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    若い人が尋ねる質問 ― 実際に役立つ答え
    • 23章

      婚前交渉をどう見るべきだろうか

      『二人が愛し合っていれば,婚前交渉をしても構わないでしょうか。それとも,結婚するまで待つべきでしょうか』。『私はまだ処女ですが,どこかおかしいのでしょうか』。若い人たちはこうした疑問をたくさん抱いています。

      アラン・グートマヒャー研究所が1981年に出した報告書は,「十代になっても性行為をしたことのない若者は例外的な存在である」と結論しています。「男子は10人中8人,女子は10人中7人が十代の時に性交を経験している」。

      『では,どうしていけないのか』と尋ねる人がいるかもしれません。愛されたいと思うのはごく自然な感情です。また若い時には,心が乱されるほど情欲が募ることもあります。さらに,同年代の仲間の影響があります。彼らは,婚前交渉は楽しく,だれかを好きになると,親密になりたいと思うのはごく自然なことだと言うかもしれません。中には,性関係を持つのは男または女として大人になった証拠である,と言う若者さえいることでしょう。それで変わり者に見られたくないため,仕方なしに,性関係を経験しなければいけないように感じるかもしれません。

      一般の見方とは反対に,若者という若者がすべて純潔を失うことを急いでいるわけではありません。一例として,エスターという名の独身女性のことを考えてみましょう。彼女は診察を受けていた時に医師から当たり前のように,「どんな避妊法を使っていますか」と尋ねられました。「何も使っていません」とエスターが答えると,医師は思わず大きな声で,「ええっ,君は妊娠したいの? 何も使わずに妊娠しないでいられると思っているのかね」と言いました。「性行為はしていませんから」と,エスターは答えました。

      医師は疑わしげな表情で彼女の顔をじっと見つめて,「信じられないことだ。ここには13歳の子供たちがやって来るが,その子らはもう処女ではない。君は驚くべき人だ」と言いました。

      どうしてエスターは「驚くべき人」だったのでしょうか。彼女は,「そこで,体は[婚前交渉を含む]淫行のため[にあるの]では(ありません)。……淫行から逃げ去りなさい」という聖書の訓戒に従っていたのです。(コリント第一 6:13,18)エスターは,婚前交渉が神に対する重大な罪であることを認識していたのです。「これが神のご意志であるからです。すなわち,……あなた方が淫行を避けることです」と,テサロニケ第一 4章3節は述べています。しかしなぜ聖書は婚前交渉を禁じているのでしょうか。

      あとで現われる影響

      婚前交渉を行なった人は聖書時代にもいました。不道徳な女は,若者を放縦な行ないに誘って,「どうか,来てください。朝になるまでわたしたちの愛を満喫しましょう。愛の表現を交わして,ぜひ互いに楽しみましょう」と言うかもしれません。(箴言 7:18)しかし聖書は,今日楽しんでいる快楽も明日には苦痛の原因になり得ると警告しています。「よその女の唇は蜜ばちの巣のように滴りつづけ,その上あごは油よりも滑らかだからである」とソロモンは言い,こう言葉を続けました。「しかし,彼女が後に残す作用は苦よもぎのように苦く,もろ刃の剣のように鋭い」。―箴言 5:3,4。

      あとで現われるかもしれないひどい影響の一つは,性行為感染症です。不道徳がもとで,不妊症になるとか,深刻な健康上の問題を抱えるなど,取り返しのつかない害を身に受けたことが何年か後に分かったときの心の痛みを想像してみてください。箴言 5章11節が警告しているように,『将来あなたの肉体と身体が終わりを迎えるときに,あなたはうめかなければならない』のです。婚前交渉はまた,私生児を妊娠すること(184,185ページ参照),堕胎,あるいは早すぎる結婚につながることがあり,それぞれに苦しい結果が伴います。このように,婚前交渉を行なう人はまさに「自分の体に対して罪をおかしている」のです。―コリント第一 6:18。

      リチャード・リー博士はそのような危険があることを認めて,「生物学と医学のエール・ジャーナル」の中でこう書いています。「我々は若い人々に対して,避妊や性病の治療において大きな進歩を遂げたことを誇る。そして妊娠に伴う苦しみや性病の苦しみを防ぎ,最も信頼できて明白な,最も安くて無毒の ― 昔ながらの,尊敬に値する,そして健康的でさえある,純潔を守るという方法を無視する」。

      罪悪感と失望

      多くの若者はさらに,婚前交渉がひどい失望をもたらすことに気づきました。どんな結果になるでしょうか。罪悪感と自尊心の低下を感じます。23歳のデニスは,「本当にがっかりしました。予期していた快感や愛の温かさは感じられませんでした。むしろ,その行為がいかに間違っているかを,いやというほど思い知らされました。自分の自制心のなさに恥じ入りました」と正直に語りました。ある若い女性は次のように告白しました。「現実に戻ったときにはむかつくような挫折感を味わいました。……事が終わってからむらむらと嫌悪の念を催し,自分がいかにも安っぽい,不潔な人間に思えました。『一体どうして君は一線を越えないうちに止めてくれなかったんだ』という彼の言葉に,私は一層惨めな思いをしました」。

      ジェイ・シーガル博士によると,そのような反応は少しも珍しくありません。2,436人の大学生の性活動を調査した後,同博士は次のように結論しています。「不満足で失望に終わった[性交の]初体験のほうが,満足と興奮を覚えた初体験よりも2対1の割合で多かった。男性も女性も,ひどく失望したことを覚えている」。むろん夫婦でさえ性行為となると問題があるかもしれません。しかし純粋な愛と誓約のある結婚生活では,そのような問題は大抵解決できます。

      乱交の代価

      一部の若者たちは性関係を持つことに少しも罪悪感を覚えないため,肉欲の満足を得ることに全力を傾け,さまざまな相手と性関係を持とうとします。研究者のロバート・ソレンセンは,十代の性行為に関する調査で,そのような若者たちが乱交の代価を払っていることを観察しました。「個人的な面接調査で,[乱交を行なう]多く[の若者]は,……目的も自己満足もないまま生きていると自分で思っていることを明らかにした」と,ソレンセンは書いています。彼らの46%が,「現在のような生き方では,自分の能力がほとんどむだになってしまう」という一文に対し,自分たちもそう思っていることを認めました。ソレンセンはさらに,乱交を行なうその若者たちが,「自信と自尊心」の低下を報告している点も明らかにしました。

      箴言 5章9節が述べるとおり,不道徳な行ないをしている若者は『自分の尊厳を他人に渡してしまう』のです。

      その次の朝

      いったん不正な関係を結んでしまうと,二人はお互いに相手を違った目で見るようになるものです。少年のほうは,少女に対する感情が以前ほど熱烈でないのを感じるかもしれず,彼女がそれほど魅力的に見えなくなるかもしれません。他方,少女はもてあそばれたと思うかもしれません。若者であったアムノンに関する聖書中の記述と,彼が処女のタマルを好きになって恋煩いをしたことを思い起こしてください。それなのに性交を行なった後,「アムノンは非常に大きな憎しみにかられて彼女を憎みはじめた」のです。―サムエル第二 13:15。

      マリアという少女も同様の経験をしました。性関係を持った後,彼女は自分の気持ちをこう語りました。「私は(自分の弱さゆえに)自分を憎み,またボーイフレンドを憎みました。二人の関係をいっそう親密なものにすると思った性関係で,私たちの関係は終わりを告げたのです。彼とは二度と会いたくないと思いました」。そうです,婚前交渉を行なうカップルは,決して引き返すことのできない一線を踏み越えるのです。

      家族生活の分野の研究で定評のあるポール・H・ランディスは,「[婚前交渉は]一時的には関係を強めるものかもしれないが,長期的に見たその影響はかなり異なったものになる」と述べています。事実,性関係を持つカップルは,それを控えるカップルよりも別れることが多いようです。理由は何でしょうか。不義の性は,嫉妬心と不信感を生むのです。ある若者はその点を認めてこう言っています。「性交を行なうとそのあとで,『彼女は僕と寝たのだから,ほかの人とも寝たことがあるかもしれない』と考える人たちがいる。実は僕も同じことを考えた。……僕は極端な嫉妬と猜疑心に駆られ,相手を信じられなくなった」。

      これは純粋の愛とは何とほど遠いのでしょう。純粋の愛は,「ねたまず……みだりな振る舞いをせず,自分の利を求め」ません。(コリント第一 13:4,5)永続する関係を築く愛は,盲目的な恋愛から生まれるものではありません。

      純潔がもたらす益 ― 平和と自尊心

      しかし純潔を保つ若者は,悲惨な結果を避けることができるというだけにとどまりません。聖書は,一人の若い乙女がボーイフレンドを熱烈に愛していたにもかかわらず純潔を保ったことについて述べています。そのため,彼女は誇りをもって,「わたしは城壁です。わたしの乳房は塔のようです」と言うことができました。彼女は,不道徳な圧力がかかると容易に“開いてしまう”,いわば“自在戸”ではありませんでした。彼女は道徳的に言って,近づき難い塔のある要塞の,よじ登ることが不可能な城壁のように立っていて,「浄い者」と呼ばれるに値しました。その乙女は自分の夫となる人について,「わたしはあの方の目に,平和を見いだしている者のようになりました」と述べることができました。彼女自身の思いの平和は二人の間に満足感を生み出すことに役立ちました。―ソロモンの歌 6:9,10; 8:9,10。

      先に述べた純潔を重んじる女性エスターも,同様の内面の平和と自尊心を持っていました。彼女はこう述べています。「私は自分自身に満足していました。職場の同僚に嘲笑されても,自分が処女であることを希少価値のあるダイヤモンドのようにみなしていました」。それに,エスターのような純潔な若者は良心の責めを感じることがありません。クリスチャンである19歳のステファンは,「エホバ神に対して正しい良心を持っていることほど気持ちの良いことはありません」と言いました。

      『しかし性関係を持たずに,どうしてお互いをよく知ることができるだろうか』と考える若者もいます。

      永続する親密さを培う

      性だけによって永久的な関係を築き上げることはできません。接吻のような愛情表現によってもそれは築けません。アンという若い女性は,「あまりにも早くから肉体的に親密になりすぎることがあるのを私は経験から学びました」と忠告しています。二人が互いに愛情の表現に時間を費やすなら,有意義な対話はなくなってしまいます。そのようにすれば重大な食い違いをうまく取り繕えるかもしれませんが,それは結婚してから表面化する恐れがあります。アンは後日別の男性 ― 最終的に結婚した相手 ― と交際するようになった時,身体的にあまり親密にならないように注意しました。「私たちはいろいろな問題を解決することや,人生の目標について話し合うことに時間を用いました。ですから,自分がこれからどんなタイプの人と結婚しようとしているのかよく分かりました。結婚後は思いがけない喜びばかりでした」。

      そのような自制を示すことはアンとボーイフレンドにとって難しかったでしょうか。アンは「難しかった」と告白しています。「私は生まれつき愛情の深いほうでした。でも私たちはいろいろな危険について話し合い,助け合いました。エホバに喜んでいただくことを二人とも心から願っていましたし,これから始まる結婚生活を台なしにしたくないと考えていました」。

      しかし,新しく夫や妻になる人が前もって性的な経験を積んでおくと助かるのではありませんか。いいえ,その反対です。そのような経験は多くの場合,結婚の親密さを損ないます。婚前交渉では,自己満足や性の物理的な面が強調されます。奔放な情欲は,相互の敬意を損ないます。いったんそのような利己的なパターンが出来上がると,それを打ち破ることは難しく,やがては二人の関係も破壊される恐れがあります。

      しかし結婚生活において健全で親密な関係を保つには,抑制と自制が求められます。得るよりも与えること,『相手が性的に当然受けるべきものを与える』ことに焦点が置かれなければなりません。(コリント第一 7:3,4)純潔を保つことは,そのような自制を培う助けになります。そのようにすれば,自分自身の願望よりも他の人の福祉に無私の関心を払うことを学びます。さらに,結婚生活から得られる満足は,身体的な要素だけにかかっているのではないことも覚えておきましょう。社会学者のシーモア・フィッシャーによると,女性の性的な反応は,妻が抱く「親密で親しい感情や,頼りになるという気持ち」,さらには「妻との一体感を示す[夫の]能力や,……妻が夫に寄せる信頼の程度」によっても左右されます。

      興味深いことに,177人の既婚の女性を対象にした調査で,婚前交渉を行なっていた人々の4分の3が,結婚後最初の2週間は性の面で難しい問題があったと答えています。それに加えて,性の面で難しい問題が長期間続いたと答えた人々は皆,「婚前交渉の前歴を持って」いました。さらに,婚前交渉を行なう人々が結婚後姦淫を犯す可能性は,婚前交渉をしない人の2倍であることがその調査で分かりました。『淫行は良い動機を奪い去る』という聖書の言葉は何と真実なのでしょう。―ホセア 4:11。

      ですから,『人は自分のまいたものを刈り取る』のです。(ガラテア 6:7,8)欲情をまいたなら,疑いと不安をたくさん刈り取ります。しかし自制をまけば,忠実さと安心感を刈り取ります。先に述べたエスターは,これまで幸福な結婚生活を何年も送ってきました。彼女の夫は,「妻のいる我が家へ帰って来る喜び,自分たちがお互いに二人だけのものであることを知っている喜びは口には表わせません。この確信は何物にも代え難いものです」と語りました。

      結婚するまで待つ人々も,神に喜ばれていることを知って思いの平安を享受します。しかし今の時代に純潔を保つのはおよそ容易なことではありません。純潔を保つ上で何が助けになるでしょうか。

      討論のための質問

      □ あなたが知っている若者たちの間では,婚前交渉がどれほど広く行なわれていますか。そのことはあなたにとって問題や圧力となっていますか

      □ 婚前交渉の後に現われる悪影響には,どんなものがありますか。あなたが知っている若者の中で,そのような影響を被った人がいますか

      □ 避妊は,十代の妊娠という問題の解決策になりますか

      □ 不正な性関係の後,罪悪感を覚えて失望する若者がいるのはなぜですか。

      □ 性関係を持つことは,結婚していないカップルが親しくなるのに役立つと思いますか。答えの理由を述べてください

      □ どうすれば未婚のカップルは,交際している間に相手をよく知ることができますか

      □ 結婚するまで純潔を保つことにはどんな益があると思いますか

      [182ページの拡大文]

      「十代になっても性行為をしたことのない若者は例外的な存在である」― アラン・グートマヒャー研究所

      [187ページの拡大文]

      「本当にがっかりしました。予期していた快感や愛の温かさは感じられませんでした」

      [190ページの拡大文]

      婚前交渉を行なうカップルは,決して引き返すことのできない一線を踏み越える

      [184,185ページの囲み記事/図版]

      『わたしにはそんなことは起きないわ!』―十代の妊娠問題

      「10人に一人を上回る割合で毎年十代の少女が妊娠しており,その割合は高くなっている。この調子でゆくと,若い女性10人に4人は十代のうちに少なくとも一度妊娠することになる」。「十代の妊娠: まだなくなってはいない問題」はそのように伝えています。ではどんな少女が妊娠するのでしょうか。「青年期」誌は,「学校に通う年齢で妊娠する少女は,あらゆる社会経済階層に見られ……あらゆる人種,あらゆる宗教の中に,また田舎であれ都会であれ国のあらゆる場所にいる」と述べています。

      妊娠することを実際に望む少女はほとんどいません。妊娠した十代の少女400人余りを対象にした画期的な研究論文の中で,フランク・ファーステンバーグ2世は,「インタビューでほとんどの少女が『わたしにこんなことが起きるとは全く考えもしなかった』と繰り返し言った」と述べています。

      ところが,性関係を持っていても妊娠しない友達がいるのを見て,自分も同じようにできると考えた少女もいます。ファーステンバーグはさらにこう述べています。「“すぐに”妊娠することはないと思っていたという少女が多い。“たまに”性関係を持ったのであれば妊娠しないだろうと考えた少女たちもいた……妊娠を免れている期間が長くなればなるほど,いっそう大きな危険を冒したようである」。

      しかし実際には,性関係を持つ時はいつでも妊娠する危険があります。(544人の少女から成るグループのうち,『ほぼ5分の1は性交を始めて6か月以内に妊娠している』。)多くの少女は,ロビンという未婚の母親のように,わざと避妊をしません。ロビンは多くの若者と同様,経口避妊薬を使って健康を損なうことを恐れたのです。ロビンはさらに,「避妊をすれば,自分が何か悪いことをしているのを自分で認めることになってしまいます。それは私にはできませんでした。それで自分のしていることを考えないようにし,何事も起こらないよう願っていました」と言いました。

      そのように考える未婚の母親は珍しくありません。ファーステンバーグの研究によれば,「十代の人のほぼ半数は,結婚するまで性関係を持たないことは女性にとって非常に重要だ」と述べました。「明らかに言行の不一致があったことは否めない……それらの若者は規準を一通り教わっていたが,別の規準に従って生活するようになった」というわけです。そのような感情的なかっとうがあったので,「それらの女性にとって性行為の結果を現実的に扱うことは特に難しかった」のです。

      避妊をしても,未婚の母親にならないという保証はありません。「子供のいる子供」という本は,「どんな方法にも失敗率というものがある。……未婚の十代の人が,避妊法を終始一貫して利用しても……毎年[米国では]50万人が妊娠することになる」と述べています。そして,パットという16歳になる未婚の母親が「きちんと[避妊薬を]飲みました。本当に1日も欠かしませんでした」と嘆いて言った言葉を引用しています。

      「惑わされてはなりません。神は侮られるような方ではありません。何であれ,人は自分のまいているもの,それをまた刈り取ることになるのです」と聖書は警告しています。(ガラテア 6:7)妊娠は,淫行から刈り取る不快な結果の一つの形にすぎません。幸いなことに,未婚の母親も,不道徳のわなに陥ってしまった他の人々すべてと同様,ダビデ王のような悔い改めの態度を示して転向し神のもとに来ることができます。「わたしのとがからわたしを完全に洗い,わたしの罪からわたしを清めてください」とダビデ王は祈りました。(詩編 51:2)「エホバの懲らしめと精神の規整とをもって」自分の子供たちを育てようとする,そのような悔い改めた人たちの努力を神は祝福してくださるでしょう。―エフェソス 6:4。

      しかしさらに勝っているのは,婚前交渉を避けることです! うまくやりおおせると言う人々に欺かれてはなりません。

      [183ページの図版]

      不道徳な性関係を持った後,もてあそばれたと感じる若者や,屈辱感さえ覚える若者は少なくない

      [186ページの図版]

      性行為感染症は,婚前交渉に起因することが多い

      [188ページの図版]

      未婚のカップルが愛情の表現に気を取られすぎると道徳的な危険に陥る恐れがあり,有意義な対話をする機会が少なくなる

      [189ページの図版]

      幸福な結婚生活は,夫婦の身体的な関係だけにかかっているのではない

  • どうすれば婚前交渉をきっぱりと拒否できるだろうか
    若い人が尋ねる質問 ― 実際に役立つ答え
    • 24章

      どうすれば婚前交渉をきっぱりと拒否できるだろうか

      ティーン誌が行なった全国調査で,同誌の若い読者の中に,次のような質問の答えを希望する人が多数いることが分かりました。その質問とは,「性的圧力をきっぱりと拒否するにはどうすればよいか」というものです。

      詩編 119編9節の中で詩編作者は,「どのようにして若い人はその道筋を清めるのでしょうか」と,同様の質問を提起しています。「[神の]み言葉にしたがって注意深くあることによってです」というのがその答えです。しかし,頭の知識以上のものが必要です。ある若い女性は,「不道徳な性行為について聖書が何と述べているか頭では分かっていても,心がいつもそれらの理由を頭の奥に押し込んでしまうのです」と打ち明けました。詩編作者は前述の詩編のあとの部分で適切にも,「わたしはあなたのことばを心のうちに蓄えました。あなたに対して罪をおかさないためです」と述べています。―詩編 119:11。

      心を守りなさい

      神のことばを心のうちに蓄えるにはまず,聖書や聖書に基づく出版物を読んで研究することが求められます。そうすれば,神の律法の価値を確信できるようになります。一方,性を刺激するものを読んだり,聴いたり,見たりすると「性的欲情」はかき立てられます。(コロサイ 3:5)したがってそのようなものは断固,避けてください! むしろ純潔で清い事柄を思いめぐらすようにしましょう。

      さらに,若者が純潔のままでいるかどうかに大きな影響を及ぼすのは,その若者の親しい友人であることが調査で明らかになっています。「わたしは,あなた[神]を真に恐れるすべての者たちの,また,あなたの命令を守る者たちの仲間なのです」と,詩編作者は述べています。―詩編 119:63。

      あなたの友達は,『神の命令を守る』よう懸命に努力している人でしょうか。ジョウアナという若い女性は,友人の選択についてこのように語りました。「エホバを愛する人たちのそばにいると,道徳について話す場合に,彼らと同じように感じ始めている自分に気づきます。例えば,彼らが不道徳には胸が悪くなると言うのを聞くと,自分もそのように感じ始めるのです。一方,そういうことを気に留めない人と一緒にいると,間もなくその人と全く同じようになってしまいます」。―箴言 13:20。

      しかし純潔を保つことがしばしば最大の挑戦となるのは,デートをする時や求婚期間を過ごす時です。ロバート・ソレンセンの行なったある全国調査を考慮してみましょう。ソレンセンによると,調査の対象となった若い男性の56%および若い女性の82%が,決まった恋人か,よく知っていて非常に好意を寄せている相手と初体験をしていることが分かりました。では,結婚を真剣に考慮する年齢に達し,だれかと交際している場合はどうでしょうか。どうすれば相手の人とよく知り合い,しかも純潔を保つことができますか。

      交際する時の落とし穴を避ける

      聖書は,「心は何ものよりもこうかつで,必死な状態にある。だれがこれを理解しているだろうか」と警告しています。(エレミヤ 17:9,バイイングトン訳)人は異性に対して魅力を感じるかもしれません。それはごく正常なことです。しかし二人が一緒にいる機会が多くなればなるほど,いっそう強く魅力を感じるようになります。しかもその正常な欲望は心を惑わしかねないのです。「心から,邪悪な推論,……淫行……が出て来ます」と,イエス・キリストは言われました。―マタイ 15:19。

      若いカップルは大抵,性行為を意図して行なうわけではありません。a 多くの場合,二人が局部を愛撫したり刺激したりしたためにそのようなことが生じるのです。一人の未婚の母親はこう告白しました。「私の場合も,また私が知っている子たちの場合も大抵,会うたびに少しずつ深入りし,最後にはもう処女ではなくなっているという状態でした。ちょっとしたペッティングから始まって,何が起きつつあるのか気づかないうちに,もうやめられなくなっているのです」。

      性の不道徳に自ら陥らないためには,心に導かれるままになるのではなく,心を導かなければなりません。(箴言 23:19)どうすればそうすることができますか。

      制限を設ける: ガールフレンドはキスやペッティングをしてもらうことを期待していると若い男性は思うかもしれませんが,相手は実際にそう思っていないかもしれません。「せん越であることによって人は闘いを引き起こすだけである。しかし,一緒に協議する者たちには知恵がある」。(箴言 13:10)ですから,あなたがだれかと交際しているなら,そのことについて自分がどう感じているかを,「一緒に協議」することによって相手の人に知らせましょう。思慮を働かせて愛情の表現に制限を設けてください。それと同時に,まぎらわしい信号を送らないようにしましょう。ぴったりしすぎていて,あらわで,性を刺激するような衣服を身に着けるなら,相手に誤ったことを伝達しかねません。

      誘惑となる状況を避ける: 山の中の人気のない場所へハイキングに行こうとボーイフレンドから誘われた,うら若い乙女の話が聖書に載っています。ボーイフレンドの動機は何でしたか。二人で早春の美しさを観賞したいと思ったのです。しかし乙女の兄たちはその行楽計画を知ると腹を立て,その計画を中止させました。それは,乙女のことをふしだらだと思ったからではなく,そのような状況下で働く誘惑の力を知っていたからです。(ソロモンの歌 1:6; 2:8-15)同様に家やアパート,あるいは駐車中の車の中でデートの相手と二人きりになるといった,誘惑につながりやすい状況は避けるべきです。

      自分の限界を知る: ほかの時に比べてずっと性の誘惑に陥りやすくなる時があります。例えば,自分が何かの失敗をしたり,両親と意見が合わなかったりして気落ちすることがあります。どんな場合であれ,そのような時には特に用心しなければなりません。(箴言 24:10)また,アルコール飲料の使用にも気をつけてください。アルコール飲料の影響を受けて,抑制のきかなくなることがあります。「ぶどう酒と甘いぶどう酒とが良い動機を奪い去る」のです。―ホセア 4:11。

      きっぱりと拒否し,その態度を変えない: 感情が高まり,自分たちが危険なほど親密になっていることに気づくなら,どうすることができますか。二人のうちのどちらかが,その気分をこわすことを言うか,行なうかしなければなりません。デブラという女性は,気がついてみるとデートの相手と二人きりになっていました。その男性は,“語り合う”ため寂しい場所に車を止めたのです。感情が高まってきた時,デブラはデートの相手に,「これはネッキングではないかしら。やめるべきですよね」と言いました。それで気分がこわれ,その男性は直ちに彼女を家に送り届けました。こうした状況のもとできっぱりと拒否するのは,これまで行なわなければならなかった事柄のうち最も難しいことかもしれません。しかし,状況に屈してしまって性関係を持った20歳のある女性が語ったように,「立ち去らなければ,後悔します」。

      付き添いを伴う: 時代遅れとみなす人もいますが,デートに付き添いを伴うのはやはり良い考えです。中には,「僕たちが信頼できないみたいです」とこぼすカップルもいます。もしかするとそうかもしれません。しかし,自分を信頼することは賢明でしょうか。箴言 28章26節は,「自分の心に依り頼んでいる者は愚鈍であり,知恵によって歩んでいる者は逃れることになる」と率直に述べています。デートの時にはだれかほかの人に一緒に来てもらうようにして賢明に行動してください。デブラは,「私は付き添いを連れて来る人を心から尊敬します。その人も,純潔であることに私と同じほど関心を持っていることが分かるからです。そのためにつらい思いをすることは全くありません。何か二人だけで話したい時には,ほかの人たちに聞かれない所へ行けばよいからです。付き添いの人に来てもらうことによって得られる保護は,どんな不都合をも忍ぶだけの価値があります」と打ち明けています。

      神との友情

      何よりも,神を感情のある実在者として知り,神との親しい友情を培うなら,神を怒らせるような振る舞いを避けるよう助けられます。特定の問題に関して神に心中を打ち明けるなら,神をいっそう身近に感じます。純潔のままでいることを願い,感情の高まった状況に置かれた時には一緒に神に祈りをささげて,必要な力を願い求めることさえした男女は少なくありません。

      エホバは寛大にも,そのような二人に『普通を超えた力』を与えてこたえてくださいます。(コリント第二 4:7)あなたが自分の分を果たさなければならないのは言うまでもありませんが,神の援助と祝福があれば,確かに,性の不道徳をきっぱりと拒否することは可能です。

      [脚注]

      a ある調査では,女性の60%が,性行為は成り行きによるもので,意図したものではなかった,と回答しています。

      討論のための質問

      □ 性に関するエホバの律法を重んじるのに役立つ,どんな事柄を行なえますか

      □ あなたの友達は,婚前交渉に対するあなたの見方にどんな影響を与える恐れがありますか

      □ デートの時に用心が必要と思われるのはなぜですか

      □ 不品行に陥らないため,交際中のカップルは何を行なえますか

      [193ページの拡大文]

      「ちょっとしたペッティングから始まって……」

      [194ページの拡大文]

      求婚期間中は,二人きりにならないようにして不道徳を避ける

      [195ページの囲み記事/図版]

      デートの際に純潔を保つ

      ネッキングやペッティングに発展しそうな状況を避ける

      グループで交際するか,付き添いを伴う

      常に建設的な会話を行なう

      最初から,愛情の表現の制限について自分の態度を知らせておく

      慎み深い服装をし,挑発的な行動を避ける

      純潔が脅かされていると感じるなら,家に送り届けてもらうように頼む

      “夜の別れのあいさつ”が長くならないようにする

      早めに帰宅する

      [図版]

      交際中のカップルは,二人きりにならないような活動に参加するとよい

      [196ページの図版]

      状況が過度に“熱を帯びて”くるなら,分別を働かせてきっぱりと拒否し,その態度を変えない

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