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暴虐の世紀目ざめよ! 2002 | 5月8日
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生物化学兵器。細菌戦争には,炭疽菌などの致死的なバクテリア,あるいは天然痘などのウイルスを用いることが含まれます。天然痘は伝染性が強いので特に危険です。また,毒ガスなどの化学兵器も脅威となっています。このような有毒物質は,いろいろな形態のものがあり,これまで数十年にわたって使用禁止とされてきましたが,実際に抑止されてきたわけではありません。
これらの恐ろしい兵器とその脅威により,果たして人々はノーベルが予測したように反応し,「恐怖でたじろぎ,部隊を解散させ(て)」きたでしょうか。むしろ,いつかこれらの兵器が使われる ― それも素人によって使われる ― のではないかという不安をつのらせただけです。10年も前に,米国軍備管理軍縮局の局長は,「化学兵器は,高校でいくらか化学を学んだことがある人なら,大抵どこのガレージの中ででも製造できる」と述べているのです。
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暴虐の世紀目ざめよ! 2002 | 5月8日
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[7ページの図版]
1995年に東京の地下鉄でサリンが使用され,化学兵器の恐ろしさが広く知られるようになった
[クレジット]
Asahi Shimbun/Sipa Press
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