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学校で身を守るために何ができるだろう若い人が尋ねる質問 ― 実際に役立つ答え,第2巻
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いじめに打ち勝つ ― 暴力に訴えずに
いじめをする人の中には,相手の感情を逆なでして単にその反応を楽しもうとする人もいます。しかし,聖書は「自分の霊にせき立てられて腹を立ててはならない」という賢明な助言を与えています。(伝道の書 7:9)事実,『悪に悪を返す』ことは火に油を注ぐようなもので,問題を大きくしかねません。(ローマ 12:17)では,暴力に訴えずにいじめに打ち勝つには,どうすればよいのでしょうか。
軽く受け流す。相手が単に冗談半分でからかっているなら,気分を害すのではなく,笑って済ませましょう。「けんか腰の言葉を深刻に受け止めないようにするだけで丸く収まることもあります」と,エリウという若者は言います。いじめる人は自分の言ったことに効果がないと分かると,いやがらせをやめるかもしれません。
温和さを示す。『温和な答えは激しい怒りを遠ざける』と聖書は述べています。(箴言 15:1)親切な答えはいじめる人の意表を突くものとなり,緊張が和らぐこともあります。確かに,いじめを受けた時に冷静さを保つには,自分を制することが必要です。そうするほうがいつでも良い結果になります。箴言 29章11節には,「愚鈍な者は自分の霊をさらけ出し,賢い者は最後までこれを穏やかに保つ」とあります。温和さは強さのしるしです。いじめをする人がしばしば不安になったり,いらだったり,やけになったりする一方,温和な人は感情的なバランスを簡単には失いません。『怒ることに遅い人は力ある者に勝る』と聖書が述べているのには,もっともな理由があります。―箴言 16:32。
身を守る。事態が手に負えないようなら,“逃げ道”を見つける必要があるでしょう。箴言 17章14節は,「言い争いが突然始まってしまう前にそこを去れ」と述べています。ですから,今にも暴力を振るわれそうなら,立ち去るか,走って逃げてください。逃げられないなら,暴力から身を守るためにできる限りのことをする必要があるでしょう。
知らせる。親はあなたの身に何が起きているかを当然知る必要があります。また,実際的なアドバイスを与えることもできます。例えば,生徒指導の先生などに事情を話すよう勧めるかもしれません。親や先生は慎重に問題を扱い,被害にさらに遭うことのないようにしてくれるでしょう。
結局のところ,あなたが相手の期待どおりに反応しない限り,いじめる人があなたよりも優位に立つことはないのです。ですから,挑発に乗らないでください。むしろ,いま考えた提案を活用して,その状況をコントロールするようにしましょう。
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学校で身を守るために何ができるだろう若い人が尋ねる質問 ― 実際に役立つ答え,第2巻
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かぎとなる聖句
「できるなら,あなた方に関するかぎり,すべての人に対して平和を求めなさい」。―ローマ 12:18。
アドバイス
いじめに遭っているなら,攻撃的な態度を避けつつも,思っていることをはっきり伝えてください。きっぱりした態度で,やめてと言いましょう。穏やかに立ち去ります。もしいじめが続くなら,だれかに知らせてください。
知っていましたか
不良グループ特有の格好をするなら,標的にされやすくなります。以前不良グループにいた人はこう言います。「だれかが仲間でもないのに自分たちと同じような服装をしていれば,間違いなく攻撃の的になりました。その人はグループに入ることになるか,痛めつけられるかのどちらかでした」。
やろうと思うこと
もしだれかから侮辱されたり挑発されたりしたら,こうする __________
いやがらせの原因を作らないために,こうする __________
この章の内容で親に聞きたいこと __________
考えてみましょう
● どうすればもっと自信や落ち着きを示して,いじめられる可能性を減らすことができますか。
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学校で身を守るために何ができるだろう若い人が尋ねる質問 ― 実際に役立つ答え,第2巻
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[123ページの拡大文]
“けんかが始まりそうだと分かったら,かかわりを持たずに家に帰ることです。周りにたかっている子もいますが,そんな時に問題に巻き込まれるんです。”― ハイロー
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学校で身を守るために何ができるだろう若い人が尋ねる質問 ― 実際に役立つ答え,第2巻
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[124ページの図版]
いじめる人の挑発的な言葉に腹を立てるのは,火に油を注ぐようなもの
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