エホバは人々が行うさまざまな奉仕について述べています。「聖なる所の奉仕者」である祭司たちは,犠牲を捧げ,エホバに近づいて奉仕します。「神殿の奉仕者」であるレビ族は,「神殿での……奉仕やあらゆる仕事を行」います。(エゼ 44:14-16; 45:4,5)さらに,都市の周辺で働く人もいます。どんな人たちでしょうか。
14. 都市の周辺で働くという取り決めは,どんなことを思い起こさせてくれますか。
14 その人たちは「イスラエルの全部族」から来て,都市を支援する役割を果たします。「都市で仕える人たちの食物となる」作物を栽培するのです。(エゼ 48:18,19)この取り決めは,現代の私たちに与えられている機会について思い起こさせてくれます。いま比喩的なパラダイスにいる人全てには,天に行くよう選ばれた人たちや,「大群衆」のうち教え導く務めをエホバから与えられた人たちを支援する機会があります。(啓 7:9,10)支援する主な方法は,忠実な奴隷の指示に進んで協力することです。
15,16. (ア)エゼキエルが見た幻からさらにどんな情報を得られますか。(イ)私たちは同様のどんなことを行えますか。
15 エゼキエルが見た幻に含まれる情報から,私たちが行う奉仕についてさらに学べることがあります。エホバによれば,レビ族ではない12部族の人たちは2つの場所で務めを果たします。神殿の庭と,都市の牧草地です。それぞれの場所で何を行うのでしょうか。神殿の庭では,全ての部族の人たちが「崇拝のために……入」り,エホバに犠牲を捧げます。(エゼ 46:9,24)都市の牧草地では,全ての部族の人たちが土地を耕し,都市を支援します。このことから何を学べるでしょうか。
16 現代において,大群衆の人たちは,エゼキエルが見た幻の中で行われていたのと同様のことを行えます。「神殿で」エホバを崇拝し,賛美の犠牲を捧げます。(啓 7:9-15)伝道に参加することによって,またクリスチャンの集会に出席してコメントや歌で信仰を表すことによってそうします。そのようにエホバを崇拝することを,最も大切な責任と考えています。(代一 16:29)加えて,神の民のうち多くの人は,さまざまな方法で神の組織を支援しています。例えば王国会館や支部施設の建設や維持管理など,エホバの組織の多くのプロジェクトを手伝っています。寄付を行うことによってそれらのプロジェクトを支援する人もいます。そのようにして,「神の栄光のために」いわば土地を耕しているのです。(コリ一 10:31)エホバが「そのような犠牲をとても喜んでくださ」ることを知っているので,喜びにあふれて熱心に働きます。(ヘブ 13:16)あなたは自分を差し出すさまざまな機会を逃さないようにしていますか。
神殿や都市の周辺で行われていたことに関するエゼキエルの記述から何を学べるか。(14-16節を参照)
「私たちが……待ち望んでいる,新しい天と新しい地があります」
17. (ア)エゼキエルが見た幻は,将来もっと大規模に実現します。どのようにですか。(イ)千年統治の間,誰が都市のような管理体制の恩恵を受けますか。
17 エゼキエルが見た寄進物に関する幻は,将来もっと大規模に実現するのでしょうか。実現します。エゼキエルが見た通り,「聖なる寄進物」は約束の地の中心部にありました。(エゼ 48:10)ハルマゲドンの後も,私たちが地上のどこにいようと,エホバは共にいてくださいます。(啓 21:3)千年統治の間,地上で神の民を世話するために任命される人たちから成る,都市のような機構は,地球全域を管理するようになります。「新しい地」つまり新しい人間社会を構成する人たち全てに,愛情深く導きや指示を与えるのです。(ペテ二 3:13)
18. (ア)都市のような管理体制が神による統治と調和していると言えるのはなぜですか。(イ)都市の名は私たちにどんなことを確信させてくれますか。
18 都市のような管理体制は,神による統治と常に完全に調和しています。そう言えるのはなぜでしょうか。神の言葉が明らかにしているように,12の門がある地上の都市は,12の門がある天の都市とよく似ているからです。その天の都市,新しいエルサレムは,キリストの14万4000人の共同統治者で構成されています。(啓 21:2,12,21-27)地上の管理体制は,天で神の王国が行う決定全てに従い,それを注意深く実行します。「エホバがそこにいる」という都市の名は,清い崇拝が存続し続け,パラダイスで永遠にわたって行われることを,私たち一人一人に確信させてくれます。何と素晴らしい将来が待ち受けているのでしょう。
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土地を割り当てるエホバの清い崇拝 ついに回復される!
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土地を割り当てる
土地が厳密に区分されるという説明は,捕囚にされていたユダヤ人たちに,愛する故国が確実に復興するという保証を与えました。現代の私たちはこの幻から何を学べるでしょうか。2つの面について考えましょう。
居場所と貴重な務め
帰還するユダヤ人はそれぞれ,回復される約束の地で相続地を与えられることになっていました。同じように,現代においてエホバに仕える人全ても,比喩的なパラダイスで場所を与えられています。エホバの組織の中での役割がどんなにささやかなものでも,私たちは皆,比喩的な土地に居場所があり,貴重な務めを委ねられているのです。エホバはご自分に仕える人たち全てを等しく貴重なものと見ています。
土地の均等な配分
エゼキエルが見た幻の中では,回復された約束の地のどの部族の領地に住んでいる人も,自然の恵みを平等に受けることができました。同じように,現代においてエホバに仕える人は皆,比喩的なパラダイスに伴う祝福を平等に受けることができます。
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「あなたたちは寄進物を取り分けなければならない」エホバの清い崇拝 ついに回復される!
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「あなたたちは寄進物を取り分けなければならない」
エホバが取り分けた土地について,エゼキエルがどんなことを記しているか見てみましょう。その土地全体と各部分は,5つの名称で呼ばれています。それぞれどんな名称で,どういう目的がありましたか。
A. 「寄進物」
この細長い土地は,統治や管理のために用いられる。
B. 「寄進物全体」
祭司とレビ族と都市のための区画。また,12部族の人たちがここにやって来て,エホバを崇拝し,管理のための取り決めを支持する。
C. 「長の領地」
「その土地は,イスラエルの中で長の所有地となる」。「それは……長のためのものとなる」。
D. 「聖なる寄進物」
この部分は「聖なる分」とも呼ばれている。上の区域は「レビ族のために」あり,「聖なるもの」である。真ん中の区域は「祭司のための聖なる寄進物」で,「彼らの家のための場所,また聖なる所[つまり神殿]のための神聖な場所」である。
E. 「残っている……区域」
「それはイスラエル国民全体のものとなる」。「都市の世俗の用途のためのもので,居住地や牧草地になる」。
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