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宇宙探査 ― 人類はどこまで到達したか目ざめよ! 1992 | 9月8日
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NASAとスパイ衛星
科学的知識の探究だけが宇宙探査の動機ではありませんでした。どんな敵が現われても軍事的に優位に立ちたいという欲求も原動力となってきました。何十年もの間,米国も旧ソ連も宇宙計画をスパイ活動の能力拡大の手段として用いてきました。ブルース・マレーは自著「宇宙への旅」の中で,「地球の軌道は最初から偵察その他の軍事活動の場,米ソ間の極めて重要な戦略競争の領域であった」と述べています。
ジョーゼフ・J・トレントは自著「大惨事に至るシナリオ」の中で,「1971年に,CIAと米空軍はキーホール(KH)という一連のスパイ衛星の設計に取りかかった。1976年12月19日,最初のキーホールが打ち上げられた」と伝えています。これらの写真衛星は軌道上に2年間とどまり,デジタル伝送によって地上に情報を送ることができました。どれほど効果的な衛星だったのでしょうか。トレントはこう続けます。「その解像度は,駐車している車のナンバープレートの数字がはっきりと読めるほど優れていた。さらに,この衛星は軌道上のソ連の宇宙船や飛行中の戦略爆撃機の写真を撮るのにも用いられた」。
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宇宙探査 ― 人類はどこまで到達したか目ざめよ! 1992 | 9月8日
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5. 打ち上げ直前の衛星
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