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米国憲法とエホバの証人目ざめよ! 1987 | 10月22日
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個人の諸権利を保障する
すべての青写真と同じように,憲法は一つの目的を達成するための一つの意図を明らかにするものです。この場合の目的とは,人民の政府です。米国の独立宣言に明言されているとおり,人々の間に政府が設けられるのは,被治者に一定の“譲るべからざる権利”を保障するためです。
米国憲法の前文はこの主題を取り上げ,同憲法は人民のための「自由の祝福」を保障する目的で制定かつ確立されたと述べています。同憲法の最終草案が完成を見たのは,1787年9月17日,ペンシルバニア州フィラデルフィアのインディペンデンス・ホールでのことでした。この憲法は,世界最古の成文憲法でありながら今なお有効である点で特異なものです。
米国憲法で際立っているのは,過度に圧制的な政府に対する不信と,個人の自由を政府の干渉の及ばないものとして高めていることです。その憲法の中で最もよく知られている特色は,信教の自由,言論の自由,出版の自由が保障されていることです。それらの自由は,同憲法が起草され批准された段階では明言されていませんでしたが,1791年に,一般に権利章典として知られる十の修正条項の第一条として加えられました。
権利章典の中に明言された幾つかの自由は,各個人に属するものであって,政府の許可を要するものでも,政府によって削減されるものでもありません。では,人々が自分たちの権利のため,法廷で闘うべきなのはなぜですか。なぜなら,時に種々の立法機関は,大多数の利益になると自分たちがみなす事柄のために行動し,それらの権利を制限するさまざまな法律を通過させてきたからです。
米国の一連邦裁判所が述べているとおり,「多数者による,個人や無力な少数者の諸権利に対する圧政は,人民の政府の抱える最大の危険の一つであることが常に認められた」のです。エホバの証人が1930年代と40年代に米国で直面していたのは,まさにそのような圧政でした。
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米国憲法とエホバの証人目ざめよ! 1987 | 10月22日
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[25ページの図版]
憲法が起草された,フィラデルフィアのインディペンデンス・ホール
[クレジット]
Philadelphia Convention and Visitors Bureau
[26ページの図版]
憲法の草案は,米国立公文書館に保存されている
[クレジット]
U.S. National Archives
[24ページの図版のクレジット]
Architect of the Capitol, Washington, D.C.
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