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重要な問題に目を向け続けるものみの塔(研究用)2017 | 6月
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重要な問題に目を向け続ける
「人々が,その名をエホバというあなたが,ただあなただけが全地を治める至高者であることを知るためです」。―詩 83:18。
1,2. (イ)わたしたちすべてにとって重要なのはどんな問題ですか。(ロ)この問題に目を向けることが大切なのはなぜですか。
今日,多くの人にとって一番大切なのはお金です。どうしたらお金を稼げるか,お金を失わずにすむかで頭がいっぱいです。家族が一番大切だと考える人もいれば,健康が第一だと言う人もいます。自分の目標を達成することを重視する人もいます。
2 しかし,わたしたちすべてにとってはるかに重要なのは,エホバの主権の正しさが立証されることです。日々の生活のことで頭がいっぱいになると,この問題の大切さを忘れてしまうかもしれません。大きな試練に遭う時もそうです。他方,この問題の大切さを深く認識しているなら,毎日の生活で直面する難しい問題に対処しやすくなります。エホバにいっそう近づくこともできます。
なぜそれほど重要なのか
3. サタンは神の支配についてどんなことを主張していますか。
3 悪魔サタンは,エホバが正当な主権者かどうかを問題にしました。神の支配は腐敗している,エホバはわたしたちに最善のものを与えていない,と主張しているのです。人間は自分たちで支配したほうがずっと幸せになれる,というわけです。(創 3:1-5)サタンは,心から神に忠誠を示す人間などいない,圧力を受ければだれもがエホバの支配を退ける,ともほのめかしました。(ヨブ 2:4,5)エホバはサタンの主張に返答するため,時間を置くことにされました。神の正しい支配を受けずに生活するならどうなるかを明らかにするためです。
4. 主権の問題が解決されなければならないのはなぜですか。
4 エホバはサタンの主張が間違っていることをご存じです。ではなぜサタンに自分の主張を証明する時間をお与えになったのでしょうか。この問題には天と地に住むすべての者たちが関係しています。(詩編 83:18を読む。)最初の人間夫婦も他の多くの者たちも,エホバの支配を退けました。悪魔の主張どおりではないか,と思う人間やみ使いもいるかもしれません。こうした疑問が残っている限り,国,人種,部族,家族,人々が本当の意味で一致することはありません。しかし,エホバの主権の正しさが立証されたあとは,全創造物が神の正しい支配に永遠に服することになります。宇宙全体に平和が回復されるのです。―エフェ 1:9,10。
5. わたしたちはどのようにエホバの主権を支持できますか。
5 将来,神が正当な主権者であることが立証され,サタンと人間の支配は完全に失敗して取り除かれます。神はメシアの王国を通して1000年に及ぶ完全な支配を行なわれます。その間もずっと忠誠を保ち続ける人々は,神の支配を心から支持していることを証明できます。(イザ 45:23,24)あなたもその一人になりたいと思いますか。そう思うに違いありません。忠誠を保ち続けるには,主権の問題にいつも目を向け,その問題の重要性を認識している必要があります。
救いよりも重要
6. エホバの主権の正しさが立証されることは,どれほど重要ですか。
6 人類にとって非常に重要なのは,エホバの主権の正しさが立証されることです。わたしたち個人の幸福よりも重要なのです。では,わたしたちの救いはあまり重要ではないのでしょうか。エホバはわたしたちのことをそれほど気にかけておられないのでしょうか。決してそうではありません。なぜそう言えますか。
7,8. 神の主権の正しさが立証されるためには,人類に対する神の約束が果たされる必要があります。なぜですか。
7 エホバは人類を深く愛し,大切な存在と見ておられます。わたしたちの永遠の救いのため,イエスが犠牲の死を遂げるようにしてくださいました。(ヨハ 3:16。ヨハ一 4:9)エホバが人類に対する約束を果たされないとしたら,悪魔は「やはり神はうそつきだ。人間に良いものを与えようとしない。神の支配の仕方は間違っている」と言うでしょう。また,反対者たちの次のあざけりが正しいことになってしまいます。「この約束された彼の臨在はどうなっているのか。わたしたちの父祖が死の眠りについた日から,すべてのものは創造の初め以来と全く同じ状態を保っているではないか」。(ペテ二 3:3,4)しかし,エホバは従順な人々を必ず救ってくださいます。エホバの主権の正しさが立証されることには,従順な人々の救いが含まれるのです。(イザヤ 55:10,11を読む。)エホバの主権は愛に基づいています。神はご自分に忠節に仕える者たちを常に愛し,重んじ,大切な存在と見てくださいます。―出 34:6。
8 エホバの主権の問題は非常に重要です。とはいえ,わたしたちの救いがエホバにとって重要ではないということではありません。わたしたちは,主権と救いに関して正しい見方を持つ必要があります。そうすれば,重要な事柄に目を向け続け,エホバの正しい支配を忠節に支持することができます。
正しい見方を持つ
9. サタンはヨブについてどんなことを主張しましたか。(冒頭の挿絵を参照。)
9 聖書の中でごく初期に書かれたヨブ記から,正しい見方の大切さを学べます。サタンは,ヨブが大きな苦しみに遭えば神を退けると主張し,神に対してヨブを苦しみに遭わせるようにと述べました。エホバはそのようなことはしませんでしたが,サタンがヨブを試すことを許し,「彼の持っているものはみな,あなたの手中にある」と言われました。(ヨブ 1:7-12を読む。)ヨブは短い間に,従者たちや生計手段,愛する10人の子どもを失いました。サタンは,あたかも神が災厄の原因であるかのように見せかけました。(ヨブ 1:13-19)さらに,ヨブを痛みの伴う忌まわしい病気にならせました。(ヨブ 2:7)それだけではありません。ヨブは,妻や3人の偽りの友からがっかりさせられるようなことを言われます。―ヨブ 2:9; 3:11; 16:2。
10. (イ)ヨブはどのように神への忠誠を示しましたか。(ロ)ヨブはどんな点で正される必要がありましたか。
10 どんな結果になりましたか。サタンの主張が全く間違っていることが証明されました。ヨブは神を退けたりしなかったのです。(ヨブ 27:5)しかし,ヨブは一時的に正しい見方ができなくなりました。自分の正しさを弁明することばかりに注意が向き,どうしてこんな苦しみに遭わなければならないのか教えてほしいと思いました。(ヨブ 7:20; 13:24)ヨブの経験した様々な苦しみを考えると,ヨブの気持ちも分からなくはないかもしれません。しかし,神はヨブの考えを正されます。ヨブに何と言われたでしょうか。
11,12. エホバはヨブが何を理解するよう助けましたか。ヨブはどのように答え応じましたか。
11 ヨブに対する神の言葉は,ヨブ 38章から41章までの4つの章にわたって記されています。エホバはご自分の正しさを弁明するかのように,ヨブが苦しみに遭っている理由を説明したりはされませんでした。むしろエホバは,ヨブが神に比べてどれほど小さな存在かを理解するよう助けました。もっと重要な事柄が関係していることを教えたのです。(ヨブ 38:18-21を読む。)ヨブは正しい見方ができるようになりました。
12 厳しい試練に耐えたヨブに率直な助言を与えたエホバは,思いやりに欠けていたのでしょうか。そうではありません。ヨブもそうは思いませんでした。むしろエホバの助言に感謝し,心から受け入れました。「私は撤回し,塵と灰の中でまさしく悔い改めます」とさえ述べました。エホバの率直で愛ある助言がヨブの心に達したのです。(ヨブ 42:1-6)ヨブは若いエリフからも助言を与えられていました。(ヨブ 32:5-10)ヨブが神の戒めを受け入れて見方を正した後,エホバは,試練のもとでも忠実を保ったヨブを是認していることを明らかにされました。―ヨブ 42:7,8。
13. 試練の後も,エホバの助言はヨブが正しい見方をする助けになったはずです。なぜそう言えますか。
13 この試練の後も,エホバの助言はヨブが正しい見方をする助けになったことでしょう。なぜそう言えますか。「エホバは……ヨブの終わりをその始めよりも祝福され」,やがてヨブは「息子七人と娘三人を持つことに」なりました。しかし,それまでには時間がかかったはずです。(ヨブ 42:12-14)以前に亡くした子どもたちのことも忘れられなかったでしょう。しばらくは,試練の時のつらい記憶がよみがえることもあったかもしれません。試練を経験した理由が分かるようになったとしても,なぜあれほどの苦しみを味わわなければならなかったのだろうと思うこともあったでしょう。そんな時,神の助言を思い返すことで,正しい見方を保ち,慰めを得ることができたはずです。―詩 94:19。
エホバの主権の問題に目を向け続けることができますか(14節を参照)
14. ヨブに関する記録から何を学べますか。
14 ヨブに関する記録を熟考するなら,わたしたちも正しい見方を持ち,慰めを得ることができます。エホバがこの記録を保存されたのは,「わたしたちの教えのため……であり,それは,わたしたちが忍耐と聖書からの慰めとによって希望を持つため」なのです。(ロマ 15:4)この記述からどんな教訓が得られますか。自分の直面している問題のことで頭がいっぱいになり,エホバの主権の正しさの立証という重要な問題を見失ってはならない,ということです。ヨブのように困難な状況のもとでも忠実であり続けるならエホバの主権を支持できる,ということも忘れないようにしましょう。
15. 試練のもとでも忠実であり続けるなら,どんな良い結果が得られますか。
15 自分の忠実さの価値について考えると励みが得られます。試練に遭うとしても,それを神の主権を支持する機会にすることができます。エホバから是認されていないわけではないのです。(箴 27:11)試練のもとでも忍耐するなら,神からの「是認を受け」,希望が強まります。(ローマ 5:3-5を読む。)ヨブに関する記録から分かるとおり,「エホバは優しい愛情に富まれ,憐れみ深い方」です。(ヤコ 5:11)エホバはご自分の主権を支持する者すべてに報いてくださいます。ですから,「十分に耐え忍ぶ者,また喜んで辛抱する者」になりましょう。―コロ 1:11。
重要な問題に目を向け続ける
16. 神の主権の正しさが立証されることの大切さを意識的に思い起こす必要があるのはなぜですか。
16 エホバの主権の正しさが立証されることに目を向け続けるのは簡単ではありません。自分の問題に押しつぶされそうになることもあるでしょう。たとえ小さな問題でも,そのことばかり考えていると大きな問題に思えてしまうことがあります。ですから,難しい状況に置かれている時は,神の主権を支持することの大切さを意識的に思い起こす必要があります。
17. エホバから与えられた務めを行ない続けることは,重要な問題に目を向ける助けになります。例を挙げて説明してください。
17 エホバから与えられた務めを行ない続けることも,重要な問題に目を向ける助けになります。レネーという姉妹は脳卒中になり,がんを患い,慢性的な痛みに悩まされていました。しかし病院で,医療スタッフや患者や見舞い客に聖書について話しました。入院中,わずか2週間半で80時間奉仕したこともあります。死が近づいていた時も,エホバの主権の問題に目を向け続け,安らかな気持ちを保つことができました。
18. エホバの主権を支持することの大切さを示すどんな経験がありますか。
18 普段の生活で問題やストレスを経験する時にも,エホバの主権の問題に目を向け続ける必要があります。ジェニファーという姉妹は帰途に就くため空港にいましたが,欠航が続き,結局,3日間空港で過ごさなければなりませんでした。心細いうえに疲れ切ってしまいました。意気消沈しても仕方なかったでしょう。でも姉妹は,同じような状況の人たちを聖書から励ましたいと思い,神に祈りました。その結果,多くの人に真理を伝え,たくさんの出版物を配布できました。姉妹はこう言います。「大変な状況でしたが,エホバが祝福してくださっていると感じました。エホバのお名前を賛美する力が与えられました」。姉妹はエホバのご意志に思いを向け続けたのです。
19. 神の民はエホバの主権に関してどんな立場を取っていますか。
19 エホバの主権の重要性を認識していることは,真の宗教を見分けるしるしです。神の民はこれまでずっと神の主権を支持してきました。わたしたち一人一人も,真の崇拝者としてエホバの主権を支持し続けたいものです。
20. 神の主権を支持するあなたの努力を,エホバはどうご覧になりますか。
20 神に忠実に奉仕し,試練を忍耐しましょう。エホバは,ご自分の主権を支持するあなたの努力に目を留め,祝福してくださいます。(詩 18:25)次の記事では,エホバの主権を心から支持すべきなのはなぜか,またどのように支持できるかを考えます。
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エホバの主権を支持しましょう!ものみの塔(研究用)2017 | 6月
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エホバの主権を支持しましょう!
「エホバ,わたしたちの神よ,あなたは栄光と誉れと力を受けるにふさわしい方です。あなたはすべてのものを創造し……たからです」。―啓 4:11。
1,2. わたしたちはどんな事柄の根拠を調べる必要がありますか。(冒頭の挿絵を参照。)
前の記事で学んだように,悪魔は「エホバは正当な主権者ではない。人間は自分たちで支配したほうが幸せになれる」と主張しています。サタンの主張は正しいのでしょうか。仮に,人間が自分たちで支配し,永遠に生きられるとしましょう。神の支配を受けるよりも幸せになれるでしょうか。あなたは神から完全に独立して永遠に生きるほうが幸せになれるでしょうか。
2 こうした点について,一人一人がじっくり考えなければなりません。そうすれば,神が正当な主権者であることがはっきり分かるはずです。神の支配は最も優れています。わたしたちは心から神の主権を支持すべきです。なぜそう言えるでしょうか。聖書にはその根拠が記されています。まず,エホバが正当な主権者であると言える理由を調べてみましょう。
エホバは支配する権利を持っておられる
3. エホバだけが正当な主権者である,と言えるのはなぜですか。
3 エホバは全能の神また創造者なので,宇宙の正当な主権者です。(代一 29:11。使徒 4:24)啓示 4章11節の幻の中で,天でキリストと共に支配する14万4000人の者たちはこう述べています。「エホバ,わたしたちの神よ,あなたは栄光と誉れと力を受けるにふさわしい方です。あなたはすべてのものを創造し,あなたのご意志によってすべてのものは存在し,創造されたからです」。エホバはすべてのものを創造されたので,天と地のすべての者を支配する完全な権利をお持ちです。
4. 神の主権に逆らうことが自由意志の誤用と言えるのはなぜですか。
4 サタンは何も創造していません。ですから,宇宙を支配する権利などありません。サタンと最初の人間夫婦がエホバの主権に反逆したのはごう慢なことでした。(エレ 10:23)自由意志があったので,神からの独立を選ぶことはできました。しかし,そうする権利があったわけではありません。人は自由意志を与えられているので,毎日様々なことを自分で選択できます。だからといって,創造者であり命の与え主である方に逆らう権利があるわけではありません。エホバに逆らうことは,明らかに自由意志の誤用です。人間はエホバの正しい支配に従うべきなのです。
5. 神の決定は正しく公正であると確信できるのはなぜですか。
5 エホバが正当な主権者であると言える別の理由は何でしょうか。完全に公正な仕方で権威を行使されるからです。神はこう述べておられます。「わたし[は]エホバであり,愛ある親切,公正そして義を地に行なう者である……。わたしはこれらのことを喜びとする」。(エレ 9:24)エホバは,何が正しく公正かを,不完全な人間の法律に基づいてお決めになることはありません。ご自身が公正に関する完全な規準をお持ちです。神はその規準に基づいて,人間に律法をお与えになりました。詩編作者は「義と裁き[または,公正]は[神]の王座の定まった場所」と述べています。ですから,神の律法,原則,決定はすべて正しいと確信できます。(詩 89:14; 119:128)サタンはエホバが支配者として失格だと言っていながら,自分では世界を公正な場所にすることなどできていません。
6. エホバが宇宙を支配する権利を持っておられると言えるもう一つの理由は何ですか。
6 エホバが正当な主権者であると言えるもう一つの理由は,エホバが宇宙を支配するのに必要な知識と知恵をお持ちである,ということです。例えば,神はイエスに,医師にも治せない病気をいやす力をお与えになりました。(マタ 4:23,24。マル 5:25-29)エホバにとってそれは奇跡ではありませんでした。人体の仕組みを熟知しておられる神は,どんな病気も治すことができます。死者を復活させることも,自然災害を防ぐこともできます。
7. エホバは,サタンの世のだれよりもはるかに優れた知恵をお持ちです。なぜそう言えますか。
7 サタンの世において,人々は国内の紛争や他の国々との対立を解決する方法を模索しています。しかし,世界平和をもたらす知恵を持っておられるのはエホバだけです。(イザ 2:3,4; 54:13)エホバの知識と知恵について知ると,次のように述べた使徒パウロと同じように感じるはずです。「ああ,神の富と知恵と知識の深さよ。その裁きは何と探りがたく,その道は何とたどりがたいものなのでしょう」。―ロマ 11:33。
エホバの支配は最も優れている
8. あなたはエホバの支配の仕方についてどう思いますか。
8 聖書には,エホバが支配する権利を持っている理由が記されているだけではありません。エホバの支配が最も優れている理由も説明されています。1つの理由は,神が愛に基づく支配を行なわれるということです。エホバは「憐れみと慈しみに富み,怒ることに遅く,愛ある親切と真実とに満ちる神」です。(出 34:6)人間の尊厳を重んじ,親切に接してくださいます。神はわたしたちのことを,わたしたち以上に深く考えてくださっているのです。忠実な崇拝者たちに良いものを何も差し控えられません。悪魔の主張とは正反対です。エホバはわたしたちが永遠に生きられるよう,ご自分の大切な子イエスをさえ与えてくださったのです。神の主権の行使の仕方について知ると,温かい気持ちになるのではありませんか。―詩編 84:11; ローマ 8:32を読む。
9. 神がわたしたち一人一人を気遣っておられることを示す,どんな例がありますか。
9 エホバはご自分の民全体を気遣っておられるだけではありません。一人一人にも深い関心を示されます。1つの例に注目しましょう。エホバは約300年間,裁き人たちを用いてイスラエル国民を導き,圧制者たちから救出されました。その動乱の時代,個々の人にも目を向けられました。ルツはその一人です。外国人でしたが,大きな犠牲を払ってエホバの崇拝者になりました。エホバはルツを祝福し,ルツが夫と出会い,息子を持てるようにされました。それだけではありません。将来ルツを復活させます。その時ルツは,自分の息子の家系からメシアが生まれたことを知って驚くでしょう。また,聖書に自分の名前の付いた書があり,自分のライフ・ストーリーが記されていることを知って,感激するに違いありません。―ルツ 4:13。マタ 1:5,16。
10. エホバはどんな支配を行なわれますか。
10 エホバの支配は,圧政的で厳しい支配ではありません。人々が自由と喜びを感じられる支配です。(コリ二 3:17)ダビデはこう述べました。「尊厳と光輝は[神]のみ前にあり,力と喜びはその場所にある」。(代一 16:7,27)詩編作者エタンもこう記しました。「喜びの叫びを知る民は幸いです。エホバよ,彼らはあなたのみ顔の光のうちを歩みつづけます。彼らはあなたのみ名によって一日じゅう喜び,あなたの義のうちに高められるのです」。―詩 89:15,16。
11. どうすれば,エホバの支配が最も優れているという確信が強まりますか。
11 エホバの善良さについて熟考すると,エホバの支配が最も優れているという確信が強まります。次のように述べた詩編作者と同じように感じるはずです。「あなたの中庭における一日は,ほかの場所における千日にも勝[りま]す」。(詩 84:10)愛情深い設計者また創造者であるエホバは,わたしたちが幸福になるために何が必要かをご存じであり,その必要を豊かに満たしてくださいます。エホバが求めておられることを行なうなら,必ず益が得られます。そうするために幾らか犠牲を払うとしても,最終的には大きな喜びを味わえます。―イザヤ 48:17を読む。
12. わたしたちがエホバの主権を支持したいと思うのはなぜですか。
12 聖書によると,キリストの千年統治の後,ある人々はエホバの主権に反逆します。(啓 20:7,8)獄から解き放された悪魔が人類を惑わそうとして,またしても利己心に訴えるのでしょう。エホバに従わずに永遠に生きる方法がある,と信じ込ませようとするかもしれません。もちろん,そんな主張は偽りです。でも大切なのはあなたがどう反応するかです。サタンの言葉に魅力を感じるでしょうか。もしエホバを愛しているなら,また,エホバが善良な方で宇宙の正当な主権者であることを確信しているなら,サタンの主張は不快極まりないものだと感じるはずです。わたしたちは,愛情深い正当な主権者エホバの支配のもとで生きたいと心から願っています。それ以外の生き方など考えられません。
神の主権を忠節に支持する
13. どのように神の主権を支持することができますか。
13 わたしたちはエホバの主権を心から支持すべきです。これまで考えたとおり,エホバは支配する権利を持っておられ,エホバの支配の仕方が最も優れているからです。神に忠誠を保ち,忠実に仕えるなら,神の主権を支持していることになります。ほかにもどんな方法で神の主権を支持できますか。エホバの方法で物事を行なうことです。エホバの物事の扱い方に倣うなら,エホバの支配の仕方を愛し,支持していることになります。―エフェソス 5:1,2を読む。
14. 長老や家族の頭はどのようにエホバに倣えますか。
14 聖書を読むと,エホバが愛ある仕方で権威を行使されることが分かります。ですから,エホバの主権を愛している長老や家族の頭は,自分に主権の一部があるかのように他の人に要求的になったりしません。むしろ,エホバに倣います。パウロも神とイエスに倣いました。(コリ一 11:1)パウロは他の人に無理強いしたり,劣等感を抱かせたりはしませんでした。むしろ,正しいことを行なうように懇願しました。(ロマ 12:1。エフェ 4:1)これがエホバの方法です。エホバを愛し,エホバの支配の仕方を支持する人は皆,エホバの物事の扱い方に倣うべきです。
15. エホバの支配の仕方を愛していることをどのように示せますか。
15 あなたは,神がお定めになった頭の権をどう見ますか。頭の権を与えられている人たちに敬意を払い,協力するなら,エホバの主権を支持していることになります。ある決定を十分に理解できない場合や決定に同意できない場合でも,神権的な秩序を重んじましょう。これは世のやり方とは全く異なります。でも,エホバの支配を受け入れる人は頭の権に従います。(エフェ 5:22,23; 6:1-3。ヘブ 13:17)そうすることはわたしたちの益になります。神はわたしたちにとって最善のことを願っておられるからです。
16. 神の主権を支持する人は,どのように個人的な決定を下しますか。
16 個人的な決定を下す時にも,神の主権を支持していることを示せます。エホバは,生活上の様々な事柄について細かな命令を与えたりはされません。ご自分の考えを明らかにすることによって導いてくださいます。例えば,クリスチャンの服装について細かな規則を設けておられません。むしろ,クリスチャンにふさわしい,慎みのある服装や身なりをしてほしい,という願いを聖書に記しておられます。(テモ一 2:9,10)他の人をつまずかせたり,不快にさせたりする服装をしてほしくない,とも願っておられます。(コリ一 10:31-33)それで,個人的な決定を下す際,自分の好みだけで決めるのではなく,エホバのお考えや願いをよく考慮して決めるなら,エホバの支配の仕方を愛し,支持していることになります。
個人的な決定を下す時も家族の問題に直面した時も神の主権を支持しましょう(16-18節を参照)
17,18. 夫婦はどのようにエホバの主権を支持できますか。
17 クリスチャンの夫婦がどのようにエホバの主権を支持できるかを考えましょう。結婚生活が思っていたより大変だったり,失望させられることがあったりしたら,どうしますか。時間を取って,エホバがイスラエル人にどのように接したかを考えるとよいでしょう。神はご自分をイスラエル国民の夫と呼んでおられます。(イザ 54:5; 62:4)エホバにとって大変な“結婚”でした。しかしエホバはすぐにあきらめたりはされませんでした。何度も許し,イスラエル人との契約を忠節に守られました。(詩編 106:43-45を読む。)忠節な愛の神エホバに引き寄せられるのではないでしょうか。
18 エホバを愛する夫婦は,エホバの物事の扱い方に倣います。難しい問題に直面しても,安易に結婚を終わらせようとはしません。エホバが自分たちをくびきで結ばれ,互いに「堅く付[く]」ことを願っておられることを知っています。聖書によれば,人が離婚し,再婚する自由を得られるのは,配偶者が性的不道徳を犯した場合だけです。(マタ 19:5,6,9)状況を改善するためにできる限りのことを行なうなら,エホバの支配の仕方を支持していることになります。
19. 間違いを犯したなら,どうすべきですか。
19 わたしたちは不完全なので,エホバをがっかりさせてしまうことがあります。エホバはそのことをご存じであり,愛情深くもキリストを贖いとして与えてくださいました。ですから,間違いを犯したなら,エホバに許しを求めましょう。(ヨハ一 2:1,2)自分を責め続けるのではなく,間違いから教訓を学ぶよう努めましょう。エホバのもとにしっかりとどまるなら,エホバはわたしたちを許し,立ち直らせてくださいます。将来同じような問題に直面した時,賢明に対処できるようにも助けてくださるでしょう。―詩 103:3。
20. 今,エホバの主権を支持すべきなのはなぜですか。
20 新しい世では,すべての人がエホバの支配を受け,エホバの正しい物事の行ない方を学びます。(イザ 11:9)とはいえ,わたしたちは今もエホバのお考えや物事の行ない方について多くのことを学んでいます。エホバの主権の問題は着々と解決に向かっています。今は,エホバに忠誠を示し,忠実に仕え,エホバの物事の行ない方に倣うことによって,神の主権を支持すべき時なのです。
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