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  • アフリカの,消えゆく野生動物 ― 生き残れるだろうか
  • 目ざめよ! 1987
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目ざめよ! 1987
目87 9/22 3–5ページ

アフリカの,消えゆく野生動物 ― 生き残れるだろうか

朝になりました。アフリカの大草原ではすべてが静穏です。灌木の間では雄の象が一頭,草をはんでいます。伸ばした鼻を草や若枝に巻きつけて引き戻し,それらを根こそぎ抜き,土を払って口の中へ入れ,おいしそうにかんでいます。こうして今日も1日130㌔余りの植物を消費しようとしているのです。その象は自分では気づいていませんが,この草原で40年を過ごしてきました。その大きな牙が年齢を反映しています。多分あと10年間,雄親として子をもうけ続け,その後さらに10年は生きることでしょう。

朝の静けさを破って,1発の銃声がとどろきます。

弾丸は高性能のライフルから発射され,年を経たその雄の象の脇腹に深くめり込みます。象は大きな悲鳴を上げ,よろめき,ろうばいしながら歩こうとしますが,さらに銃弾を浴びます。ついにがっくりひざをつき,どっと倒れます。小型トラックがやって来て,一群の男が興奮した様子で仕事にかかります。彼らは,牙の付け根の頭蓋骨に達するまで象の顔面を切り裂き,手早く牙を切断します。密猟者たちは何分もたたないうちに姿を消します。大草原には再び静けさが戻ります。それまでは年を経て威厳のあった雄の象も,今や6,300㌔の肉の塊にすぎなくなり,腐るままその場に放置されます。

残念ながら,これは特異な例ではありません。事実,密猟者に殺される象の数は,年に4万5,000頭とも40万頭とも言われています。野生動物を調査した種々の報告によれば,アフリカ象の総数は,かつての数百万頭からほぼ90万頭へと次第に減少してきています。もし密猟が今のペースで続くなら,その数も今後10年以内に半分になるでしょう。年を経た雄,つまり牙の大きな象が減るにつれて,若い雄の撃ち殺されるケースが多くなり,雌の象でさえ狙われるようになります。

なぜそのように虐殺するのでしょうか。それは,アフリカで象牙の売買が年間5,000万㌦(約75億円)にも上り,自動火器も容易に手に入るようになったことと相まって,象が密猟者にとって非常に魅力的な標的になっているためです。

アフリカのサイはもっと重大な危険に面しています。その数は,過去100年間の乱獲によって,すでに今から30年ほど前に10万頭そこそこにまで減少してしまいました。今では保護地に1万1,000頭しかいません。1972年から1978年までの間に毎年2,580頭のサイが殺されました。西暦2000年までには絶滅してしまう,と心配している生物学者は少なくありません。

なぜそのように殺りくが行なわれるのでしょうか。これもやはり金もうけのためというのが主要な答えです。サイの角は小売価格にすると1㌔につき1万1,000㌦(約165万円)以上の値になることがあるのです。極東全域では,粉末にされて頭痛薬や解熱剤として売られています。そのような薬効のないことは種々の検査で示されていますが,それでも買い手があるのです。サイの角の市場として大きな部分を占めているのは北イエメンで,そこでは近ごろ金持ちになった青年たちが,牛の角でも全く同じ目的を果たすのに,誉れ高いサイの角の柄の付いた儀式用の短剣を欲しがっています。

ルワンダとザイールの境をなす火山の高地,およびその近くのウガンダのブウィンディ森林には,マウンテンゴリラの最後の群れが生息しています。その数は減少してまさに絶滅寸前です。現在,野生のものは400頭ほどしか残っていません。なぜでしょうか。それらのゴリラは密猟者に殺されて記念品にされるのです。ゴリラの頭は壁飾りとして最高1,200㌦(約18万円),ゴリラの手は灰皿として使うために600㌦(約9万円)でやみ取り引きされることがあります。

足の速さでは動物界で世界一のチーターも,絶滅の危機にひんしていると考えられています。野生のものは2万頭しか残っていません。しかもこのわずかな数の間では近親繁殖の危険があり,そのためチーターの幼獣の死亡率は高くなっている,と警告する科学者もいます。ですからチーターは,生息地が狭くなるという圧力には他の動物よりも弱いのです。

実際,アフリカの野生動物が居住域を必要としているために複雑な問題が生じています。例えば,1頭の野生の象が小さな農場を通って物を食べるなら,農夫の生活はすぐにも脅かされるかもしれません。しかし,もし余りに多くの象が,農夫の穀物を脅かさない公園や保護区の境界内に閉じ込められるなら,象はその貪欲な食習慣をもって公園内の森林をたちまちのうちに草原に変えてしまうかもしれません。象は移動できないわけですから,植物が生長して森林が元どおりになるチャンスはありません。

保護論者,公園監視員,科学者たちが,こうした問題とりっぱに取り組んで,幾らかの成果を収めてきたことは称賛に値します。南アフリカのシロサイの数が近年百頭そこそこになりましたが,効果的な保護策が実施されたため,今では3,000頭前後になっていることなどはそのよい例です。

それでもやはり,アフリカのサイやアフリカの野生動物だけでなく,世界中のすべての野生動物に危険が迫っています。アジアでは象もサイも,今ここで取り上げたアフリカの種以上に深刻な絶滅の危険に直面しています。さらに憂慮すべきことに,毎日生物の一つの種全体が絶滅してゆくことを示唆する研究報告もあります。別の報告では,今から今世紀の終わりまでの間に,1時間に一つの種が姿を消してゆくと言われています。

そのように失われていってもよいものでしょうか。本当に必要な物であれ,必要な気がするだけの物であれ,人間が必要としているからといって,そのような強欲に基づく撲滅行為を正当化できるものでしょうか。

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