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集会は信仰の成長を助ける2017 エホバの証人の年鑑
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ぜひともジョージア語の文書を
やがてジョージア語の文書がどうしても必要だということが分かってきました。再訪問や聖書研究の際,奉仕者には研究生が最もよく理解できる言語の聖書や聖書文書が必要でした。a
バブツァはジョージア語の文書が全くない中で聖書研究を司会する難しさをこう振り返ります。「わたしの持っていた聖書と出版物はすべてロシア語でした。それで多くの場合,研究生のために資料を翻訳することが必要になりました」。バブツァは辞書だけを頼りにして,雑誌の記事をジョージア語に翻訳しました。マタイの福音書全体を翻訳することまでしました。
勇気ある証人たちは小さな謄写版を使って自宅で文書を複写した
関心を持つ人たちは母語に訳された記事を見て本当に喜び,それを自分用に手で書き写しました。ジョージア語の聖書はなかなか手に入らなかったので,研究生の中には現代の“写字生”となった人もいます。
「1日中書き写していました」
ジョージア語に翻訳された文書は兄弟たちや関心を持つ人に回覧され,全員が読めるようにしました。しかし,各人が読むための時間は数日から数週間しかありませんでした。現代のジョージア語に訳されたギリシャ語聖書が兄弟たちの間で回覧された時,ある家族はその機会にそれを書き写すことにしました。
父親からギリシャ語聖書を書き写すよう頼まれた時,ラウル・カルチャバはまだ13歳でした。こう言います。「父は箱いっぱいのノートやたくさんのペンや鉛筆を買ってきました。わたしにやる気を起こさせるためです。圧倒されそうになりましたが,取りかかることにしました。少し手を伸ばすために休む以外は,1日中書き写していました」。
ジョージア語の「ものみの塔」と「日ごとに聖書を調べる」,手で書き写されたもの
皆が読みたがっているその聖書を,ラウルがさらに数週間用いてよいことになったので,親族は大喜びしました。おかげで若いラウルは,この大きな仕事を成し遂げることができました。わずか2か月で,27の書からなるクリスチャン・ギリシャ語聖書全体を書き写したのです。
書き写すために勤勉な努力が払われましたが,増加していく聖書研究生の霊的な飢えを十分に満たすことはできませんでした。差し迫った必要を満たすため,勇気ある兄弟姉妹たちは危険な仕事を引き受けました。それは自分たちの家で聖書文書を複写して配達することです。
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