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  • その秘密を解明する
    目ざめよ! 1995 | 2月22日
    • その秘密を解明する

      女性が年を取るにつれ,その人生には更年期が訪れます。しかし,これまで更年期に関しては甚だしい誤解がありました。「語られざる移行期 ― 更年期」と題する本によると,19世紀の産科医は更年期が「女性の神経系統を狂わせ,女性特有の魅力を奪う」と信じていました。

      そうした間違った考えは根強く残っています。その結果,多くの女性は更年期の訪れを恐れ,不安な気持ちになります。「自然な更年期 ― 最も誤解されている女性の移行期に関する案内全書」と題する本は,更年期に関係した心理的問題の克服を,「女性の人生の中でも特に難しい仕事の一つ」と呼んでいます。

      若さや若々しい容姿が重要視される社会では,更年期症状の現われは,若さの突然の終わりと老年の始まりという間違った考えを告知するかもしれません。そのため,更年期を恐れるようになった女性たちもいます。更年期は人生における新たな,あまり望ましくない時期の始まりを意味すると思えるからです。更年期になったら「死んだも同然」という見方をする人さえいます。

      現代の女性は,人生のこの時期を通過する際に無知でいる必要はありません。更年期の秘密は解明されつつあります。研究は進んでおり,移行を容易にするための療法も開発されています。雑誌,新聞,書籍はこの話題に焦点を当て,少し前なら恥ずかしくて聞けなかったような質問に対する説明を載せています。医療関係者も,女性が遭遇しそうな問題に関する知識を深めています。

      この問題になぜこれほどの関心が向けられるのでしょうか。更年期についてよく理解していれば,恐れや迷信,多くの女性が感じているざ折感などを追い払うことができるからです。女性の寿命が延びている国も少なくありません。それで女性たちはこの問題に関し,申し合わせたようなこれまでの沈黙を破って,情報を得たいと考えています。分かりやすくて率直な答えを望んでいます。女性の多くは更年期の後も人生の3分の1以上を生きるのですから,それも当然なことと言えます。

      米国における人口学的パターンは,更年期の女性の数が次の10年間に50%増加することを示しています。そのような女性たちは,健康上の危険,上半身の熱感,気分不安定,不快感,体と感情の変化などについて知りたいと思っています。なぜこうしたことが起きるのでしょうか。女性にとって生産的な生活は更年期で終わってしまうのでしょうか。更年期は女性の性格を変えてしまうのでしょうか。続く記事ではこれらの疑問を取り上げます。

  • より良い理解を得る
    目ざめよ! 1995 | 2月22日
    • より良い理解を得る

      「更年期が女性の人生で非常に楽しい時期であるとは言いません」と,更年期を過ぎたある女性は言います。「でも,学ぶところはあると思います。私は自分の限界を心にとめるべきであることを学びました。体がもう少し多くの世話や休息を欲しがっているなら,それを聞き入れ,体に対してしかるべき敬意を示します」。

      「カナディアン・ファミリー・フィジシャン」誌に掲載された,女性に関する調査報告によると,更年期で最もいやなのは,「何が起きるか分からないということ」でした。しかし,更年期が自然の成り行きであることを理解するようになった女性たちは,「それほど心配したり,落ち込んだり,いらいらしたりせず,自分の人生にもっと希望を持つ」ようになりました。

      更年期とは何か

      ウェブスター大学生用新辞典第9版はメノポーズ(更年期)という語を,「月経が自然に停止する期間。通常45歳から50歳にかけて生じる」と定義しています。更年期は,断定的に,月経の最終的な停止ともみなされてきました。

      人によっては,月経が急になくなります。一つの生理期間が終わると,その後は二度と巡ってこないのです。かと思うと,月経周期が不順になり,3週間になったり,数か月になったりする人もいます。月経がなくなって満1年が過ぎると,最終月経の時に閉経が起きたと結論することができます。

      いつ,またなぜ起きるのか

      遺伝的な傾向,病気,ストレス,薬剤の服用,外科手術などは閉経を迎える時期に影響を及ぼします。北アメリカでは,閉経を迎える平均年齢は51歳前後です。閉経は一般に40代の初めから50代の半ばまでの間に起きます。それよりも前あるいは後になるケースはまれです。統計によると,たばこを吸う女性は閉経が早くなる傾向があり,太めの女性は閉経が遅くなる傾向があります。

      女性の卵巣は誕生時にすでに,その女性が持つ卵細胞を全部蔵しています。それは数にして数十万個あります。各月経周期に,20個から1,000個の卵子が成熟します。それから,1個,また時にはそれ以上の卵子が卵巣から放出され,受精可能となります。他の成熟した卵子はなくなってしまいます。また,卵子の成熟の進行に合わせて,ホルモンのエストロゲンとプロゲステロンの量は定期的に増減を繰り返します。

      女性が30代後半を過ぎると,エストロゲンとプロゲステロンの量は徐々に,あるいは不規則に減少しはじめます。そして,排卵も周期ごとには生じなくなるかもしれません。月経は不規則になり,間隔が空くようになるのが普通です。経血のパターンは変わり,量が少なくなるか,または多くなります。やがて排卵が起きなくなり,月経は終わります。

      最終月経は,10年間ほど続いたホルモン量と卵巣機能の変化の過程の頂点と言えます。しかし,卵巣は閉経後も10年から20年にわたって少量のエストロゲンを生産し続けます。副腎と脂肪細胞もエストロゲンを生産します。

      人生における重大な変化

      エストロゲンに敏感な,あるいはエストロゲンに依存している組織は,エストロゲンの量が減少するにつれて影響を受けます。上半身の熱感が生じるのは,脳の,体温調節をつかさどる部分にホルモンが影響を与えるためと考えられています。正確なメカニズムは分かっていませんが,体のサーモスタットの目盛が低めに調整されるため,それまで快く感じていた温度が急に熱く感じられるようになり,体はほてり,発汗して体温を下げようとするようです。

      ゲイル・シーヒーは,その著書「語られざる移行期 ― 更年期」の中でこう述べています。「熱感を経験している女性の50%は,早くも40歳ごろから,月経がまだ正常にある間にそれを感じ始める。調査によると,大抵の女性は2年間熱感を経験する。4分の1の女性は5年間,また10%の人は残りの生涯を通じて熱感を経験する」。

      女性の人生のこの時期には,エストロゲンの量が減少し,それにつれて膣の組織は薄くなり,潤いを欠くようになります。このほかにも女性は,「寝汗,不眠,失禁,ウエストが急に太くなる,どうき,理由もないのに泣く,かんしゃくを起こす,偏頭痛,かゆみ,皮膚がむずがゆくなる,物忘れをする」などの症状を経験すると,ゲイル・シーヒーは述べています。

      抑うつ状態の期間

      エストロゲンの減少は抑うつ状態を生じさせるのでしょうか。これはかなりの論議を呼んだ問題です。月経前に気分が不安定になる女性や,寝汗で睡眠を妨げられる女性の中には,そういう状態を経験する人もいるというのが答えのようです。このグループに属する女性は,ホルモンの変動が感情面に及ぼす影響に非常に敏感なようです。ゲイル・シーヒーによると,そういう女性は通常,「更年期が終わり」,ホルモン量が安定すると,「非常な安堵を覚える」ということです。

      放射線療法や化学療法や卵巣を両方とも摘出した結果として突然更年期に入る女性は,もっと厳しい症状を経験するようです。これらの処置は,エストロゲンの量を急に減少させて更年期障害を引き起こす可能性があります。そういう場合には,その女性の健康状態に応じて,エストロゲン補充療法が施されるかもしれません。

      現われる症状の不快さやタイプには,かなり個人差があります。血縁関係にある女性の間でもまちまちです。これはホルモンの量と,それが減少する速度とが人によって異なるためです。さらに,更年期にさしかかるころの女性の感情,ストレス,対処する能力,期待なども,人によって異なります。

      更年期には,年老いた親の世話をするとか,勤めに出るとか,子供が成長して家を出るとか,中年に必要な調整を行なうといった,女性の人生にとってストレスとなるような状況が重なるものです。これらのストレスは,体や感情に様々な症状を引き起こす場合があります。記憶の喪失,注意力の低下,不安,焦そう感,抑うつ状態などがそれですが,これらの症状を更年期のせいにするという間違いも起こるかもしれません。

      人生の一段階

      女性の生産的な生活は更年期で終わってしまうわけではありません。子供が産めなくなるだけです。最終の月経期間が終わると,その女性の気分は,月ごとに訪れるホルモンの周期によって動揺させられることがなくなり,もっと安定するのが普通です。

      月経の停止は顕著な変化なのでこれに焦点を当ててきましたが,変化といっても,女性が人生の生殖可能期に別れを告げる移行過程の現われにすぎません。思春期,妊娠,出産なども,ホルモンや体や感情の変化を伴う移行期です。ですから,更年期はホルモンの作用によって女性の人生に変化を生じさせる最後の時ですが,唯一の時というわけではありません。

      したがって,更年期は人生の一段階です。米国女子医療協会ジャーナルの元編集長は,「おそらく,人々は更年期を危機と考えることや『大変化』と考えることさえしなくなり,『もう一つの変化』という,より適切な見方をするようになるだろう」と書いています。

      「からだ術こころ術」(堂浦恵津子訳)と題する本には,女性の繁殖力に終わりがあるのは,「そのはじまりと同様自然の法則にしたがったものであり,逃れようのないものなのです。閉経が訪れたということはじっさいからだが健康な証拠 ― 体内の時計がちゃんと動いている証拠なのです」と述べられており,励みになります。

      それでも,移行をできるだけスムーズに行なうにはどうすればよいのでしょうか。また,配偶者や家族は人生のこの移行期に,どのように支えになれるでしょうか。次の記事ではそうした問題を考えます。

      [6ページの図版]

      更年期には,年老いた親の世話など,ストレスとなるような状況が重なるもの

  • 更年期を乗り越える
    目ざめよ! 1995 | 2月22日
    • 更年期を乗り越える

      更年期は,「独特の個人的な経験」であり,「人生における新たな,そして解放された一章の始まり」であると,「自然な更年期 ― 最も誤解されている女性の移行期に関する案内全書」の著者は述べています。調査によると,自分自身や自分の人生 ― 自尊心や個性 ― について積極的な見方をすればするほど,移行は容易になります。

      女性の中には,人生のこの時期に,他の女性よりもつらい思いをする人たちが確かにいます。しかし,問題を抱えているとしても,それは自尊心に問題があるとか,気が狂いかけているとか,女らしさ,知性,セックスなどに対する関心を失っているという意味ではありません。たいていの場合,問題はむしろ生物学的なものにあるのです。

      「閉経後にひどい症状に悩まされた女性も,更年期が終われば,新たな目的や活力が生まれる」と,ニューズウィーク誌は述べています。42歳のある女性は,「平穏な時,自分の体に翻弄されなくなる時が来るのを待ちこがれています」と語りました。

      上手に乗り切る女性たち

      年配の女性がどのように見られるかは,更年期をどれほどうまく乗り切れるかを決める重要な要素です。年配の女性の円熟性や知恵や経験が高く評価される場所では,更年期に伴う体や感情面の不快感はずっと少なくなります。

      例えば,「健康と自然療法に関する女性百科」によると,アフリカの幾つかの部族は,「更年期を人生の歓迎すべき移行期として受け入れ,閉経後の女性を経験や知識の豊かな人として敬うため,女性が更年期障害を訴えることはまれ」です。同様に,「語られざる移行期 ― 更年期」は,「インドのラージプート族の女性は」更年期に「抑うつ状態や心理的な症状を訴えることはない」と述べています。

      年配の女性が非常に重んじられている日本でも,更年期のホルモン療法はほとんど知られていません。さらに,アジアの女性は,西洋社会の女性に比べて更年期障害を経験することが少なく,またその症状は軽いようです。これに寄与する一つの要素は,彼女たちの食生活にあるようです。

      ある人類学者の研究によると,マヤ人の女性は閉経を実際に楽しみにして待ちました。彼女たちにとって,閉経は長年にわたる妊娠と出産の繰り返しからの解放を意味したのです。閉経になれば,やりたいと思っているほかの事をする自由もできたにちがいありません。

      とはいえ,更年期に伴う不安を簡単に片づけるべきではありません。若さや若々しい容姿がもてはやされる社会では,まだ更年期を経験していない女性はややもすると更年期を恐れます。そのような人たちの場合,どうすればこの移行期に生じる問題を軽減することができるでしょうか。

      女性が必要としていること

      作家であり,更年期教育の先駆者でもあるジャニン・オリリー・コッブはこう説明します。「多くの女性が必要としているのは,自分が感じていることは正しいということ,つまり,そう感じているのは自分だけではないということに対する言わば証明である」。

      理解や楽観的な見方も重要です。更年期にある51歳の母親はこう言いました。「更年期の過ごし方を決めるのは,その人の人生観なのだと思います。……人は老化します。好むと好まざるとにかかわらず,老いてゆきます。……私は,これ[更年期]は病気ではないんだと考えることにしました。これも私の人生の一部なんだ,と」。

      それで,人生におけるこの新たな章が近づいたら,新しい,やりがいのある事柄をじっくり考える時間を作りましょう。更年期が体に及ぼす影響も見過ごすべきではありません。医師も他の権威者たちも,移行期に備えて,体によい食物,十分な休息,適度の運動といった,健康を維持するための一般原則に従うことを勧めています。

      食生活と運動

      女性は年を取っても,栄養素(たんぱく質,炭水化物,脂肪,ビタミン,ミネラル)の必要は減りませんが,カロリーの必要は減少します。したがって,栄養素がたくさん含まれている食物を食べ,砂糖や脂肪がたくさん含まれている“空カロリー”の食物を避けることが大切です。

      定期的に運動をすれば,ストレスや抑うつ状態に対する抵抗力は高まります。体力を増進させ,一定の体重を維持するのに役立ちます。年齢とともに基礎代謝率が次第に低下するので,運動によって新陳代謝を高めない限り,体重は徐々に増えていく傾向があります。

      女性が知っておくべき非常に大切なことは,運動とカルシウムの補給を組み合わせて行なえば,骨が多孔性になって折れやすくなる骨粗鬆症の進行を遅らせることができるということです。「からだ術こころ術」(堂浦恵津子訳)という本によると,「スタジオ・エアロビクス,ジョギング,サイクリング,速歩などのエアロビック・スポーツとウエイト・トレーニングなどは」特に良いと考えられています。興味深いことに,人々がかなり高齢になるまで活発に行動しつづける幾つかの僻地の社会では,骨粗鬆症は見られません。そのようなところでは,女性は決まって80代や90代になるまで健康に暮らします。しかし,なにか運動を始めようとする時は,まず医師に相談するのが賢明でしょう。

      上半身の熱感に対処する

      上半身の熱感は,たいていの女性にとっていやなものですが,ある人たちにとっては,深刻な問題となります。というのは,熱感は頻繁に起きるか,または絶えず眠りを妨げるからです。では,どうしたらよいのでしょうか。

      まず,パニック状態にならないことです。余計な心配は状況を悪化させるだけです。定期的にはつらつと運動するのは有益です。運動は,体が過度の熱に対処して,より早く熱気を冷ます助けになるからです。また,冷たい水をコップ一杯飲む,あるいは冷たい水に手を浸すといった簡単な方法も試してみましょう。

      また,ゆったりした服を重ね着するようにします。そうすれば,簡単に着たり脱いだりできます。合成繊維よりも綿か麻のほうが汗をよく発散させます。夜は毛布を何枚か重ねて掛けるようにし,必要に応じて自分のところだけ増やしたり,はいだりできるようにします。寝間着の着替えをいつも手元に用意しておきます。

      どういう場合に熱感が生じるかを知るようにしましょう。アルコール,カフェイン,砂糖,辛い食物,またはスパイスのきいた食物が引きがねになる場合があります。たばこも同様です。いつどこで熱感が生じたかを日記に付けておくと,熱感を引き起こす食物や活動を知るのに役立つかもしれません。そして,それらを避けるようにします。

      栄養医学を専門とする医師たちは,熱感を軽減するために,ビタミンEや月見草オイル,朝鮮人参,ドンクワ,ブラックコホッシュといった薬草を用いる様々な療法を勧めます。一部の医師によると,処方薬のベレルガルとクロニジンは症状を和らげますが,エストロゲンの錠剤や貼り薬は最も効果があると言われています。a

      膣の乾燥は植物油やフルーツオイル,ビタミンEオイル,潤滑ゼリーなどを塗ることによって解決できます。それでも十分でない場合,エストロゲンのクリームを塗れば,膣の壁は厚くなり潤います。どんな方法を取るにしても,まず医師に相談するのは賢明なことです。

      ストレスについてはどうか

      女性は更年期に伴うホルモンの変化と体の変化に対処しなければならないと同時に,前の記事でも幾つか取り上げましたが,ストレスとなる他の出来事にもしばしば立ち向かわなければなりません。一方,孫の誕生とか,子供の独立後に新しい活動を推し進めるなどの積極的な事柄は,消極的なストレスを相殺するものとなります。

      スーザン・ペリーと医師のキャサリン・A・オハンランは,共著「自然な更年期」の中で,ストレスにもっと上手に対処するための実際的な提案をし,ストレスの原因をはっきりさせ,時折休息を取る必要のあることを指摘しています。これは慢性的な病気にかかっている家族の世話を手伝ってもらうことを意味するかもしれません。「ペースを調整しましょう」と著者は勧めています。「過密なスケジュールを避けるようにしましょう。……自分の体調に注意を払いましょう」。そして,「人のためになることをする……と,ストレスを大いに軽減することができます。……定期的に運動しましょう。生活の中でストレスが手に負えなくなったら,専門家に相談してください」とも述べています。

      家族は助けになれる

      更年期にある女性は感情面での理解と実際的な支えを必要としています。ある妻は不安に悩まされている時にどうするかについて,「私は主人とそのことを話し合います。主人が同情して理解を示してくれると,その問題が心配していたほど大きくはなかったことが分かるんです」と語りました。

      思いやりのある夫はまた,更年期にある間は妻はいつも同じペースで物事を行なうことはできないということも認めます。ですから,機転を利かせて,洗濯や食料品の買いだしなど,家の仕事を進んで手伝います。思いやりを示して,自分の必要よりも妻の必要を優先させます。(フィリピ 2:4)時には外で食べることを提案したり,仕事の手をとめてほっとする時を別の方法で設けたりします。できるだけ意見の衝突を避けるようにし,健康的な食習慣を保とうとする妻の努力を支持します。

      妻は,夫が愛し続けていてくれることをいつも夫の口から聞く必要を感じますが,夫は何よりもまず妻のその必要を満たすでしょう。夫は洞察力を働かせ,今は個人的な事柄で妻をからかう時ではないということを認識しなければなりません。愛情深く妻を扱う夫は,「知識にしたがって妻と共に住み,……女性としてこれに誉れを配しなさい」という聖書の諭しに従っていることになります。―ペテロ第一 3:7。

      同様に,子供たちは母親の気分が不安定になる理由を理解するよう誠実な努力を払うべきです。母親が自分だけの時間を必要としていることを認める必要があります。母親の気分の変化にこまやかな心遣いを示すなら,母親のことを真に気遣っているというメッセージを送って,母親を安心させることになります。逆に,お母さんの気分はいつ変わるか分からない,というようなことを言ってからかうなら,状況を悪化させるだけです。適切な質問をして事情をもっとよく理解し,頼まれなくても家事を手伝うようにしましょう。人生のこの段階にさしかかっている母親を支える方法は,これらのほかにもたくさんあります。

      更年期後の人生

      女性の人生においてこの章が終わるとき,多くの場合,前途には多くの年月が待ち受けています。それまでに得た知恵や経験は非常に貴重です。著述家のゲイル・シーヒーが「アメリカの成人6万人」を対象に行なった調査によると,「50代の女性たち自身の報告から,彼女たちが,それまでの人生のどの段階におけるよりも大きな幸福感を感じていることが明らかになり」ました。

      この移行期を乗り越えたら新たな活力がわいてきたという女性は少なくありません。創造力がよみがえります。元気に生活し,生産的な活動に携わります。「私はいつも頭を働かせるようにしています。常に新しいことを学び,研究します」と,更年期を過ぎたある女性は言いました。そして,「速度は少し落ちましたが,これで人生が終わったなどとは思っていないんです。これからの長い年月が楽しみです」とも述べています。

      シーヒーが女性たちにインタビューして,「更年期後の状態がさらによくなり,自尊心をさらに高めた女性たちは,知性や判断力,創造力や精神力が第一に評価されるような役目を果たす人たちである」ことを発見したのは意義深いことでした。そういう女性は大勢います。彼女たちは自分が持つ聖書の知識と理解を広めることに喜んで専念し,注目に値する聖書の価値規準を他の人に教えています。―詩編 68:11。

      あらゆる年齢の女性たちが,人生に対して積極的な見方を保ち,有意義な働きをすることに加えて,次のことを思い起こすのは賢明なことです。それは,わたしたちの愛ある創造者がわたしたちの感情をご存じであり,わたしたちのことを本当に顧みてくださるということです。(ペテロ第一 5:7)実際にエホバは,ご自分に仕える者たちすべてが義の宿る新しい世で永遠の命を享受するよう備えをしてくださっています。そこには病気や苦しみはもはやなく,死さえもなくなります。―ペテロ第二 3:13。啓示 21:3,4。

      ですから,更年期を迎えようとしている人たちは,それが人生の一段階であるということを忘れないようにしましょう。更年期はやがて終わり,その後には何年もの人生が残されます。その年月を有効に用いて,愛ある創造者に仕えるなら,豊かな報いを得ることになるでしょう。

      [脚注]

      a 「目ざめよ!」誌はいかなる特定の治療法を推奨することもありません。

      [8ページの囲み記事]

      エストロゲン補充療法についてはどうか

      エストロゲンは,閉経後の女性がかかる病気の二つの主な原因である心臓病と骨粗鬆症を予防するものとなるかもしれません。エストロゲンの量が減少しはじめると,これらの病気が始まり,5年ないし10年で症状が現われます。これらの病気の予防に,エストロゲン補充療法やホルモン(エストロゲンとプロゲステロン)補充療法が勧められてきました。

      エストロゲンを補充すると,骨量の減少する割合が低くなり,心臓病を予防することができます。プロゲステロンをホルモン補充の処方計画に加えるなら,乳ガンや子宮ガンの発生率は減少しますが,心臓病に対するエストロゲンの有益な効果は相殺されます。

      ホルモン補充療法を使うかどうかは,それぞれの女性の事情,健康状態,家族の病歴を考慮した上で決定しなければなりません。b

      [脚注]

      b 「目ざめよ!」誌,1991年9月22日号,14-16ページをご覧ください。

      [9ページの囲み記事]

      どんな食品が最適か

      以下の提案は,スーザン・ペリーおよびキャサリン・A・オハンラン博士共著,「自然な更年期 ― 最も誤解されている女性の移行期に関する案内全書」という本からの抜粋です。

      たんぱく質

      • たんぱく質摂取量をカロリー総摂取量の15%以下に減らす。

      • 植物性たんぱく質の摂取量を増やし,動物性たんぱく質の摂取量を減らす。

      炭水化物

      • 精製されていない穀類,パンやパスタ,豆,ナッツ,米,野菜,果物などの複合炭水化物をもっと食べる。

      • 砂糖や砂糖を多く含む食品は控える。

      • 繊維を多く含む食物をもっと食べる。

      脂肪

      • 脂肪の総摂取量をカロリー総消費量の25ないし30%以下に減らす。

      • 脂肪の総摂取量を減らす際に,“悪玉脂肪”(飽和脂肪)に対する“善玉脂肪”(多価不飽和脂肪)の割合を増やす。

      水分

      • 毎日大きなコップに6杯ないし8杯の水を飲む。

      ビタミンとミネラル

      • 色々な野菜や果物を毎日食べる。

      • 牛乳,乳製品,ブロッコリー,緑の葉菜は優れたカルシウム源である。

      [10ページの図版]

      家族が力になれること: 愛情を示し,家事を手伝い,話をよく聞いてあげる。時には気分転換になるようなことを行なう

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