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  • 「良いたよりを擁護して法的に確立する」
    エホバの証人 ― 神の王国をふれ告げる人々
    • 形勢が一変する

      エホバの証人の公の宣教にそのような打撃を加えたほかならぬジョーンズ対オペライカ事件の判決の際に,判事のうち3人は,自分たちがその事件に関して法廷の多数意見に同意しないだけでなく,ゴバイティス事件の際に今回の事件のための基礎を据えるよう助力したつもりであるとも述べました。そして,「我々はゴバイティス事件に関する意見に加わったゆえに,その件に関する判決も間違っていたと考えるに至ったことをこの機会に公言するのは妥当と思われる」と付け加えました。エホバの証人はそれをきっかけとして,問題を再び最高裁判所に提出しました。

      ジョーンズ対オペライカ事件に関する再審理を求める申し立てがなされました。その申し立ての中で,力強い法的な論議が提出されました。さらにその申し立ては,「裁判所は際立った事実,つまり自分たちが全能の神の僕たちを裁いているということを考慮に入れるべきである」と断言していました。その言葉の意味を示す聖書中の先例が取り上げられ,律法教師ガマリエルが1世紀のユダヤ人の最高法廷に対して述べた,「この人たちに手出しせず,彼らをほっておきなさい。……さもないと,あなた方は,実際には神に対して戦う者となってしまうかもしれません」という助言に注意が向けられました。―使徒 5:34-39。

      ついに1943年5月3日,画期的な訴訟であるマードック対ペンシルバニア州事件aの際に,最高裁判所はジョーンズ対オペライカ事件に関する同裁判所の以前の判決を破棄しました。同裁判所は,宗教文書を配布することによって信教の自由を行使するための前提条件として許可税を課すことは憲法違反であると述べました。この事件は米国のエホバの証人に新たな機会の扉を開くものとなり,この時以来,何百もの訴訟において根拠として引き合いに出されてきました。1943年5月3日は合衆国最高裁判所での訴訟に関して,エホバの証人にとってまさに忘れ難い日となりました。その日,13件の訴訟(審理と裁判官による意見の便宜上,すべてが四つの判決にまとめられた)のうち12件に関して,同裁判所は証人たちに有利な判決を下したのです。b

      1か月ほど後 ― 国旗制定記念日の6月14日 ― 最高裁判所は,ウェスト・バージニア州教育委員会対バーネット事件cと呼ばれる訴訟に際して再び自らの判決を破棄しました。今回破棄されたのはゴバイティス事件の判決でした。同裁判所は,「高官であろうが下級官吏であろうが,役人が政治,国家主義,宗教および他の見解上の問題において何が正統的であるかを規定したり,その点において信仰を言葉や行動で告白するよう市民に強制したりすることはできない」という判決を下しました。バーネット事件の判決に関して述べられた論議の大半は,その後カナダのオンタリオ控訴裁判所でドナルド対ハミルトン教育委員会事件に関して採用され,カナダ最高裁判所はその事件の判決の破棄を拒否しました。

      その同じ日,合衆国最高裁判所はバーネット事件の判決に沿って,テイラー対ミシシッピ州事件dに関し,エホバの証人が国旗敬礼をしない理由を説明したり,すべての国は神の王国に反対しているので敗北を喫すると教えたりするからといって,扇動容疑で告発することは正当ではないという判決を下しました。これらの判決により,学校で国旗敬礼をしない子供の親である証人たちに関する訴訟,および雇用や子供の保護養育権に関する問題について,他の裁判所でも次々と有利な判決が下されるようになりました。形勢が全く一変してしまったのです。e

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    エホバの証人 ― 神の王国をふれ告げる人々
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      判決破棄の舞台が整う

      1940年,「マイナーズビル学区対ゴバイティス」事件に関して合衆国最高裁判所が学童に国旗敬礼を要求し得るという判決を下した際,9人の裁判官のうち8人が同意しました。反対意見を述べたのはストーン判事だけでした。しかし2年後,「ジョーンズ対オペライカ」事件に関する裁判官の反対意見が記録された際,さらに3人の裁判官(ブラック,ダグラス,マーフィー)がその機会を用い,「ゴバイティス」事件の判決は信教の自由を下位に置いたものであるゆえに間違っていたと考えていると述べました。ですから,9人の裁判官のうち4人が「ゴバイティス」事件の判決の破棄を支持していたことになります。信教の自由を軽視した他の5人の裁判官のうち二人は退官しました。新任の二人の裁判官(ラトリッジとジャクソン)は,国旗敬礼に関する次の訴訟が最高裁判所に持ち込まれた時に審理に加わりました。1943年,「ウェスト・バージニア州教育委員会対バーネット」事件に関して,彼らは二人とも,強制的な国旗敬礼ではなく信教の自由に賛成票を投じました。こうして最高裁判所は,かつて同裁判所に上訴された五つの訴訟(「ゴバイティス」,「リオレス」,「ヘリング」,「ガブリエリ」,「ジョンソン」)に関して取っていた見解を6対3の票決で覆したのです。

      興味深いことに,フランクファーター判事は,「バーネット」事件に関する自らの反対意見の中でこう述べました。「これまでと同様にこれからも,最高裁は自らの見解を覆すことがあるだろう。しかし,(後に再考された小さな逸脱を除き)これらのエホバの証人の訴訟以前に,当裁判所が民主政府の権力を制限するために判決を破棄したことはなかったと思う」。

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      「古くからの福音伝道活動の方法」

      1943年,「マードック対ペンシルバニア」事件において,合衆国最高裁判所は特にこう述べました。

      「宗教上の小冊子を配ることは,古くからの福音伝道の方法であり,印刷機の歴史同様に古いものである。それは古来,様々な宗教運動において大きな力となってきた。今日この福音伝道の方法は,様々な宗派によってより大々的に利用されており,それらの宗派の宗教文書頒布者は何千何万もの家々に福音を伝え,個人的な訪問によって自派に信者を獲得しようと努めている。それは単なる伝道でも,宗教文書の配布でもない。両者の結合である。それは信仰復興集会と同じほど福音主義的な目的を持っている。この形態の宗教活動は,憲法修正第1条において,教会の礼拝や説教壇からの伝道同様高く評価されている。そうした活動には,より正統的かつ伝統的な宗教活動と同様の保護を要求する権利があり,他の形態の宗教活動と同様に言論の自由と出版の自由の保障を要求する権利もある」。

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